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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

映画「悪の教典」主人公の「狂気」までは届かなかった

2012-11-19 00:09:55 | 邦画
「悪の教典」★★★☆
伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、
林遣都、浅香航大、水野絵梨奈、
山田孝之、平岳大、吹越満出演

三池崇史 監督、
129分、2012年11月10日より全国にて公開
2012,日本,東宝
(原題/原作:悪の教典 /貴志祐介)




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初登場2位発進、「のぼうの城」のV2を
阻むことは出来なかった。



「原作は文庫が出た時に読んだ、
とんでもない小説だなと思ったが
伊藤英明主演で映画化されると知って
大丈夫かなと思っていた、
映画を見て主演として違和感はないが
訳の分からない存在と言うのを
示すには彼はクリーン過ぎたようだ」



生徒から人気の高い蓮実聖司(伊藤英明)は、
学校で持ちあがっていた携帯による
カンニング対策にも積極的で
同僚からも一目置かれる存在、
しかし彼には裏の顔があり
他者への共感能力を持たないサイコパスだった。


底抜けに明るい顔で
残虐な行為を行う
その点では伊藤英明は適役だった、
「好感が持てる」
まさにそれを体現しているからね。



自分の過去が知られたことで
彼はクラスの全員を殺さなくてはと感じ、
文化祭の前夜にそれを実行する、
笑顔で生徒を皆殺しにする
まさに異常な世界を
美しい音楽でも聞くように
なんのためらいもなく撃って撃って撃ちまくる。



小説で読んだときには気にならなかったが
生徒を校舎の上の階に足止めして
猟銃で順番に撃ち殺すという行為は
映画的には間延びした感じがした、
殺されるのを待ってないで
高校生ならなんとか出来るだろう、
視覚的に逃げ場が多すぎて

このあたりは映像の持つ力だ、
ここで納得させてくれないと
目の前で繰り広げられることが
胸に迫って来ないのだ。


しっかし「海猿」でヒーローを演じておいて
よくこの役を引き受けたなと思った、
まさに対極
イメージさえ壊しかねないというのに
でも役者ってこういう役をやりたいのかも

ただ世の中には常識では測れない
「悪」が存在するんだろうなと
納得は出来なかった

映像的な「狂気」は
目の前で生徒がバンバン殺されていくという
むごたらしい惨殺シーンだけで
そこから発散されるべき狂気は感じなかった。


やはりクリーンな伊藤英明は
訳の分からない絶対的な「悪」を
演じきることは出来なかったようだ、
ただひとつの挑戦であるなら
結構頑張っていたことは確か、
続編もあるようだ
次に期待したい。

★100点満点で75点


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映画「北のカナリアたち」吉永小百合主演映画だからと敬遠することなかれ

2012-11-17 00:06:45 | 邦画
「北のカナリアたち」★★★★
吉永小百合、柴田恭兵、仲村トオル、
森山未來、満島ひかり、勝地涼、
宮崎あおい、小池栄子、松田龍平、
里見浩太朗出演

阪本順治 監督、
130分、2012年11月3日より全国にて公開
2011,日本,東映
(原題/原作:二十年後の宿題 /湊かなえ )





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初登場2位発進、2週目は位とそれほど落ち込みの無い
安定した興行成績を維持している、
20億ラインあたりか。



「寒そうな予告を結構見かけた、
寒いのは苦手だけど
北海道の北の端の島なら行って見たい
単純にそんな考えから映画館へ
主演女優ありきの映画かと思ったら
豪華な俳優陣全員がそれぞれ見せ場のある
結構見ごたえのある映画に仕上がっていた」



島の顔役の娘さんが新しく小さな島の分校に
大学教授の夫とともにやって来た、
6人の子供たちは彼女によって
歌う事の喜びを教えられ
島の風景に子供たちの声が響き渡る
そんな何気ないシーンが
何故かとても印象に残っている



