月曜日にはまだまだ葉につつまれていたた木々も、連日風に吹かれるたびに木の葉を舞い散らせ、気が付くと紅葉真っ盛りの楓を残して、枝に残る葉も僅かになりました。子どもたちは連日ひらひらと舞う葉を追いかけたり、落ち葉の山に石を入れて「やきいも」をしたり、イチョウの葉を重ねて素敵な「はなたば」を作ったり(「えんちょうせんせいあげるね」とプレゼントしてくれました!)、この時期ならでのあそびを楽しんでいました。
葉が一枚また一枚と枝を離れひらひらと舞うこの季節にはいつも、『葉っぱのフレディ』の絵本に描かれた「いのちの旅」の物語を思い起こします。
春、木の梢近い同じ枝に生まれた葉っぱの仲間たちが、成長し日の光を受けながら風に踊り、暑い夏には人々に木陰を作り、秋には美しく紅葉しみんなの目を楽しませ、やがて「引っこしをするとき」が訪れた時、一枚一枚仲間から離れ、最後のひとりになったフレディも、迎えに来た風にのって枝を離れて、そっと地面におりていく、そんな物語です。
「わたしはどこから来て、どこへ行くのだろう。生きるとはどういうことだろう、死とはなんだろう。この絵本が自分の人生を考えるきっかけになってくれることを祈ります」そう編集者は書いています。自分が生きるようにと定められた枝の上で生まれ育ち、移り変わる季節を過ごし、やがて「そのとき」静かに枝を離れていく一枚の葉の「いのちの旅」。足元に落ちる一枚の葉が、「いのち」について語りかけてくれているような気がします。