「江戸湊」と総称される、隅田川、日本橋川、神田川、そして深川の堀川と、それに沿って河岸があちこちに点在していた江戸の水路網を、どのような船が往き来していたか。それを『北斎・広重の冨嶽三十六景筆くらべ』(人文社)の、北斎と広重の絵から探ってみることにしたい。絵の解説では、多く、大型船とか小船とか書かれていて、船の種類が細かく記されていない場合が多い。そこで『東京風俗志 上』平出鏗二郎〈ひらでこうじろう〉(ちくま学芸文庫/筑摩書房)のP300~301の絵や解説文を参考にしながら、描かれている船の種類を分類してみることにしました。 . . . 本文を読む