GOVAP便り

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ロンスエンの4月30日

2010-05-01 00:33:38 | 天気
ゴソゴソと天井で物音が鳴り、エアコンの調子が悪いのかのような異音が雨音の始まりでした。次第に激しくトタン屋根を叩く雨音に変わり、ドアを開けて外を見ると、急な雨に家路を急ぐバイクがクラクションを鳴らしながら走っていました。

30分ほどすると雨音は再び遠ざかり、ゆっくりした雨だれ音がかすかに聞こえて来るだけになり、しかし空ではゴロゴロと雷鳴が響いています。まだ濡れたままの道路を、涼しくなった空気を楽しむかのうようにバイクが走りはじめました。

降りそうで降らない雨は、「暮れそうで暮れない黄昏時」よりもずっと辛い、などと思っていた雨がやっと降り、滞ってた懸案課題が解決したような、あるいは数日続いた便秘が治ったようなスッキリした気分になりました。雨で冷やされた地表の温度はたぶん1・2℃しか下がらないのでしょうが、この1・2℃の差が短距離走者の100分の1秒のように貴重です。

連休の初日、出掛けるつもりでしたが、カフェに朝のコーヒーを飲みに行った後、部屋に戻って洗濯を済ませ、着替えをしてると既に全身がベタベタ汗ばんでいました。10時を過ぎて陽も高く、気が変わって、「出掛けるなら早朝」にすべきと思い直しました。

午後からは、エアコンの冷えた空気の中でのんびりと、ベトナムの歴史書を辞書を引きながら読み始めてみると、これが思いのほか脳細胞には負担だったようで、1時間もしない間に炎天下をバイクで走った後のように疲れてベッドに横たわり、そのまま夕方まで数時間眠り続けてしまいました。

夕食にも出掛けないまま夜になり、10時を過ぎると打ち上げ花火の音が聞こえます。ドアを開けても隣の建物に遮られ花火は見えません。そう言えば、ロアンさんのお父さんはこのロンスエンの花火師だったと聞きましたが、たぶんだいぶ昔のことだったのだと思います。

テレビではモノクロ映画が上映されてました。観るに耐えない最近のテレビドラマが多い中で、かつてのモノクロ映画はまるで別世界です。少なくてもベトナム映画の世界では、市場経済化の進行が質の低下をもたらしていると感じます。2010年のベトナムには魅力的な何物もない、などとも思いつつ。

英語の字幕が付いた映画は、「10月になれば」のようでした。来週サイゴンに戻った時に古いベトナム映画のDVDを探してみようと思います。


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