ベトナム食糧協会の報告によると2012年のコメ輸出は昨年比8.29%増の772万トンとなったそうです。たぶん数量としてはタイを抜き、インドに次ぐ世界第2位のコメ輸出実績。2013年輸出見通しは750~760万トンだそうです。
知り合いの30代後半のベトナム人が、子供の頃の80年代にはコメが買えず毎日空芯菜ばかり食べていた、とか1日に一食はキャッサバを食べていた、と言ってたのを思い出しました。
2日前には日本のサイトSankeiBizでも「コメ輸出量最高も輸出額は伸び悩み ベトナム、品質改善が課題」との記事が掲載されていました。
ベトナム食糧協会が1月7日に会議を開催し、「2012年のコメ輸出総括と2013年の展望」というような報告を行ったことが記事になったようで、ベトナムのサイトでも取り上げられていました。
この記事を読むとSankeiBizの記事タイトルはやや的外れであると感じます。輸出額の前年比1.98%減少は主要に国際価格の低下によるもので、輸出米構成には大きな変化が起きているとベトナム食糧協会は指摘しています。
「高級米輸出は357.3万トンとなり、輸出の46.29%を占め、2011年より79%増加した。通常米と低品質米輸出は271.9万トンと昨年比32%減少し、輸出全体の35%となった。各種香り米もまた58.4万トンと昨年比21.8%増加し、輸出全体の7.57%を占める」とのことです。
また、輸出市場の問題として2012年は「ベトナム米輸出の「集中契約」による比率が急減しており、2011年に48%だったものが約20%に急減した。主要輸出先だったフィリピン、インドネシア市場が食糧自給の取り組みによって減り、代わってアフリカや他のアジア諸国の新しい市場へと輸出市場の構造変化がもたらされている」。
2012年の籾米生産量は4,370万トンで前年比3.3%ほど増加したわけですが、コメ輸出は8.29%増とされています。籾米換算で130万トン増えた分を精米換算し、ベトナムの人口増加率を差し引けばちょうど辻褄が合う数字ですが、実態はどうなんでしょう?
先月、ドンタップ省の小さな食堂で食べた昼食のコメは美味しく、同行の日本人が「このコメは自分の家で食ってるヤツじゃないの」?とか言ってました。作るコメは直播の不味い高収穫米、食べるのはカンボジアの田植え米、などというメコンデルタの農家も少なくないようです。輸出が増加した高品質米は誰が作ったコメなのか気になります。
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