ときどりの鳴く 喫茶店

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飯田線 慕情 5  リニア中央新幹線

2014-09-01 15:58:59 | ひとりごと

飯田線 慕情 5  リニア中央新幹線

リニアモーターカー(=略・リニア)とは

写真・リニアモーターカー

時速500Km以上の超高速・超電導磁気浮上式の新幹線
高速輸送を目的としているため、直線的なルートで、最高設計速度505km/hの高速走行が可能な超電導磁気浮上式リニアモーターカー「超電導リニア」により建設される。
首都圏 - 中京圏間の2027年の先行開業を目指して計画中。
東京 - 名古屋間を最速で40分で結ぶ予定。
東京 - 大阪の全線開業は2045年のも延長計画あり。
東京 - 大阪間を最速67分で結ぶと試算されている。
「リニア中央新幹線」や「中央リニア新幹線」、さらに「リニア中央エクスプレス」、「中央リニアエクスプレス」と呼ばれることもある。単に「中央リニア」「リニア」と略されることもある。
国による整備計画や建設・営業主体のJR東海は「中央新幹線」と称している。

ルート



東京から名古屋まで40分、大阪まで約一時間強の運行スピードを計画し、さらに超電導磁気浮上式のため、ほぼ直線のルートが採用された。
区間の駅は、一県一駅を原則に据えて選考されたが、一番難航だったのが長野県の駅で、結局原則に沿った形で決定されたようだ。
 ・・・ Cルート上の飯田市は一時、飯田駅へのリニア駅併設を要望していた。しかし、JR側は用地買収の問題などから併設は困難とし、当初北隣の高森町内に駅を設置する案を提示していた。これに加えて、地元の要望を受けて同町と接する飯田市座光寺地区への設置という折衷的な案等、複数の案を長野県側に提示した。それを受け飯田市はJR案を受け入れ、長野県内のリニア駅は飯田市座光寺地区に作ることで決着した。東京都 - 愛知県の区間で唯一ルートと駅の案が発表されていなかった長野県でも、2011年8月5日にJR東海から発表され、駅予定地は飯田駅付近ではなく、飯田市座光寺地区と高森町を含む「天竜川右岸平地」とされた。その後の報道では、座光寺地区には遺跡群があることから、ルートを遺跡群の南側に変更したため、元善光寺駅南西1kmの飯田市座光寺・上郷飯沼地区に設置されると報道されており、飯田線の伊那上郷駅 - 元善光寺駅間に新駅を設置することも検討される ・・・

○東京(始発駅)
品川駅に方針が固まった。このことで、東北・上越・長野(北陸)新幹線からの接続の悪さが指摘されている。その後JR東海が進める案では、品川駅付近に南北方向で設置することが発表された。
○神奈川県
橋本駅(緑区)南口に隣接する神奈川県立相原高等学校を西約3キロの位置にある職業能力開発総合大学校移転後のキャンパス跡地に移転させ、相原高等学校跡地に駅を建設することが予定されている。また緑区鳥屋付近に車両基地を建設することも発表された。
○山梨県
甲府市の大津町周辺とする方針を固めたとされる。2013年にJR東海が明らかにした計画では、山梨県の駅としては甲府市大津町付近とされた。
○長野県
元善光寺駅南西1kmの飯田市座光寺・上郷飯沼地区に設置されると報道されており、飯田線の伊那上郷駅 - 元善光寺駅間に新駅を設置することも検討される。
○岐阜県
2013年にJR東海が明らかにした計画では、岐阜県の駅としては美乃坂本駅に近い中津川市千旦林付近とされた。
○愛知県
JR東海は、将来の関西圏への延伸まで一部の乗客が行う既存新幹線との相互乗り換えに配慮し名古屋駅新幹線ホーム直下の大深度に新駅を建設した場合に乗り換えに掛かる移動時間が3分から9分であると試算報告し、既存の名古屋駅を拡張する計画である。その後JR東海が進める案では、名古屋駅直下に東西方向で「ターミナル駅」を設置することが発表された。

大阪延長


三重県 有力
奈良県 有力
 ・・・ 京都府・滋賀県は、ルート変更を要望。
 ・・・ 何れも検討中
大阪府
山陽・九州方面への乗り継ぎの利便性などから新大阪駅に乗り入れの意向がJR東海によって示されている。大阪府知事の要望は梅田駅だが、長距離旅客輸送の原則から逸脱しない可能性が高い。JR西日本との関係もある。

東京・飯田間25分:名古屋・飯田間15分
自分としては飯田に関心があるので、東京・飯田間の所要時間を推測する。飯田は、東京・名古屋間の、やや名古屋寄りにあるので、25分を予測する。逆行で、名古屋・飯田間は15分になる。


