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読書と旅行と柴犬のブログ
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書籍「遠い山なみの光 /カズオ・イシグロ (著)」ノーベル賞受賞で読んだ

2017-10-31 01:09:10 | 読書の時間
書籍「遠い山なみの光 /カズオ・イシグロ (著)」★★★
2001年09月/ 『女たちの遠い夏』改題書
出版社: 早川書房
275ページ、756円

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「故国を去り英国に住む悦子は、
娘の自殺に直面し、喪失感の中で
自らの来し方に想いを馳せる。
戦後まもない長崎で、
悦子はある母娘に出会った。
あてにならぬ男に未来を託そうとする母親と、
不気味な幻影に怯える娘は、
悦子の不安をかきたてた。
だが、あの頃は誰もが傷つき、
何とか立ち上がろうと懸命だったのだ。
淡く微かな光を求めて生きる人々の
姿を端正に描くデビュー作。
王立文学協会賞受賞作。」

(出版社HPより)


この作家の長編デビュー作、
今年のアカデミー賞受賞で
どんな作品なのか気になって
まずはデビュー作から。



主人公は現在はイギリスに移住しているが
長崎にいたころの話と
現在が交錯した物語。

日本人の主人公の物語が
英語で書かれ、それを日本語に
翻訳して、いま、自分たちが
目にしているわけで
なんか不思議な気分だ。


読んでいて面白かったのが、
長崎の平和公園を義父と訪れ、
巨大な像を見ながら
主人公は心の中で
「私は以前からこの像の格好が
ぶざまな気がしていて、
原爆が落ちた日のことや
そのあとの恐怖の数日とは
どうしても結びつかなかった」と
言わせる、さらに
「まるで交通整理の警官のようで
こっけいにさえ思えた」と。



しかも同行の義父は
買い求めた絵葉書を像を
見比べながら、
「写真で見るほど立派じゃないな」
そんなふうに声にだす。

戦後すぐのその時代の
雰囲気を表してるのか
復興の活気の一方で
立ち直り切れない心の傷が
どこかに怒りをぶつけていいのか
そんなものを感じる。



しかし会話は奇妙だ、
ほとんど成り立っていない、
お互いが近くで顔を合わせて
話しているのに、
別々に話しているようにも感じる。


それが何を意図したのか
分からないが
読むほうとしては読みにくいし
もう一度読み返しても
やはり奇妙な印象は変わらない。

登場人物の誰もが
不幸とは言わないが
幸福そうには思えず

どこに「光」があるか分からないが
もともと生活の中の光なんて
明確なものじゃないのかもなと
そんなふう考えた。

できたら出版の順番に読もうと
考えていたが
読みにくいし
すぐに次を読みたいとも思わないので
ゆっくり読んでいこう。

★オススメ度合い★
この本、どうだった?と聞かれたら
それほど積極的には勧められない、
特に自分のようにミーハーな
気持ちでノーベル文学賞受賞って
どんなものかと思いながらだと
「これが?」とまだ1作目なのに
考えたりしているからね。

★100点満点で70点

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