思考の部屋

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フランクル思想の理解のために、山田邦男著『フランクルとの<対話>』(春秋社)

2013年01月30日 | 哲学

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 V・E・フランクルの研究家で哲学者の山田邦男先生が『フランクルとの<対話>』(春秋社・2013.1.25)という著書を出されました。2012年4月にEテレ「こころの時代」で「生きる意味を求めて・・・ヴィクトール・フランクル」という番組が放送され、山田先生から素人ながらも心理学、仏教学そして哲学に興味を持ち続ける者といして多くのことを学ぶことができました。

 学ぶことができたというと過去形になってしまいますが、山田先生のその他の著書やフランクルの著書を読み続けているわけで、山田先生は西田哲学や禅思想にも関わりをもたれ著書の随所にその思想がフランクルの思想との関係性において説かれているので私のような人間には欠かせないものとなっています。

 個人的にこれまで番組の文章に起こしをメモとして残すために行ってきました。上記の番組も早速に文起こしマイブログにアップしました。

V・E・フランクル・意味への意志・夜と霧

 NHK山田アナとの対話形式にしたのですが、その後の自分自身のフランクル理解に大変役立っています。あの時あの質問にこう答えていた。フランクル自身の著書『宿命を超えて、自己を超えて』(山田邦男・松田美佳訳・春秋社・1997.10)にも対話式のものがあり、その思想をよりわかり易く理解できます。

 今回の著書は山田先生が質問者と解説者の両者を兼ねた形式の対話になっています。山田先生は「まえがき」に次のように書かれています。

<・・・・・本書の内容は極めて限られたものである。右に少し述べたように、問いと答えの対話運動そのものが私という個人を場所にして行われている。ニヒリズムおよび禅や西田哲学をはじめとする東洋思想の影響を受けた私が、フランクルとの対話を通じて、自分の心の落ち着きどころを見出してきた心の遍歴を述べたのが本書である。その意味からいえば、本書は私の心の伝記にすぎないが、本書がささやかなきっかけとなって、この困難な時代を生きる読者一人ひ上りの「フランクルとの〈対話)」がはじまるなら望外のよろこびである。・・・・・>

内容は次の通り4章になっています。

第1章フランクルと現代
 東日本大震災とフランクル/グローバリゼーションと〈実存的空虚感〉/〈裸の実存〉の時代へ

第2章フランクルとの出会い
 フランクル訪問/フランクル思想との出会い/フランクル思想への疑問

第3章フランクルの人生へのまなざし
 コペルニクス的転回とは/フランクルの場合/人生の3つの価値
 
第4章フランクルの人間へのまなざし
 もとに在ること/〈いのち〉中心への転回/それでも人生にイエスと言う

 フランク心理学入門という視点からだけでなく思想としても視点から興味のある方には欠かせない一冊になるのではないかと思います。

 ここは重要なことですが、先生のすべての著書に言えるのですが、先生はフランクルの著書の何処にそのことが書かれているかを明確にされる書き方をされています。ですから単に事柄を覚えれば足りる書き方に満足しない、向学心に燃える方には最高の著書ではないかと思います。

 今日帰宅するとamazonからこの本が届いていました。認知するのが遅れ待ちに待ちました。ザット目を通し私のような視点からフランクル思想に熱き心をもつ人に薦めたくブログアップしました。

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