Sightsong

自縄自縛日記

峰厚介『Out of Chaos』

2018-07-29 01:21:04 | アヴァンギャルド・ジャズ

峰厚介『Out of Chaos』(East Wind、1974年)を聴く。

Kosuke Mine 峰厚介 (ts)
Masabumi Kikuchi 菊地雅章 (p)
Tsutomu Okada 岡田勉 (b)
Motohiko Hino 日野元彦 (ds)

『Voyage』誌のネイティブ・サン特集号にディスクガイドがあって、峰厚介と菊地雅章のデュオ盤『Duo』(1994年)が紹介されていた。久しぶりに思い出した。手放してしまっていま手元にはないが、当時ずいぶん聴いた盤である。そこでは菊地の名曲「Little Abi」が演奏されていた。そんなわけで、あらためてこの『Out of Chaos』を手に取った次第。本盤でもこの曲だけはデュオ、つまり『Duo』は20年を経ての再演なのだった。

記憶の中にある94年の演奏は、もっと想いが強く込められているかのようなものであり、それが過剰だった。その意味では本盤の「Little Abi」の方が好みである。

過剰性ということで言えば、本盤のプーさんもまだそれほど自己の発散が後年ほどではない。しかし冷ややかに熱いような独特の感覚があり鼓膜に引っかかる。峰さんのテナーも後年ほどの癖がまだ放出されておらず、これも悪くない。アルトからテナーに持ち替えたばかりだったという事情もあるのだろうか。

そして岡田勉の固く強い推進力、体内からのマグマがスマートになってドラムスを通過したような日野元彦のドラムス。もうサイドメンは3人とも鬼籍に入ってしまっている。

●峰厚介
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その3)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
渋谷毅エッセンシャル・エリントン@新宿ピットイン(2015年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
峰厚介『Plays Standards』(2008年)
本田竹広『EASE / Earthian All Star Ensemble』(1992年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
『Voyage』誌のネイティブ・サン特集、『Savanna Hot-Line』、『Coast to Coast』、『Gumbo』(1979-84年)
『ネイティブ・サン』(1978年)
菊地雅章『エンド・フォー・ザ・ビギニング』(1973年)
菊地雅章クインテット『ヘアピン・サーカス』(1972年)
菊地雅章『ダンシング・ミスト~菊地雅章イン・コンサート』(1970年)
菊地雅章『再確認そして発展』(1970年)
菊地雅章『POO-SUN』(1970年)


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