Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

赤いストールの物語

2011-03-07 23:12:52 | つれづれ・・・

さっきまで手に持っていた赤いストールがない! どこで落としたのかしら? と電車に乗るときに気がついた。仕事場から駅まで車で送ってもらったので、きっと車の中に忘れたのね・・・と、先に歩みをすすめた。

そして翌朝いちばんで、「昨日ストール忘れたみたい」とA運転手さんに聞いたら、「えっ、なかったよ」とあっさり。えぇぇぇぇ~~~っ、どこに落としたのか、どうしよう・・・。 外はどしゃ降り雨、もしかしたらこの雨の中、どこかでびしょ濡れになっているかもしれない、と思い始めたら、大好きなカシミヤの赤いストールがとても愛しく、恋しくなってきた。

B運転手さんが「そっち方面にいくから見てきてあげるよ」 そのひと言に望みをかけて仕事に励む。お昼近くに「あったよ」と拾ってきてくれたのは、同じ赤の編みこみマフラー。「ごめんなさい、違うの」。その顔はガックリきていたようで、「かわいそうでみていられなかった」Bさんはもう一度見に行ってくれた。1時間後、「先生、ハナマルだよ」と、ビニール袋に入ったストールが届いた。「ありがとう!」

赤いストールはゴミ容器の後ろ側に落ちていたそう。丁寧にたたんであったので、きっと拾った人が蓋の上に置いてくれたけど風で飛ばされたらしい。そこは道路からは見えないので、Bさんはあの雨の中を探してくれた。感謝、感謝。その日は何度も何度もお礼を言った。「先生、本当に好きなストールなんだね」

編みこみのマフラーは家でお洗濯し、きれいに透明の袋に入れる。翌朝、Bさんが拾った場所に戻してくれた、飛ばないようにとしっかりフェンスに縛りつけて。そしてその翌日にはなくなっていたので、きっと持ち主に戻ったと信じたい。