まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

林栄哲の和太鼓

2018年05月05日 | 日記

久しぶりに「題名のない音楽界」を観た。
久しぶりに魂が震えるような高揚感を味わった。
和太鼓奏者・林栄哲の演奏だった。

今さら説明の必用もない
日本を代表する和太鼓奏者である。
1970年代の初頭に伝説の『佐渡・鬼太鼓座』の創設に参加。
その後、『鼓童』の創設にも参加し
1982年、10年以上のグループ活動を経て後
ソロ演奏者として独立した。
久しぶりに聴く彼の太鼓は「剛直」というイメージを脱して
どこか研ぎ澄まされたピュアな響きだった。
それでいて音に膨らみがあって
迫力という点では以前にもまして圧倒的であった。

もう20年以上も前になるだろうか。
公演旅行の合間にロングインタビューに応じてくれた。
すでに和太鼓の第一人者だったし
その名声は国内のみならず海外でも鳴り響いていたが
本当に太鼓だけで勝負できるかという
実にプリミティブな悩みに彼はとらわれていた。
ジャズやクラシックとのコラボレーションを重ねながら
和太鼓の可能性を見つけようと必死にもがいていた時代である。
もう十分に「世界の林栄哲」だからもっとカッコつけてもいいのになあ
などと思いながら、朴訥な広島弁が印象的だった。



もともとヨーロッパでは人気だったが
フランスでは彼の太鼓は「芸術の究極」と絶賛されているらしい。
フランス人の美的感覚に合うのだろうか。
門外漢の私が偉そうに言うのも憚られるのだが
ヨーロッパに活動の本拠地を移してから一皮むけたような気がする。
日本的という変なこだわりや枷を外してから
演奏に今までにない自由さと奥深さが出てきたように思う。
林栄哲 66歳。
うーん、私より2つも年上なのに
あの無尽蔵の体力と気力は何なのであろうか・・・〈涙〉