3月18日 くもり 28℃ 2013
日本に帰ったとき、ハノイで買っておけばよかったと思うものがあった。
少数民族の特定の刺繍が好きだったが、どうしても日本の家のイメージに合わないので買わなかった。
ハノイのアパートのソファーにクッションがないのがなにかと不便で、そうだ、あの刺繍のクッションを買おうと街にでかけた。
3枚で75ドル、この頃のわたしは値切り交渉は無理とさとっているが、75ドルだったら少しは安くしてくれるかと交渉するも、「 we are worker 」とかいって相手にしてくれない。
それでいい値で買ってしまうのがわたし。
で、中のクッションがほしいんだけどどこで買える?…ときいたら、ドンスアン、と答える。
前はよく通るが中にはあまり入ったことがないドンスアン市場、本当に売ってるのかな? なんて思いながらその足で行ってみた。
土曜日の昼過ぎのものすごい熱気と喧騒にたじろぎながら市場じゅうを歩くというか、商品の山と人をかき分けながら探してみてもみつけられずに引き揚げた。
この市場は川のほとりに建てられ(現在川は埋め立てられ面影はないが…)、ベトナム中から鉄道と船とで運ばれてきた物資の集積場で、ここからまた物が流れていくという重要な拠点だったと記憶している。
いまもそれは続いているのか、仲買みたいな人による大量な売り買いがされているようで、伝票を片手に大きな荷物がどんどん運ばれてゆく。
市場中にあふれかえった物と人の活気と喧騒に圧倒されるが、このエネルギーと生活感は、こちらも元気をもらえそう。
同じ日、ニューバチャンのお店で新鮮な色合いのマグカップをみつけ、自宅用に買ったがクラックが入っていて中身が漏れてくる。
5ドル50のものだがくやしいので、返品に行くというと、オットは笑って「がんばれー」という。
日本だったら返品は当然のことだけど、安かろう悪かろうの売買では、粗悪品を選んだあなたが悪いといわれそうな心配がオットの表情から察せられる。
日本の常識はベトナムの非常識、かもしれないが、返品と見つけられないクッションの中身探し、がんぱるぞーと気合がはいる。