何か特別なことなんていらない
ただ毎日の中で
季節を感じたり
キラキラ光る海が見えたり


映画はひとつの事件で先生が島を去り
20年後に生徒の一人が起こした殺人事件で
また再び島に戻って
かつての生徒と巡り合うのだが
成長した生徒ひとりひとりは
個性的な役者揃いで
彼らの静かな熱演も見事だった



ミステリータッチで過去と現在が描かれるが
事件の真相に迫る事より
現実とは別に
その時、当事者のそれぞれが感じた事は
人それぞれで
決して全員が同じ様に感じたわけじゃなく
小さな島であっても
育った境遇やそれぞれの個性も違って
色んな見方、感じ方があるんだなぁと。



寒いのが苦手なので
暖かくなったら舞台となった島へ
行ってみたいなと思っていたが
雪が横殴りに吹きすさぶ中
雪をかぶった雄大な山が見えると
こんな景色を見られるなら
冬も良いかなと
ストーリーそっちのけであれこれ考えた。



映画の出来は良くって
満足して劇場を後にした。

★100点満点で85点


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映画「黄金を抱いて翔べ」極上のエンタメを楽しめた

2012-11-13 23:07:05 | 邦画
「黄金を抱いて翔べ」★★★★☆
妻夫木聡、 浅野忠信、 桐谷健太、
溝端淳平、 チャンミン(東方神起)、
西田敏行、 青木崇高、 中村ゆり、
田口トモロヲ、 鶴見辰吾出演

井筒和幸 監督、
129分、2012年11月3日より全国にて公開
2012,日本,松竹
(原題/原作:黄金を抱いて翔べ /高村薫 )





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初登場4位発進、2週目は6位と後退、
俳優人、内容から考えるともっと宣伝して
頑張ってもらいたい。



「大阪の銀行地下に眠る180億円分の金塊を
強奪しようと大胆不敵な作戦を実行する男たち、
綿密な計画と大胆な実行力が結実して
スリリングな展開で予想以上に面白かった」



主人公の幸田(妻夫木聡)は、
友人の北川(浅野忠信)から
銀行本店地下に眠る15億円の
金塊強奪計画を持ちかけられる。

生きる意味を見つけられない幸田は
北川の誘いに軽い気持ちで承諾するが
計画を進めていくうちに
様々な障害にあって
実行は不可能かと思われたが
「やるしかない」という崖っぷちの決意で
ついに計画が実行される。

かなり過激な描写もあって
時々「痛い、痛い」と
座席に座りながらその衝撃の
疑似体験をした

幸田は無気力さを漂わせ
計画をもちかけた北川は
途方もない計画を前に達観したかのように
飄々と困難な課題をクリアしていく
この対比が面白かったのかな、
途中からかなり楽しんで見ている自分を感じた。


計画はどんどん進んでいき
予測してなかった事ばかりが勃発し
計画自体がダメになるんじゃないかと
自分も彼らの仲間になったような気分で
成り行きをハラハラしながら見守った、
こういう映画によくある
あり得ないご都合主義的なつなぎも
それ程感じなかったのが
この映画の印象を凄く良くしている。



妻夫木聡はこれまでで一番良かったんじゃないかな、
完全に演技しているんだけど
幸田という人物になりきっていた、
無気力な彼がいつしか「やってやろうじゃんか!」という
心境の変化を迎えて
ラストの空を見上げるまなざしまで
なにかになりたかった男は
確かに何かを掴んだんじゃないだろうか。



