Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

「明日の飛行機に乗って!」

2011-03-15 23:16:46 | フィンランド

フィンランドのお父さんから電話。フィンランドのトップニュースは原発、放射能漏れのことだったという。ラジオでそのニュースを聴き、あわててテレビをつけ、同時にインターネットも見ながらの電話だった。「東京で放射能が観測されたけど大丈夫?」 お父さんは電話の向こうで興奮していた、「日本ほどの国でどうしてこんな事故がおこるんだ」。そして隣ではお母さんが「明日の飛行機に乗ってフィンランドに来なさい」と命令形で叫んでいる。

夕方、カンテレ奏者エヴァ・アルクラからも電話。早口のフィンランド語でまくし立てるように喋っている。地震より放射能漏れのこと、フィンランド語でも日本語でも難しい内容はお互い気持ちで喋っている感じ。東京在住のフィンランド人たちはすぐに日本を離れると電話があったそう。セイヤ(エヴァのお母さん)も心配していて、「フィンランドは安全だから、いつでも来て」と。

ケータイに、次々にフィンランドの友人たちからメールが入る。帰宅したらPCにもフィンランドメールがいっぱい。誰もが地震お見舞いと放射能漏れを心配している。そして「フィンランドは安全だから、早く来て」。ありがたい、皆が心配してくれる。と同時に日本国内より海外での受けとめ方に驚いた。

原発に関する記者会見は、東京電力、政府、原子力関係の3機関が行っているが、どれもちんぷんかんぷん。専門用語を並べて、「わざと」一般人には理解しにくくしているように感じる。ある発表では、記者が「もっと小学生でもわかるように説明しろ」と怒鳴っていた。そのとおり! 唯一の被爆国日本、原発があるわりには今まで無関心に近く、危機感も感じていなかった人は私だけではないと思う。「メルトダウンって?」「シーベルトってどのくらいの単位?」、何にも知らなかった。

そんな私たちも、ニュースを見るたびに深刻な状況になっていることに身を縮める。考えている以上に恐ろしいできごとであると、だんだんわかってきた。ロシアのチェルノブイリ、息子が生まれた年なので忘れない。住民や作業員の知識が薄く、被爆者が多かった事故。アメリカのスリーマイル島と並んで、きっと福島は世界三大原発事故に記憶されるほどだと思う。

安全で、そして私たちを憶えて祈ってくれるフィンランドを思いながら、今夜もニュースから目が離せない。