うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続

2022年12月22日 | 宮部みゆき
2022年7月発行

 江戸は神田の袋物屋・三島屋で続く、一風変わった百物語。
 これまで聞き手を務めてきた三島屋主人・伊兵衛の姪のおちかが、神田多町・貸本屋の瓢箪堂勘一に嫁ぎ、聞き手は伊兵衛の二男・富次郎へと受け継がれた。
 神田袋物屋三島屋の黒白の間で、明かされる不思議な話。「三島屋変調百物語事始」の第8弾。

第一話 賽子と虻
第二話 土鍋女房
第三話 よって件のごとし 計3編の中編連作

第一話 賽子と虻
 幼い時から笑い方を忘れた、老人とも若者とも分からぬ異形の餅太郎。
玉の輿に乗ることになった姉に、虻が憑いたことから、姉を救うために、呪いを肩代わりし、八百万の神々の里に迷い込んだと言う。

第二話 土鍋女房
 水神の住まう粂川で、代々、三笠の渡しの船頭を家業としているおとびは、兄の喜代丸が土鍋に住まう神に魅入られてしまったことを話し…。

第三話 よって件のごとし
 苗字帯刀を許された名家・肝煎の浅川宗右衛門は、盲目の若妻・花代を伴い、以前に村を襲った悪夢のような出来事を語る。
 それは、池で繋がる村で、「ひとでなし」が発生し、村を一網打尽にしようとしているとのことだった。

 シリーズ最高傑作! 一気に読みきった。

主要登場人物
 三島屋富次郎...伊兵衛、お民の二男
 三島屋伊兵衛...神田三島町袋物屋の主
 お民...伊兵衛の女房
 伊一郎...伊兵衛、お民の長男(通油町小間物商・菱屋で修行中)
 おしま...三島屋の女中
 新太...三島屋の丁稚
 お勝...三島屋の女中
 おちか...川崎宿旅籠丸千の娘、伊兵衛の姪
 瓢箪堂勘一…神田多町・貸本屋の長男、おちかの夫





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。