宣伝も今ひとつなので
観客の入りはもうひとつ
もっと多くの人にこの傑作を見てもらいたい。

★100点満点で90点


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井筒和幸監督

『ガキ帝国』(1981年・島田紳助・松本竜介・趙方豪)
『ガキ帝国 悪たれ戦争』(1981年・豪田遊[10]=趙方豪・谷山衣枝・清水昭博・北野誠)
『赤い復讐 暴姦』(1982年・沢木美伊子 下元史郎 大杉漣)
『みゆき』(1983年・永瀬正敏 宇沙美ゆかり 三田寛子)
『晴れ、ときどき殺人』(1984年・渡辺典子 太川陽介 松任谷正隆)
『(金)(ビ)の金魂巻』(1985年・九十九一 小林まさひろ 大門正明)
『二代目はクリスチャン』(1985年・志穂美悦子 岩城滉一 柄本明)
『犬死にせしもの』(1986年・真田広之 佐藤浩市 安田成美)
『危ない話 夢幻物語』(第一話「ツタンカーメン王の呪い」、1989年・竹中直人)
『宇宙の法則』(1990年・古尾谷雅人 横山めぐみ 鳥越マリ)
『岸和田少年愚連隊 BOYS BE AMBITIOUS』(1996年・矢部浩之・岡村隆史(ナインティナイン)、大河内奈々子)
『さすらいのトラブルバスター』(1996年・鹿賀丈史 久本雅美 村田雄浩)
『のど自慢』(1999年・室井滋 尾藤イサオ 小林稔侍)
『ビッグ・ショー! ハワイに唄えば』(1999年・室井滋 尾藤イサオ 竹内結子)
『ゲロッパ! GET UP!』(2003年・西田敏行 常盤貴子 山本太郎)
『パッチギ!』(2005年・塩谷瞬 高岡蒼佑 沢尻エリカ)
『パッチギ! LOVE&PEACE』(2007年・井坂俊哉 中村ゆり 藤井隆)
『TO THE FUTURE』(2008年・光石研)
『ヒーローショー』(2010年)
『黄金を抱いて翔べ』(2012年)

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映画「リンカーン/秘密の書」奇想天外な発想から生まれた秘密のお話

2012-11-10 09:10:06 | 大作映画ハリウッド系
「リンカーン/秘密の書」★★★3D鑑賞
ベンジャミン・ウォーカー、ドミニク・クーパー、
アンドニー・マッキー、メアリー・エリザベス・ウィンステッド出演

ティムール・ベクマンベトフ監督、
ティム・バートン製作
105分、2012年11月1日より全国にて公開
2012,アメリカ,20世紀フォックス
(原題/原作:ABRAHAM LINCOLN:VAMPIRE HUNTER )





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全米では6月公開、初登場3位という
少し淋しいスタート、
2週のみトップ10に入り
最終成績も4,000万ドルあたり。



「第16代アメリカ大統領、エイブラハム・リンカーン、
昼は大統領として国民に尽くし、
夜はヴァンパイアハンターだったのだという
話をきいただけで
バカバカしいって思うが
これは小説や映画だから成立する話、
だったらとことん楽しませてもらおうと劇場へ」



リンカーン(ベンジャミン・ウォーカー)は子供の頃、
母親がヴァンパイアに襲われる場面を目撃し
復讐を決意するが
敵のヴァンパイアを研究するうちに
奴隷制度がヴァンパイアをはびこらせる一因と知り
奴隷解放するためには自ら政治の先頭に立たなければと
あれよあれよと言う間に
大統領に登りつめてしまう、
そんなことあり得ないよ
何度も思うが設定自体が奇想天外なんで
こんなものだろうと納得させつつ
展開を見守った。



史実にヴァンパイアハンターをうまくからませて
事実の裏にはこんなこともあったのだと
力技で見せてくれているが
やはり設定があり得ないほどバカバカしいので
映画にどっぷりはまりこむ事は無かったな。



色んな映画のヴァンパイアには
様々な制約があるわけだけど
今回の奴らはもう何でもアリ

昼間だって関係ない
その圧倒的な強さは脅威だったが
圧巻は列車での戦い
リアルさはないけど
よくまあ、こんな戦い方考えたなと
結構楽しめた、

橋が燃え上がり絶対絶命のシーンは
凄いけ凄すぎるし都合が良すぎて
笑っちゃった、
でもハリウッド映画のこのマジメさも好きなところだ。

この映画はコメディなのか
はたまた結構真面目に取り組んだのか
味方で印象は変わるけれど
ヴァンパイものが好きだし
歴史も結構好きなので
期待しなかった分楽しめた。


