猛暑のプノンペンを脱出しケップ海岸へ行くつもりで支度をしていると急に気が変わり、たぶんより涼しそうな北部の高原方向に向かうことにしました。
ラタナキリ州へはまだ行ったことがないし、何となく地名の響きも涼しげです。
バイクではその日の内に着ける距離ではないので、ストゥントレンの町で一泊するか、それが無理ならクラチェでメコン河を眺めて過ごすのも悪くありません。
目的地に着くまでの炎天下の暑さを覚悟し、半袖に日焼け止めクリームを塗って出掛けたもののコンポンチャムでの昼食時に腕を見ると既に日焼けの跡がくっきり。仕方なく薄手のジャンバーを着ることにしましたが、暑さは一層増す上に、汗も蒸発せず生地がべったりと腕に張り付いてしまいます。
国道7号をそのまま走ればクラチェには着く筈ですが、地図を見た限りかなり遠回りのようなので、途中で73号線を左折しメコン河方向に向かいました。

途中、暑さに耐えられずかき氷を食べました。値段は500リエル(10円)。
クラチェの手前でプノンペンからの走行が250kmを超え、ガソリンスタンドに。500mlのペットボトルを初めてその場で飲み干しました。
クラチェの町に着いたのは3時半。ストゥントレンまではその先150kmほどとしても遅くても日没前の6時半には着ける筈と思い走り続けることに。
ところが、それから40kmほど進むと俄に雨雲が広がり不気味な暗さに包まれました。合羽は持って来たので木の下でバイクを止め、着替えようとすると大粒の雨と強風に襲われ、すると民家の人が家に入るように勧めてくれました。とにかく軒下でなければバックから合羽を取り出すこともできない強い雨なので暫く雨宿りさせてもらうことに。しかし、強風と強雨は弱まることなく続き、視界も利かない状態でした。
1時間近くも雨宿りを続け、多少小降りになってから再び走り始めました。どうにかストゥントレンの町に着いたのは8時。その間、雨は強弱の繰り返しで、強い時はあられのように顔や唇に当たる雨粒が痛いほどで、目に入る雨で視界も十分でありません。それ以上にAX-1のライトが暗いのが問題で水溜まりを避け切れずに靴の中はビショ濡れ。前を走るバイクの後に付き、テールランプを見ながら走り続けました。
岡本理研のカッパには「バイクの走行には着用しないで下さい」と書いてあるものの今までは雨が滲みることもなかったのに今回は別でした。お陰で昼間の暑さが嘘のように身体は冷えてしまいました。