「夢遊ハワイ」退屈じゃないけど、特別じゃない

「夢遊ハワイ」★★★★劇場にて
トニー・ヤン、ホァン・ホンセン、チャン・チュンニン主演
シュー・フーチュン監督、2004年台湾


兵役に就いている主人公。
同僚ともども、気の抜けたような訓練と暑さで
軍隊とは思えないような自由を満喫している。

とても訓練の悲壮な感じは無い。

脱走兵を捕まえに行く任務を同僚と受けて
脱走した男の田舎へ、
小学校時代に親切にしてくれた女の子は
主人公が訪ねたとき、一緒に着いてきてしまう。

三人で遊ぶ浜辺、
魚を捕まえ、濡れた服を乾かし
どれも特別なことは無いけれど、
青春時代のただ暑い夏の日々のひとこま。

こんなもんなんだよな、
何かいいこと無いかなとか思いながらも
特に何もなく日々は過ぎていく。

振り返って特に何も思い出せなくても
実はそこにはかけがえの無い日々が刻まれている。

あの三人はあれからどうなったのかな。
すごく親密な雰囲気の映画で、作り物というより
ドキュメンタリー、現在進行形のような映画。

この雰囲気は好きだ。
何か思想的なことを押し付けるでもなく、
かといって退屈すぎるわけでもなく、
等身大の青春物語というところか。

この映画は映画館でポップコーンやジュースでも飲みながら
リラックスして見たい。
外へ出たら現実が待っているから
ぬるい旅の物語にでも少しの間浸っていたい。

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