2月13日 曇り 17℃
チェンマイに行くなら、チェンライまでいって首長族をみてきたらいいよと、友達にいわれたが、ゴルフ合宿なので、観光はしません、というオットの一言で、チャンスは消えたと思っていた。
エレファントキャンプに行く折、ガイドさんから「入場料一人500バーツ(1500円)と高いけど、首長族をみることができますよ」、「それって寄付でしょう…いきます」、ということに。
首長族は、ミャンマーとタイにまたがる国境地帯の山岳部に住む半農半狩猟をなりわいとしている民族であるが、現在のタイでは、観光化された民族村でくらし、その庇護地域からの自由な出入りは建前として禁止されているとある。
チェンマイの首長族も、ミャンマーとの国境紛争から非難してきた難民で庇護地域にすんでいる。
村で選ばれた女性が首に金色の真鍮リングを何層にもつけていて、本当に首が伸びているようにみえるが、実際は首の真鍮リングの上圧が顎を引き上げ、下圧が鎖骨の位置を押し下げることによって、首が長くみえるようになっているらしい、そしてこれは男性はしない。
衣装は上半身に袖なし寸胴型上着を羽織り、下半身には黒い筒型スカートを越しにまとうとある。
両膝にも真鍮コイルを巻き、両腕には銀のアルニウム製の輪を4個から10個はめている。
前髪は首輪を際立たせるため、短かく、カラフルな色彩の鉢巻と銀の簪で後髪をまとめている。
ではどんな人が選ばれるかというと、「満月の日に生まれた人」とか、「水曜日に生まれた人」とかいう言伝えがあるが、文字をもたない文化のため確証はない。
いまでもどうしてこんなことをしているの?……これが民族の伝統であり、とくにタイ側は観光収入を得るための文化の伝承ということで、深い理由はないということ。
身体改造にも見えるこの慣習について、国際難民高等弁務官事務所は、首長族観光を「人間動物園」と酷評しているし、タイ側にとっても、「難民とみるか、移住労働者とみるか」と難しいらしい。
月額1500バーツ(4500円)の手当てと観光収入での生活は厳しく、学校がないので文字が読めず、職に付けない。
ガイドと運転手は待ち時間の間、可愛そうな人には施しをするのが普通と、袋いっぱいのお菓子を子供たちに配っていた。
ここで女性は終日機織りをしているが、織られた布が商品化されることもなく、パフォーマンスのためだけにしているという。
機を織りながら飴玉をしゃぶっている女の子の歯は、真っ黒でぼろぼろだった。
帰りの車のなかで、ガイドの「日本人に生まれてよかったですね」、という言葉がわたしに重く、「見世物になって生活をしている人」に心がふさぎ、行くんじゃなかったと二人で後悔した。