四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

香りに酔うも

2021年10月09日 12時45分41秒 | 短歌
 岸田首相は8日の所信表明演説で、「信頼と共感を得られる政治」を掲げ、対話を重視する姿勢を
前面に出し、説明不足との批判がつきまとった「安倍・菅路線」との違いを強調しました。
また、「早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め」との、
アフリカのことわざを引用し、新型コロナウイルスなどの困難に対し、国民と共に乗り越えていく
姿勢を示しました。

 しかし、森友学園の再調査は行わない、さらに日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命拒否問題で、
岸田内閣として新たに任命する考えがない等々「みんなで進」むための条件を最初から放棄しています。
また、野党から、被爆地の広島出身を強調する首相が、核兵器禁止条約の是非に触れなかったことに
ついても「広島出身と言うのであれば、そういう政治でいいのか」との意見も出ています。

 私たちは、党総裁選で「聞く力」を自らの長所に挙げてきた新首相に期待しましたが、今回の所信表明演説
は残念ながら、残された課題への取り組みも弱く、政策の深堀も無く「期待外れ」との印象があります。

 そんな日々、開放された公園や、温水プールへ繰り出し、巣ごもりの生活から少し抜け出すことが
出来つつあります。しかし、感染対策は依然として必要と感じますので用心しながら「日常」を
取り戻していきたいと思っています。

 そんな中で、10月になって我が家の月下美人が三度咲いてくれました。実は月下美人がかなり繁茂
したため、春先に細君がかなり思い切って選定しました。その際に切られた枝を鉢に刺しておいた所
その葉についた蕾が開花したものでした。今年の開花は期待していなかったのですが、一輪小ぶりながら
開花してくれましたので写真に収めてみました。



 そんな様子も含めて、短歌に詠んでみました。

 ☆萱の露 風に吹かれて舞うがごと 末枯れ花野に潤い運ぶ
 ☆星月夜 妻と見上げるその果てに 秋のペガスス耀きを増し
 ☆藍ふかく晴れ渡りゆく空のもと コスモスの群れ海になだるる
 ☆草笛も草書も我に教えたる 父を想いてカナカナを聞く
 ☆神無月みたび咲きたる月下美人 香りに酔うも寂し一夜と

コメント (11)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「口語短歌・水曜サロンの会... | トップ | 「口語短歌・水曜サロンの会... »
最新の画像もっと見る

11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
浅間山明鏡止水です (knsw0805)
2021-10-09 14:41:52
こんにちは。
いつ見ても綺麗な写真と短歌で素晴らしいです。
写真と短歌を見ていると心が洗われます。
Shouさんは偉大な歌人です。
5首とも素晴らしい作品と思いましたが
「萱の露 風に吹かれて舞うがごと 末枯れ花野に潤い運ぶ」
「神無月みたび咲きたる月下美人 香りに酔うも寂し一夜と」を
選びました。
「萱も露~」はこれはShouさんでないと誰も詠めないのではと思う位秀作と思います。
Shouさんの今の社会情勢から見た気持ちに、新しい自民党体制に期待感もあるような、そんな気持ちが滲みでているのかなあと思います。
「神無月~」は奥様とShouさんのご努力の賜物です。そして「~香りに酔うも寂し一夜と」ここがShouさんの真骨頂ですね。Shouさんもロマンチストです(笑)
返信する
Unknown (行雲流水の如くに)
2021-10-09 20:22:53
こんばんは。
冒頭の花の写真は槿でしょうか。
いつ見ても画像は素晴らしいですね。
槿は好きな花ですが、北海道のような短い夏に植えるのはどうかなと思って植えていません。
この花や夾竹桃、そして百日紅などは猛暑の中で映えますね。

「草笛も草書も我に教えたる 父を想いてカタカナを聞く」
この句が好きですね。
最近は友達同士みたいな親子が増えていますが、私の時代は少し近寄りがたい存在でした。
そんな思いが少し伝わりました。
違っていればごめんなさいです。
返信する
「末枯れた花野」に (ポエット・M)
2021-10-09 20:41:09
Kenさん こんばんは。
私の写真と短歌への過分なコメントを頂き恐縮しています。
行運流水さんから、写真の被写体に向かう際は「無心になれ」と
諭されましたが、未だ無心になれない自分を感じ恥じています。