3Dで見たが2Dで充分。

★100点満点で70点


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ティムール・ベクマンベトフ監督
リンカーン/秘密の書 (2012) 監督/製作  
ダーケストアワー 消滅 (2011) 製作  
アポロ18 (2011) 製作  
9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~ (2009)  製作  
ウォンテッド (2008) 監督  
デイ・ウォッチ (2006) 監督/脚本  
ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR (2004) 監督/脚本


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書籍「燃焼のための習作/堀江 敏幸著」雨が降り続く間の3人のおしゃべりの行方

2012-11-07 00:09:52 | 読書の時間
書籍「燃焼のための習作」★★★
堀江 敏幸著 ,
講談社、2012/5/24
( 226ページ , 1.575円)






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「8月に読んでからずっと感想を書けなかった、
なんとも捕え所のない小説だった、
流行っていなさそうな探偵事務所が舞台で
事務所の所長と依頼人
そして事務所の助手の3人が
降り続く雨を肴にあれこれ話し
雨がやんだ頃
なんとなく家路に着く様な小説」



探偵事務所と聞けば
なにやら胡散臭い雰囲気を感じるが
この事務所は依頼人が
お茶飲みがてらあれこれ
他愛もない話を延々と続けるような雰囲気、
どこか事件の核心に迫るのかと思うと
助手の郷子さんがクリーニング屋から戻り
また話は振り出しに戻る。



かとおもえば
「折り畳み傘をうまく元のように
畳めない」と手の郷子さんが言えば
その話を引き取りわけでもなく、
枕木所長は「荷物の多い日に限って雨に降られる人と
雨が降る時に限って荷物が多い人」の
運命の違いを話しだす始末。


この話はどこに向かうんだろうと
思いながら読んでいると
何処も行かずに3人の誰かが
また別の方向に話をもっていく、

思えば自分達の日常も似たような事を
繰り返している、
話に決着が付く事はむしろ少数で
ほとんどは話しては放り出され
空中に漂い
その言葉を見上げながら
また新しい話が空中に放たれるみたいに。



自分はこういう小説は苦手だと思っていた、
やはり起承転結
この話はどこに着地するのか

その持って行き方や
その結末に納得出来るか
それが意外であったり
新しい解釈だったりすると
良いものを読んだなと感じるが
この小説はそういう今までの範疇からすると
読みにくい部類だった。


でも実際、読みにくくは無かった
まるで舞台劇のように
そこに展開する3人の話を
楽しんで読み進んで行った、

内容が誰もが感じる様なことだったからかもしれないし、
探偵事務所でありながら
一体この依頼人は
本当に探す気持ちがあるんだろうか?と
脱線しがちなというか
脱線しまくりな状況でも
誰もが結論を急がず
降り続く雨を時折
「振りますなぁ」
「振りますねぇ」と


雨の音を聞きながら
時間つぶししてるだけという
なんとも不思議な時間を体験して
それでもこの依頼人はここに来た甲斐が充分あったと
最後はちょっとした幸せな気分も味わった。


なんとも不思議な小説だったし
不思議な時間の流れた小説だった。



★100点満点で70点

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堀江 敏幸 作品一覧
郊外へ(1995)
おぱらばん(1998)
子午線を求めて(2000)
書かれる手(2000)
熊の敷石(2001)
回送電車(2001)
いつか王子駅で(2001)
ゼラニウム(2002)
本の音(2002)
雪沼とその周辺(2003)
魔法の石版-ジョルジュ・ペロスのほうへ(2003)
一階でも二階でもない夜 回送電車2(2004)
河岸忘日抄(2005)
もののはずみ(2005)
めぐらし屋(2007)
バン・マリーへの手紙(2007)
アイロンと朝の詩人―回送電車3(2007)
未見坂(2008)
彼女のいる背表紙(2009)
正弦曲線(2009)
なずな(2011)
燃焼のための習作(2012)

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