アネット・ピーコック『I Have No Feelings』(Ironic、-1985年)を聴く。
Annette Peacock (vo, instruments)
Roger Turner (perc, paiste cymbals)
先日、来日中のロジャー・ターナーさんに、基本的に曲は演らないのだろうかと訊いたところ、いやそんなことはないと言ってこの盤を教えてくれた。アネット・ピーコックとのデュオである。
感情があやうい領域で抑圧され、一方でさまざまな楽器をサイケデリックに鳴らしながら歌う、アネットの世界だ。しかし、音量自体は控えめだが、背後から、紛うかたなきロジャー・ターナーの音が聴こえてくる。それはきりきりに精神や集中力とともに細く尖らせた棒の先端から生み出される音であり、その気が静かに迫ってくる。このあり方ゆえのロジャーさんである。
●アネット・ピーコック
アネット・ピーコック+ポール・ブレイ『Dual Unity』(1970年)
●ロジャー・ターナー
ロジャー・ターナー+亀井庸州@Ftarri(2019年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+内橋和久@下北沢Apollo(2019年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(2018年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
ロジャー・ターナー+広瀬淳二+内橋和久@公園通りクラシックス(2017年)
ロジャー・ターナー+今井和雄@Bar Isshee(2017年)
蓮見令麻@新宿ピットイン(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
ドネダ+ラッセル+ターナー『The Cigar That Talks』(2009年)
フィル・ミントン+ロジャー・ターナー『drainage』(1998、2002年)