リニア中央新幹線敷設で考えられる懸念材料

代表的な懸念や批判・反対意見は以下のようなものである。

○大都市圏内の区間では大深度地下トンネル、南アルプス(赤石山脈)では直下に長大トンネルを掘削するなど、地下区間がほとんどであり、難工事が予想されるため、建設費が当初計画を大幅に超過する可能性もありえる。その場合、JR東海の経営を圧迫しないか。
○リニアの料金は、普通車指定席の場合、東京 - 新大阪間で1万5050円で、従来の「のぞみ」と比べてプラス1000円。同様に、東京 - 名古屋間ではプラス700円、名古屋 - 大阪間ではプラス400円を想定しているが、巨額の建設費が必要なリニア新幹線で、本当にこのような料金設定が実現可能なのか。
○今後の日本は、少子高齢化の影響による人口の減少が見込まれており、東海道新幹線の乗客数も近年はほぼ横ばい状態が続いている。また、現状の東海道新幹線は、格安航空会社や高速バスとの激しい競争に晒されており、近年では新東名高速道路も開通した。そのような中で、予測される程の需要はあるのか。
○南アルプス直下での長大トンネル建設は、トンネル開口部の崩落による景観破壊や、大量の排出土砂(残土)の処理、地下水脈の寸断などによる環境破壊を招くのではないか。
○糸魚川静岡構造線や中央構造線といった大断層を横切るルートであるため、大地震が発生した場合の地殻変動や土砂崩れによる危険性があるのではないか。
○2013年9月にJR東海が発表した環境影響評価(環境アセスメント)準備書 によれば、南アルプス直下でのトンネル建設に伴う地下水脈の寸断の影響で、大井川上流部の流量は毎秒約2トン減少すると予測されている。
 ・・・ これに対して、大井川流域の自治体や水利用団体などから懸念の声が相次いでいる。静岡県知事の川勝平太も、2013年12月9日に静岡県議会での答弁で「南アルプスの豊かな自然環境の保全にとってきわめて重要な懸念事項と捉えている」と発言した。この問題に対してJR東海は、地盤に履工コンクリートや防水シート、薬液注入などの対策で出水の抑制に努めるが、そうした効果は試算に反映していないと主張しており 、また、トンネル内に湧き出した水をくみ上げて大井川に戻すなどの対策案も示している。
○リニア新幹線は、大部分の区間が地下トンネルとなる計画であるため、トンネル工事では膨大な排出土砂(残土)が発生する。残土を運び出すための作業用道路建設や、トラックの排気ガス、残土処分場の確保・建設などの点で環境問題が発生する可能性があるのではないか。
○超電導リニアの乗客1人1km当たりの電力消費量は、既存の鉄輪式新幹線の約3倍とされている。
 ・・・ 2011年3月11日に発生した東日本大震災および福島第一原子力発電所事故後に電力供給事情が悪化し、政府のエネルギー政策の将来見通しも不透明な中で、電力を大量消費する交通機関であるリニア新幹線の建設は妥当なのか。「航空機に比べると超電導リニアのほうがエネルギー消費量や二酸化炭素排出量が少ない」という計画推進側の主張に対しては、航空機は旅客と一緒に貨物も搭載できるから、厳密な計算では航空機も超電導リニアもエネルギー消費量はほぼ同じではないかとの指摘もある。
 ・・・ 元国鉄技師の川端俊夫は、『朝日新聞』1989年8月24日付論壇で、リニア宮崎実験線の消費電力から計算し、「新幹線の40倍の電力消費」だとして電力浪費だと批判した。これに対して尾関雅則・鉄道総合技術研究所理事長(当時)が、同紙1989年9月4日付で、川端の計算はあくまでも瞬間最大消費電力の数字を元にしており、東京 - 大阪間全体のシステム設計では新幹線の3倍を計画していると反論した(ただし1989年当時は、東海道新幹線の主力車両がまだ0系で、超電導リニアの実験車両も1両編成のMLU002という頃であり、現在では鉄輪式新幹線も超電導リニアも、当時に比べれば省電力化が進んでいる)。
 ・・・ JR東海が国土交通省交通政策審議会・中央新幹線小委員会の2011年5月12日会合に提出した資料によると、500km/h走行時のリニア1列車当たりの想定消費電力は約3.5万kWとされている。2027年の名古屋開業時には、所要時間40分、ピーク時5往復(上下10本)運転すると想定すると、合計約27万kW。2045年の大阪開業時には、所要67分、ピーク時8往復(上下16本)で、合計約74万kWの電力を消費すると試算している。これに対して現在の東海道新幹線は、ピーク時には1時間に最多13往復(上下26本)が走行しているが、消費電力は約36万kWである。
○超電導リニアは、車内の磁石から強力な電磁波を発生させる。車内および駅のホームには磁気防護シェルターが設置される予定で、電磁波が人体に及ぼす影響は小さく、心臓ペースメーカーや電気機器が誤作動することはないレベルだと推進側は主張している。しかし、長期間にわたって乗員・乗客や沿線住民がリニアの電磁波を浴び続けた場合の健康への影響は不明確なのではないか。
○リニア新幹線が開業すれば、日本の三大都市圏とりわけ東京への、政治・行政・人口・経済・産業などの一極集中がさらに加速するのではないか。

