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soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「初雪の恋」宮崎あおいの表情を楽しむだけの映画

2007-05-18 20:10:39 | 韓国映画・アジア映画
「初雪の恋」★★★
イ・ジュンギ、宮崎あおい主演
細谷まどか 監督、日本=韓国 、2006年



設定は悪くないと思うんだけどな、
印象的なシーンはいくつかある、
舞台の京都の町並みも
異国情緒たっぷり。

韓国の人が見たら
日本の美しい古都に興味を持ってくれるかもしれない、
雪の降る韓国の景色も美しい。

そして可愛い宮崎あおいと
韓国の売り出し中の美形スターの共演。

全部悪くないんだけど、
物語り中盤に差しかかるあたりで
なんだか諦めモードに。

出来の悪い韓国の映画そのものなのだ。
スターは登場している、
それぞれ印象的な笑顔やしぐさを見せてくれる、
だけど肝心なストーリーがダメダメなのだ。

量だけは大量にやってくるようになった
韓国映画、だけどまだまだ光る作品は少ない。
とりあえず作っちゃえ!という
勢いの良さはあるにしても、
見るべきところのある映画はまだ少ない。

だったら完全に失敗作かというと
これはもう見方を変えて
ファンになりきって
宮崎あおいの巫女さんの姿、
浴衣、悲しげな表情、微笑む時の瞳のきらめき
そんなものを楽しむだけでも価値はある。

1000円とか出すともったいないので
レンタルまでまっても充分。
関連グッズがたくさん出ていたけど、
コアなファン向けに商売するのはそろそろやめて
もう少し幅広く取り込めるように
まずは見所のある作品をつくってもらいたい。

この映画が日本と韓国映画の結び付きを
さらに強めるようなものになるなら
それだけでも価値があるかな。

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撮影が京都が主なので韓国の人がその情緒を
楽しんでくれたら日本人として嬉しい。

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「スパイダーマン3」なんとか着地成功、あの軽やかな跳躍を見よ!

2007-05-16 21:37:44 | 大作映画ハリウッド系
「スパイダーマン3」★★★☆
トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト主演
サム・ライミ 監督、2007年、アメリカ



本作がシリーズラストだからか、
タイトルバックにこれまでの印象的なシーンが
散りばめられる

始まるぞ!という期待が高まる。
ビルの間を軽快に躍動するスパイダーマン

夢物語だ、
だからこそできれば高く、高く
誰も届かない高みまで

シリーズ最初から
苦悩のヒーローだったスパイダーマンは
今回も黒のスパイダーマンになって
ダークな面を見せる。

大切な恋も失いそうだ、
唯一の友人との関係も破綻する

現代はスーパーヒーローも
生き難い時代なのだ。

中だるみの部分をなんとか乗り越え
ラストへ一気に駆け抜ける、
へたなハンドカメラの素人画像を見ている時に似た
画像のなかの登場人物の激しい動きに
目がくらみそうな瞬間もあったが
さすがちゃんと納得のラストを用意してくれる。

ヒーローはなんとか生き延びて
まだまだ次があるかもよと予感させてくれないといけない、
「ロッキー」だって帰って来た、
その時のためにもまだまだスパイダースーツは脱げないのだ。

やはり第一作のあの軽やかな
ビルの間を駆け抜ける姿に勝るものはない、
そいれでも大変なときにどこからともなく現れる
ヒーローはなんとか期待の範囲内に
着地してくれたようだ。

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トビー・マグワイアはイメージがスパイダーマンとは
違うだろと思ったが、役の深みをちゃんと演技で応えてくれた。

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「空中庭園」何か言葉に出来ないものを形にしようと努力はしたみたい

