GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

ハイズン(海陽)省チーリン(志霊)

2016-05-14 23:23:35 | 旅行

稠密な人口のためか紅河デルタの各省都間の距離は短く、ナムディンから何処へ向かうかは迷いました。河口が多いため海岸線に沿って北上する道路はなく、また隣のタイビン省の省都は余りにも近いので、「ベトナム中国関係史」を読んだ時に地理をイメージできなかったハイズン省に向かうことにしました。中国宋朝や元朝との戦闘でも確かChi LinhとかPha Laiの名が出て来ました。中国から陸路Lang Sonを通って来る遠征軍がハノイを陥落させるためには紅河を渡らねばならず、したがって水軍が必要となり、紅河に至るDuong河など6つの河が交わる地点が戦略的要衝となったようです。

     

途中で日本語で書かれた看板を見て、折角なので矢印の方向に道を逸れました。そう言えばチュウダウ陶器の名も何かの本で目にした気がします。ベトナムの手工業品が海外に輸出されるようになった初期の代表的な商品だった・・・とか。工場にはかなり多種多量の陶器が並べられていました。

Chi Linhの町はずれのやや閑散とした地域の閑散としたホテルに一泊することにし、まだ日没までに時間がありそうだったのでシャワーを浴びてからĐền Kiếp Bạcを探しに行きました。地図に載っていてホテルから近そうだったので。行って初めて元との闘いで勝利したチャンフンダオを祀ってある場所だと知りました。

     

敷地の直ぐ近くをThai Binh河が流れていました。河川敷にいた学生に訊くと土手沿いにバイクでなら国道18号にそのまま出られるとのこと。そうと知ってれば入場料も駐輪料金も払わずに済んだのに・・・。国道沿いにあるPhả Lại火力発電所の煙突が見えました。かつてこの地に要塞があったとか・・・宋、元、明、どの戦争時にもハノイまで中国に兵を進められているのでこの地は一度の勝利の前に何度もの敗北を経験したに違いありません。陳朝王族も数多くの王族が元に屈服し、それだけにチャンフンダオこと興道王陳國峻の名声は高まったのでしょう。南シナ海はすべて中国のも、などと言って中国が西沙諸島の軍事基地を建設する状況下にあっては、英雄チャンフンダオの功績も輝きを増すばかりなのかも。

此処からは河を下って白藤江まで行ってみようかとも思いましたが、数々の戦役の知識も乏しく手元に資料もないので諦めました。