GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

台風チェビ

2006-11-14 23:34:44 | 天気
韓国が名付け親の台風Chebi(燕)は、西に向かっていた進路を西北方向に変え、フエ、ダナンは先月に続く再びの脅威からは免れたようですが、代ってトンキン湾を直撃する模様だとか。ハノイで開催される18、19日のAPEC首脳会議を粉砕せんとするどこぞの将軍様の念力が働いてのことでしょうか。台風はミサイルと違って速度に難点があり、多少早めに到達してしまいそうですが、それでも15、16日の外相会議を捉えることになりそうです。尊王攘夷の志士達も期待し、あるいはつい61年前までは「神風」なる言葉を口にしていた国民の一員である証で、ついそのような妄想が頭を過ぎります。千名を引き連れてハノイに乗り込むブッシュを初め、安倍首相も経済団体から100名の参加を要請したそうですから、恐らくハノイは厳戒態勢で、脛に傷持つビアオム先生などはこの期間中のハノイ出張は諦めねばならないようです。

相次ぐ日本の中高生の自殺のニュースに憂鬱さを後押しされ、このところ寝覚めの悪い日が続いてます。朝一番にネットに繋ぎ、日本の新聞社サイトを開く気にもなれません。久しぶりに北条民夫の「いのちの初夜」を読んでみました。学芸書林「存在の探求」(上)に収められたものです。
もしやこの本は18才の時、イチハシさんから借りたものでは?と思って家の本棚から取り出し、何故かそのままべトナムに持ち帰って来てしまいました。たぶん入院中の僕にその本を差し入れしてくれた時、「いのちの初夜」が好きだ、とか言ってたのかも知れません。太宰治の短編集を持ってきたスドウ君が、「トカトントン」がお薦めだと言ったようにです。
今回改めて読んでみて「本当にオレは小説読んだのか」?とまったく内容を覚えていませんでした。スドウ君が「こういう小説を好きだと言われてもナー言いようがないよ」とイチハシさんへの感想を漏らし、「そうだよなー」などと相槌を打っていた記憶は残るのですが。たぶん当時は「いのち」の意味をそのようには感じることができなかったのだろうと思います。