などなど ・・・ まだあるのかも知れない。
上記の懸念は、可能な限り誠意を尽くして、問題をクリヤして、さらに説明を尽くして欲しいと思う。

「原発運転とも関係ある」という反対論も存在する。でもこれは、何かが違う気がする。
”リニア新幹線は、従来の新幹線より3倍の電力を消費し、従って、現在の電力は不足するので、原子力は必要だと言いかねない。だから反対だ”という論理である。確かに、リニアが大量の電力を必要としていて、それを方便に原発の再稼働を誘導したい人はいるのかもしれないが、電力が必要なのであって、原発の電力が必要なわけではない。
この反対論は短略的で論理的ではない。

前回の掲示の「信濃毎日新聞」では、残された懸念について、どのように説明されているのだろうか。
○まず、長大トンネルを造ることによって生み出される残土だが、処理の方法は個別具体的に計画が整いつつあるようだ。
○地下水脈の断絶による河川水系の渇水の可能性は、JR東海の説明だけではすこし疑問は残る。
○予想される需要は本当にあるのかには、答えていないようだが、スピード性と利便性からは、当然増収増益が想定されると考えられるのでこの種の懸念は不要であろう。むしろ、旅客が奪われると予測できる航空会社の方が懸念されるが、民間のJR東海が心配する事柄ではない。
○政治や人口のなどの一極集中の問題は、政府の考えることで、JR東海の問題ではない。
途中駅が、リニアが止まって、経済的に恩恵を被るかどうかは、地方発展に役立つとは思えません。全国区的な”売り物"があれば別ですが。アクセスポイントが変わって、物流と人の流れが変わる可能性は、大いにありそうです。

現在、東京・名古屋間の新幹線の所要時間と運賃は、のぞみ・自由席で1時間41分、¥10070となっています。リニア中央新幹線では、40分、¥10770という計画だそうです。僅か¥700で1時間の時間短縮は、夢のような話です。


面白い計算

この計算の前提は、座光寺PAに”スマートIC”が出来たらの場合です。そして、中央道の高速バス利用がベースになります。高速バス:80Km/h

(東京←→飯田間・リニア:25分)+(飯田←→諏訪間・80Km・高速バス:60分)                 =計85分

(東京←→飯田間・リニア:25分)+(飯田←→松本間・100Km・高速バス:75分)                =計100分

参考:東京←→諏訪間 従来線
   JR あずさ   2:05分
   高速バス    2:45分 (新宿←→中央道茅野)
   車          2:29分 (東京駅前←→上諏訪駅前;ナビタイム)

*従来の最速は「あずさ」:125分で リニア飯田経由:85分  リニアが40分早い

参考:東京←→松本間 従来線
   JR あずさ    2:26分
   高速バス    3:30分 (新宿←→松本BT)
   車          2:50分 (東京駅前←→松本駅前;ナビタイム)
*従来の最速は「あずさ」:146分で リニア飯田経由:100分 リニアが46分早い

参考:同じロジックを使い、起点をリニア甲府にすると、諏訪と松本へは、リニア飯田より20,30分早く到達できそうです。リニア甲府は、中央道・甲府南ICの付近。

この計算式を当てはめると、長野新幹線のルート沿いを除く、長野県内ほぼ7割は、リニア飯田を経由した方が、目的地に早く着いてしまう可能性が出てきました。勿論、時間のみの効率で、コストは無視しています。これは県内の交通網アクセスを一変する可能性が出てきました。
未開発の赤石山系や木曽山系の自然の観光資源も勿論ですが、美ヶ原や上高地の観光資源も、飯田アクセスの視野に入るのかも知れません。長野県は、その他に観光資源は幾つもあります。南信州のスキー場が、名古屋から一時間以内に、幾つも出現します。机上の計算からの結果ですが・・・

(リニア飯田を中心に、長野県の地図を取り出し、1時間(=80Km)と1.5時間(=120Km)の同心円を描くと、上記の結論が見えてきます。勿論、高速道路が全県を網羅しているわけではないので、あくまで理論値であって現実とはかけ離れています。)

座光寺パーキングエリア

 

もしリニア駅が、JR元善光寺駅からJR伊那上郷駅の間に新設されるとしたら ・・・
中央道の座光寺PAは、重要な鍵を握りそうです。「スマートIC]が前提ですから、JR東海と地元で共同して要請することが一番目。そして、今の”しょぼい”(失礼!)休憩設備を一新し、道の駅併設、公園化、食事・土産店導入、イベントの計画等々、の拡充・拡大の計画を早急に練ることです。もしかしたら、小布施PAが参考になるのかも知れません。

リニア駅は非常にシンプルなイメージだそうです。しかし駅前は、流動力学を応用した、効率の良い、かなり大きい広場が必要のように思えます