躁鬱おばさんのプチ田舎暮らし

何かにつけうつつつと落ち込んでしまうわたしが、プチ田舎に引っ越すと・・・

一期一会

2008-02-27 22:41:48 | Weblog
糸売りのおばあちゃんと私と、ちゃっかり一緒に写っている親子連れ。
(写真:とうちゃん)

今回のホテルはマハラジャパレスでありながら民宿という雰囲気。
部屋のドアには南京錠もなく、部屋の外にある、もう一部屋と共有のリビングのドアに錠をかける有様だったけど、のんびりした気分になった。

バスで1時間くらいのところで、月曜日に開かれる市に行った。
この市には周辺や遠くの村々から、ジープや車に人が鈴なりなってやって来る。
売る人も買う人も集まる。
色々な民族の人達が集まる。
こんな地方の田舎、どこから人が湧いて来るのだろうかといううほど。
もともと店を構えている人、屋台をだしている人、道端にしきものを敷いて商品を並べる人。
たくさんの商品を出している商売人もいるし、村々から僅かな農産物などを持ってきて並べている村人達もいる。
ところによっては、満員電車に乗っているかのような混雑ぶりだった。
観光客は私たちだけ。

生活に必要なものはなんでも売っていた。
たくさんの鶏が生きたまま足を縛られて並べられていた。
ガイドさんが貧乏な人たちが吸う格安タバコを買って、吸わせてくれた。
外側は別の葉っぱで中に少しだけ本物のタバコの葉が入っている葉巻だった。
クセがなくてなかなか良かった。

おばあさんがカラフルな糸の細い束を紐のようにぶら下げて売っていた。
綺麗なので4,5本適当に取って値段も聞かず20ルピーを渡した。
一緒に写真を撮らせてもらって、ついでにポケットにあったキャンディも一つ上げた。
子供にはだめでも(貧しくてキャンディを食べたことのない子がキャンディの味を覚えると、その味を求めるようになるので、可哀想。)
お年寄りが美味しいものを食べるには良いのではないかと思った。
びっくり嬉しそうだった。
その場を離れようとすると、おばあさんが5ルピーを差し出してきた。
お釣りのようだった。
いらないと言う仕草をすると、びっくり嬉しそうな顔。
値段を聞かず何も言わないのにお釣りをくれようとした人は、インドでは初めてだったので、こちらもびっくり。
そして、嬉しかった。
こんな場所では値段は交渉で決めるものだから、お金出してそれが売り手の思ってる値段より高ければ、その値段になって当然だ。
きっと20ルピー(60円弱)はあまりにも高かったのだろうけど、お釣りなんて奇跡のようなこと。
糸売りのおばあちゃん、人生おもわぬ良いこともあるものだよね。
私達、一言も話せなかったけど、おばあちゃんのこと忘れないよ。

物々交換もあると聞いてたので、体験したかった。
トマトを並べている女性のところで、小さなチョコレート2個とミニトマト2個を交換しようとしたが、断られた。
お金に替えて、買っていかなければならないものがあったのだろう。

先住民の男性達はターバンを巻いて威厳に満ちた顔で歩いていた。
カーストでは最下層だと聞いたけど。
足は細くて美しい・・・アボリジニの人と同じように。
とうちゃんはこの人たちに写真を取らせてもらいたいのだけど、あまりの威厳に声をかけられない。
ちょぴりニコニコ顔のおじいちゃんがいたので、私が声をかけた。
おじいちゃんはびっくりしながら、これまた嬉しそう。
混雑しているので、側にいた男性が道端の空いているところへおじいちゃんを誘導した。
写真を撮って、さっきの小さいチョコレートを2個とキャンディを1個渡した。
もっとニコニコした。
男性も一緒になって、「良かったなあ、おじいちゃん。」という風に喜んでいた。
住所がわかれば写真を送れるけど、言葉は通じないし、おじいちゃんはきっと字は書けないだろう。
一期一会だね、おじいちゃん。