2007-05-14 21:46:09 | 邦画
「空中庭園」★★★DVD鑑賞
小泉今日子主演
豊田利晃 監督、2005年



川沿いのマンション、
上層階には大きなベランダがあり、
主人公の家ではたくさんの植物が
育っている。

どういう理由でかは分からないが
面白いと話題になっていた作品を
やっと鑑賞。

一本しか置いてないので
なかなか一週間レンタルの誰かの
返却後と合わなかったのか
何度もカラのパッケージだけ見ていた。

グチャグチャな人間関係、
崩壊寸前の親子
全部それと知って微笑む主人公。

たぶんクライマックスは
「オマエなんか、死ね」と
キョンキョンが電話で言うシーンだろうが、
特になんとも思わなかった。

何が自分をこの作品に入り込めなくさせているのか
考えてみると、
絵空事ながら、あまりに薄っぺらく感じたからだ。

ありえないよ、
そんな作品はそこら中にある、
それでも面白く見ることが出来る作品も多い、
でもこの過剰さはダメだ。

韓国映画のノリで、
さんざんやりつくして
「あーあ」と大きくため息をついたような感覚。
どうにものっぺりとした
ホームドラマをすごく遠くから見ているような、

言葉を選んでも仕方ないね、
面白くないよ、これ。

キョンキョンの完璧な作り笑顔は
最高だったけど、あとは全部消し去りたい。

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こういう作品を見ると、
レンタルで良かったと思う。

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「スモーキン・エース」派手な銃撃戦が見たいならコレ

2007-05-13 00:20:21 | ミニシアター系映画
「スモーキン・エース」★★★
ジェレミー・ピヴェン、 ベン・アフレック、 レイ・リオッタ他出演
ジョー・カーナハン監督、2007年、アメリカ



久々の滅茶苦茶な映画。
証拠証人のマジシャンのエースを巡って
守るものと暗殺者が勢揃い!

同じ標的に暗殺者達が群がり、
頭脳戦で行こうとしていたグループを
パンクなグループが
あっさりと片付けたりと
作り手は観客の予想を裏切りたかったのかもしれない。

黒人女性に撃てば男も吹っ飛ぶような
でかい銃を持たせたり、
どこかで見たような小細工満載。

これは劇場で見る意味は
銃撃の大音響くらい、
レンタルを待っても損失なし。

公開日だというのに
前宣伝もないからか、空いた客席に
激しい銃の発射の音が降りかかる。

あまり映画を見ない人に
「つまらない映画にお金を使うのは
もったいなくないか」と
たまに聞かれる。

もちろん、時間とお金をかけるから
面白い映画を見たいに決まってる、
でも不思議と腹が立つような怒りは
めったに感じない。

それは何だって
100%思った通りや、
うまく行くことがないのだから。

映画だって同じ、
くだらない映画の時は、
見知った俳優が他にどんな映画に出ていたのか考えたり、
映し出される食事を凝視したり、
次の展開を予想をしたりと
割りと忙しく過ごせるのだ。

チョイ役でいくつかに出演していた俳優が
メインの映画がヒドイ時、
彼に次はあるのかと、運運命について考えたり、
映画は何もスクリーンに映し出されるものが
全てではない。

そんなことを
大量に消費される弾丸の音を聞きながら
考えていた映画だった。

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目的の為に突っ走る感じは悪くない、
でも見た後の爽快感はあまり得られない。

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「悪人」吉田修一のひとつの到達点!傑作★★★★

2007-05-12 00:43:56 | 読書の時間
「悪人」★★★★オススメ
吉田修一著
420ページ、1.800円


書店へ行く楽しみのひとつは、
新刊の平積みをざっと眺めること。

分厚い新刊がこの今回の本、
手に取るとにやけてしまいそうになる、
好きな作家の新刊が
こんなにも厚いと
それだけで嬉しくなるからだ。


さて、読み終えてタイトルの「悪人」について考える。
世の中に確かに
ナチュラル・ボーン・キラーズみたいな
悪人も居るだろうけど、
殆どはその意味では善人というか、
悪人そのものっていう人は少ない。

そしてこの本では
追い詰められた揚げ句に
悪人となってしまう人間が描かれている。

この切ない感じはどうだ、
なんかやるせなく、どうしようもなく、
バカバカしく愚かだ。

読みながらも、心の中で
「ウワァー」と叫び出したくなる。
それ以外どうしようもないのだ。

この本を読んで
「共感した」とはなかなか言い難いだろう、
だって孤独な剥き出しの心が描かれて
ひとつ間違った方向へと疾走していくとき、
自分は果たして大丈夫かと考える、
大丈夫だよな、と思う。

でもここに描かれる美しい魂が
ほんの少しの偶然と狂気でとても残念な結果となるのは
何だか怖くて仕方ない。

誰かに必要とされたい、
誰かと何気なく笑っていたい、
週末を誰かと一緒に過ごす安心感。

何気ないものが、いくつもの危うい選択を
なんとか日常の範囲内で踏みとどまらせてくれているのだ
きっと。

「悪人」
心の中の「悪人」の種を意識しつつ
綱渡りしているのが現代の私たちなのかもしれない。

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