「萱の露 風に吹かれて舞うがごと 末枯れ花野に潤い運ぶ」の
短歌から、「新政権への期待感」を読み取るとは、さすがにKenさんの
感性は鋭いですね。二代続いた「新自由主義」の「末枯れた花野」に潤いを
もたらす「転換」を掲げた岸田政権に少し期待を持ったのですが…、
所信表明演説は残念ながら新規軸を打ち出すに至っていませんでした。
そんな思いも込めてみましたが・・・。
返信する
常に心して (ポエット・M)
2021-10-09 21:34:01
行雲流水さん こんばんは。

行雲流水さんから「画像は素晴らしい」等の言葉を頂戴し、恐縮しています。
Kenさんへのコメントにも記しましたが、かつて、行雲流水さんから
「被写体に向かう際は無心になれと」諭されてから、写真を撮る際には
常に心してかかるようになりましたが、中々その境地になれない自分を
反省している日々でもあります。

短歌へのコメントも頂きありがとうございます。
おっしゃるように、私の父も近寄りがたい存在でした。そんな父でしたが
カナカナの鳴く夏の夕暮れに、草笛と漢字の草書の手習いを受けた記憶が、
鮮明な記憶となって思い出されます。なぜかその部分の記憶が鮮明なので、
めったにそのような交流がなかったのかも知れません。
返信する
浅間山明鏡止水です (knsw0805)
2021-10-10 07:24:25
おはようございます。
返信コメントありがとうございます。
「萱の露~」は私の読み通りで、Shouさんの短歌意図を当てたことが嬉しいです。でもこの短歌は秀作です。さて「白駒の池②」を掲載しました。短歌も2首掲載しました。お暇な折批評頂けるととても嬉しいです。
返信する
おはようございます (orai)
2021-10-10 10:41:12
曖昧な表現多き演説の眼鏡の奥の怪しき眼

抽象的な内容が多くて真意がつかめない
怖さを感じました。
返信する
Unknown (びこ)
2021-10-10 11:00:19
☆藍ふかく晴れ渡りゆく空のもと コスモスの群れ海になだるる

雄大な美しい景色が見えるように詠われていて感動しました。
返信する
短歌に籠めた意図を (ポエット・M)
2021-10-10 20:12:33
Kenさん こんばんは。

早々にお立ちよりいただきありがとうございます。

おっしゃる通り、短歌に籠めた意図を読み取って頂き
嬉しいです。このような歌友がいると作歌も楽しいですね。
「白駒の池②」楽しみに伺いますね。
返信する
詩人としての感性と (ポエット・M)
2021-10-10 20:14:10
oraiさん こんばんは。
短歌の投稿を頂きありがとうございました。

☆曖昧な表現多き演説の眼鏡の奥の怪しき眼

おっしゃるように、所信表明演説は抽象的な表現が多く
具体的な政策の深堀も無く、期待倒れに終わったとの
印象を持ちました。あいまいさの中に感じた「怖さ」は
oraiさんの詩人としての感性と思います。
私も、この感覚を大切にしていきたいと思っています。
なお「怪しき眼」を「怪し眼光」として七音に整えて見ましょうか。
返信する
海に向ってなだれ咲く (ポエット・M)
2021-10-10 20:16:15
びこさん こんばんは。

☆藍ふかく晴れ渡りゆく空のもと コスモスの群れ海になだるる
の短歌を批評して頂きありがとうございました。

平凡な短歌ですが、谷戸一面を埋めて咲く100万本近いコスモスの群れが
海に向ってなだれ咲く様を、もっと的確に詠めたらと思っていますが、
過分なお言葉を頂き恐縮しています。
これからも宜しくお願い致します。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

短歌」カテゴリの最新記事