集合時間ギリギリにバスに戻ったが、今回は集まりが悪い。
ふとみると、バスの運転席のフロントガラスにはたくさんの神様のシールが貼られていた。
添乗員さんによると、運転手さんが近くで買ってきたとのこと。
添乗員さん「いいですよねえ。欲しくないですか?」
私「欲しいけど、もう集合時間来てますよね。」
添乗員さん「大丈夫ですよ。ガイドさんもまだだし。欲しいでしょ。さあ、一緒に行きましょう。」
添乗員さんの喜びぶり。
私はダシだったのね。(笑)
神様好きの添乗員さんはあれもこれもと買っている。
私も一緒にいろいろな神様のシールを買った。
そこには神様の絵がやグッズがわんさかあって、やっぱりヒンズー教の神様ってアイドル的存在なのだろうか?
とにかく楽しい添乗員さんだった。

市からホテルに帰る途中で、また結婚式に出会った。
道端に人が集まっている。
水牛に牽かせた大型の荷車には、たくさんの子供達が乗ったまま見ている。
太鼓と笛だけの3人の楽隊。
まだあどけない顔をした少年がお婿さんだという。
お婿さんは、ウコンで顔を黄色くぬって、親戚の男性に肩車されている。
親戚の男性はお婿さんを肩車したまま、音楽に合わせて左右に半回転するのを続けた。
しばらくすると、また別の男性が肩車をして同じことをした。
素朴な村の結婚の儀式のようだった。
ガイドさんは、私が踊り好きなのを知っているので、踊れと言った。
誰も踊ってないけどいいかと、ひとりでハッピーダンス。
う~ん、生の民族音楽でのハッピーダンスは最高!
でも、なんか場違いみたい。
ここでは踊らないようだった。(汗)
すぐに止めた。

見たことのないガイジンの観光客が来たので、少年は益々緊張気味。
子供達の中にはカメラを向けられて泣き出す子もいた。
そのうち少年は刀を持って、白い馬にまたがり進み始めた。
子供達を乗せた荷車も水牛に牽かれて行った。
バイバイをする子供がちらほらいたけど、何が起こったのかと緊張している子供や、まだ泣いている子もいた。
泣いている子を抱きしめて、小さなお姉ちゃんが大丈夫と慰めていた。

ふんどしを織るおじさんの家を訪問。
ふんどしと言ってもひもは付いていなくて、反物状態。
おじさんはふんどしのつけ方をやって見せてくれた。
綺麗な模様に惹かれて4枚分繋がったまま買う。
暖簾にするつもり。
近くに石灰岩を石灰にする工場があった。
益々酷い埃。
とうちゃんは、青空トイレをしに外に出て、石灰岩置き場の方へ行ったら、後からぞろぞろ子供達がついてきて目的は達成できなく、小指を立てるトイレの合図をして、民家で借りたとか。
親しくなって、ここでも近所の人の家に呼ばれてお邪魔したらしい。
バスが出発するというのにいない。
捜索隊にすぐに呼び戻された。
この集落には、ユダヤ人も住んでいた。
宗教が違っても仲良くらせるのだ。
しかし、ふんどしを喜んで買いにきて、首に巻いたりして帰って行く日本人は、可笑しいだろなあ。

それから、遊牧民の女性達が家財道具一式をラクダに載せて移動している行列に出会った。
男性たちは家畜を追って移動するのだそうだ。
女性たちの堂々とした姿を、沿道の人たちも眺めていた。
旅行で出会った遊牧民は男性も女性も逞しさが満ち溢れていた。
ラクダには、小さな子供も乗っていた。

ホテルに戻り昼食。屋根がついいただけの食堂は、緑に囲まれて気持が良かった。

ホテルからジャンブコダの空港へ。
途中で民家に立ち寄って、家の中の壁に絵を描いてあるのを見せてもらった。
お宅訪問は飽きていたので、外の畑でたくさんのひよこを連れた鶏を見ていた。
家の屋根には、牛糞が直径30センチくらいの円盤状にまとめられて干されていた。
燃料だろう。

ジャコブダイから、ムンバイへ飛行機で。
ムンバイの街に着くと、あ~帰って来たと思った。
近代的な建物の中は日本と同じだ。
快適にお湯が出るシャワーは旅行中はここだけだった。
ほっとしながらも、帰って来たことが寂しかった。

握手をしたたくさんの子供達。元気で育ってね。
ツァーの人達はそれぞれ個性豊かだったけど、トラブルもなく笑い声が絶えなかった。
この人達には、またどこかで会えるかもしれない。
インドで?