テレビで、南アルプスの日本第二の高峰北岳に登る番組を見た。山頂からはるか北アルプスも見えた。谷川岳のふもとの河を滑り降りるキャニオニングというスポーツも見た。ヘルメットとライフジャケットを付けてからだ一つで滝を落ちたり、流れに流されるのを楽しむ。数人でつながって滑り降りる。危険でもある。北アルプスの上高地から穂高に上り、尾根道を縦走して槍ヶ岳に向かう様子も見た。大キレットというナイフの刃の上のような切り立った岩山の尾根を通らなければならない。落ちたら数百メーター落下して死ぬ。この番組の翌日に60代の人が何人も落下して死んだ。60歳を過ぎると気は元気だが体力が弱るので落下してしまうだろう。高山に咲く花がこころを慰めてくれる。鎖に頼って岩山を登リ降りする。岩に足をかけるステップの板が打ち込まれている。強風にあおられて落下しそうになる。雷が鳴り雨も降ってくる。遭難しないほうが不思議な山登りだ。槍ヶ岳の頂上への梯子を登る。山小屋がオアシスになる。危険で苦労が多いのに、山の魅力にとりつかれて登る人が多いようだ。達成感を感じるからだろうか。テレビのおかげで自分では行けそうもない山上の景色が見られた。