澄みきった空気の中で、夜空がとてもきれいな季節になりました。最近宇宙に関する話題でこんな言葉を耳にしました。
宇宙の未来を決める暗黒エネルギー
見えない”暗黒物質 ”を探せ
夜空を彩る星や銀河、永遠に見える宇宙の未来が実は、謎のエネルギーに支配されていることが分かってきたというのです。
その暗黒エネルギーの力で、銀河も星もバラバラになって宇宙は終わる、そんな衝撃的な結末も予想されているのだそうです。
その名は、暗黒エネルギー(Dark Energy・ダークエネルギー)というもので、重力と反対に物を引き離す力を生み出すものです。
宇宙は今から137億年前にビックバーンによって生じ、宇宙にはいろんな形をした数千億個の銀河があると言われています。
天体望遠鏡で見ると様々な色彩で夜空に輝いていますが、遠い将来その銀河が消えてしまうという話なのです。そのカギを握っているのが、暗黒エネルギーです。
宇宙を消滅させてしまう謎のエネルギーで、今宇宙の最大の問題とも言われ、多くの科学者がそのなぞ解明に挑戦しています。
アメリカの天文学者のジョンズ・ホプキン大学アグム・リース博士がビックバーで生じた宇宙の膨張速度を研究しているときの話です。
宇宙の膨張速度は宇宙にある銀河や物質の重力によって遅くなると考えられていましたので、リース博士はそのことを確認するために近くにある銀河と遠くにある銀河の速度を比べていました。
遠くの宇宙を見ることは古い時代の宇宙を見ることになり、近い銀河を見ることは新しい宇宙を見ることになります。したがってその動きを見ることで膨張の速度が分かるというものです。
50億年前までの速度はこれまで正確に測定されていました、そこでリス博士は76億年前の宇宙の膨張速度を調べそれを比較しました。すると驚くべき結果が観られたのです。
それは宇宙の膨張は遅くなっているどころか、宇宙の膨張速度は加速しているという結果で、リース博士は計算や測定値にミスがないか何度も検証しました。しかしミスはありませんでした。この結果を博士は、1998年に論文発表し世に問いました。
これまでの定説を根底から揺るがす挑戦的な説でした。
これ場での宇宙膨張説には二つの理論がありました。その一つは、
物質同士の重力によって膨張が次第に緩やかになって行く。
というもので、もう一つは、
ある時点で収縮して潰(つぶ)れてしまう。
というものでした。リース博士の説は先ほど言いましたようにある時点から急激に膨張するというもので、まったく新しい理論でした。
ものです。この話は世界的に話題となりご存知の方も多いと思います。この説はその後いろいろな科学者のよって証明され、リース博士の宇宙膨張論はゆるぎない理論となりました。
宇宙を膨張拡大するエネルギーは何か、科学者はこぞってその研究をしました。重力に逆らってものを引き離す力(エネルギー)が必ずあるはずだと、その探究を始めたのです。
これが暗黒エネルギーなのです。宇宙を支配する力、人類の宇宙観を変えるものです。
天動説から地動説へ、ビックバンの発見から宇宙の膨張へ、そして暗黒エネルギーの存在へと宇宙論は進展してきました。
暗黒エネルギーは、どういうものかというと、暗黒エネルギーが大きければ、地球の重力に打ち勝ってリンゴを飛ばしてしまうという”反重力 ”の話になります。
重力は近づけば近づくほど強くなりますが、この暗黒エネルギーは、逆に反発力で問おうくなるほど強く働く力だということです。
この暗黒エネルギーが宇宙にどのくらい存在しているのか、その研究成果が今年(2010)6月に京都大学で開かれた物理学の国際セミナーの席上で、テキサス大学の日本人の小松英一郎教授がその結果を発表しました。
小松教授によると、暗黒エネルギーは宇宙の72.6%を占めているというものです。
したがって今もの宇宙は、この暗黒エネルギーとのバランスで拡大膨張しつつあるということになります。
そして宇宙の構造ですが、宇宙はわれわれの住む銀河や星などの元素(約4%)と、これも謎なのですが、宇宙や銀河の大規模構造を支えている暗黒物質(約23%)そして暗黒エネルギー(約73%)という構造になっているそうです。
ここに示される、暗黒物質、暗黒エネルギーが今宇宙科学においては、最大の話題となっています。
暗黒、このような混沌とした世界の中に、無とも思われる空間の中に不思議なエネルギーや解明されていない物質が存在しているということです。絶対無の世界、まったくの無はあり得ない、何か哲学的な、また形而上学的な話にも重なるような話です。
今朝は、最近NHKで放送された、「セイエンスZERO]という番組で語られた「宇宙の未来を決める暗黒エネルギー」について紹介しました。
まだ冒頭の「見えない”暗黒物質 ”を探せ」という話題がありますが、出勤時間のため後日とします。
最後ですが、すべては関係する。何か相似形の世界を見るようです。
神秘といえば神秘的ですが、追求できるところが、異なる気がします、宇宙哲学とでもいえるかもしれませんが、そんな世界が広がりそうです。
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