「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

理念なき政策の無責任

2008-12-15 00:29:52 | 雑感
迷走とか朝令暮改とかいわれる麻生政権の政策。
どこに向かおうとしているのかまったくわからない。
国民も馬鹿ではない。内閣支持率は急落した。
しかもこれは一時的低下ではない。本質的に見放された結果だ。

景気を回復しよう?
それは誤りだ。
目指すべきは適正レベルでの経済の安定だ。
かつて日本のバブルがはじけ、その後昨今の安定に結びついたように、行き過ぎた消費経済が改められる局面は必ず訪れるものだ。

今は世界的な金融バブルが崩壊した中にあって、海外に依存性の高い日本だけが景気回復することは考えられない。

かつて日本には一億層中流意識に支えられたおおらかな社会があった。
これを幸いとばかり国益を忘れ腐敗していった官僚と政治家によって不況下でも既得権益に走る官製法人や企業経営者らの利益が優先され、大きな声を出せないばらばらの国民は切り捨てられ続けた。
では、それで国は豊かになったのか?

欧米流にいえばそうだと言えるのかもしれない。
しかし日本人の求めるべき答えはそこにあるとは思えない。

仁徳天皇は竃の煙を見て庶民の暮らしぶりが悪い事を知るや都造りを中断し自身の家屋の雨漏りも修理せず庶民の負担を軽減するため免租し苦労を分かち合った。
その後数年し「たかきやに、のぼりてみれば、けむりたつ、たみのかまどは、にきはひにけり」と庶民の暮らし向きの回復に喜んで、いまだ風雨を凌ぐに不十分な自身の家屋敷にあって「朕既に富めり」「民富めり、朕何そ富まずと謂はんや」と我が事のように喜んだという。

時代が違うといっても我々は日本人としての伝統文化の上に今がある。
単一の宗教のない国にあって、国民を結びつけるルーツである。

この局面にあって当面政治がすべきは無駄遣いの奨励による経済振興ではない。
ましてや、弱者いじめの消費税増税や、いいわけじみたお金のばら撒きでもない。
まったく逆だ。
贅沢品には高い課税、所得には累進課税の強化をもってセーフティネットの整備を図るべき時期である。

善政には国民も応えるもの。
仁徳天皇の都造りは民の側から声が挙がって再開されたという。
まつりごとはかくあってこそ信頼されるのではないのか。

考え方はいろいろあるだろう。ただ、この国のあり方をどう描いているのかを示した上で国民の選択を受け政策は講じられるべきである。それを欠き、いたずらにときを過ごすのは、あまりに怠慢・無責任というものだ。

繰り返される組織防衛のための口裏合わせ監査

2008-12-12 00:09:49 | 日記
2002年5月に静岡財務事務所の元所長と元総務係長が業務上横領容疑で静岡地検に逮捕されたことを受け、同年6月から8月にかけて、1,300万円の公金を使い公認会計士11人を含む特別チームを編成して行なった特別監査。
同9月13日には「裏金は総務部の3つの出先機関だけだった」「個人的、私的消費は認定できなかった」などと結論付けた特別監査報告で終結宣言したが、その嘘や誤りがまもなく検察によって暴かれ、知事部局の全部局に裏金が発見され幹部級の退職者を出すなどその隠蔽体質と無能ぶりが明らかになった。
http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/uragane.html

なぜまともな監査ができないのか?
監査とはいって従事する職員は同じ県の職員。
いずれは異動で知事部局に戻るのにどうして県に不都合な結論を出すだろうか。
監査委員も知事与党・知事支持者。どうして知事を非難できよう。
昨日朝日新聞が第一報となった空港開港延期に絡む臨時監査。
測量ミスの原因、地すべりといって交渉してきたことに問題がなかったか、1年以上も隠蔽し公表しなかった判断の是非。
これらを重点的に調べるとともに、(マスコミがほとんど報じなかった)9月議会で問題になった、県の工事によって地滑りが発生し4億円の補正を組んで追加工事をした件についても調べるらしい。

しかし、しょせんは身内の監査。
目的は知事の政治責任を回避するためのシナリオ作り、アリバイ作りの作業を行うに過ぎない。
近く住民監査請求も出されるのでそれに備えるための調査と称する口裏合わせであることは、裏金隠蔽時と同じ構造だ。

記憶は容易に薄れやすい。
政治家や役人はそこをついてくる。
以前うまくいったんだから今度も。

県の体質は6年前と何も変わっていない。
監査も頭は変わっても知事という虎の威を借る狐のごとき体質はまったく変わっていない。巨大な無駄には無関心、問題の根源にも目を背け、結局重箱の隅をつつくようなことで悦に入って楽しんでいるだけだ。
ゆえにトカゲの尻尾は切ってもトップの責任を問うことなどできないのだ。

初であるとか異例であるとか、そんなことで期待を煽るのはやめにしてもらいたいものだ。失望が深まるだけだ。


県債にたかる鈴与の恥知らず

2008-12-11 21:19:47 | 静岡空港
航空会社設立に際しては、採算よりも県民への恩返しなどときれいごとを言っていた鈴与。
そのメッキが早速剥がれた。
鈴与が100%出資の㈱フジドリームエアラインズ(以下FDAと表記)が県に無利子融資の申し出をしていたことが10日の県議会で明らかになったのだ。
仕組みは以下(http://www.furusato-zaidan.or.jp/navi_02/1223364198181.html)のとおり。
総務省OBを理事長にほか3名の官僚OBを理事に据えた天下り団体「財団法人地域総合整備財団」(この財団の資金源がこれまた旧自治省OBが理事長を務める財団法人全国市町村振興協会なる天下り団体というからあきれる)が審査する「ふるさと融資」を使って事業費の20%以内24億円を限度とした額の無利子融資を受けようというもの。
とはいっても、融資するのは財団ではなく静岡県。
県が県債を発行、すなわち借金して、それを無利子で貸付けるというものだ。
県が被る利子の差額であるが、県議会では県が負担することになる利子は交付税措置されるといっていたが、前記HPの財団資料によれば全額ではなく利子の75%までしか措置されないようである。
この年末に資金繰りに困っている中小企業が聞いたら何とも羨ましい話である。

たかりはこれだけではない。
格納庫などの施設整備まで県に要望していることも明らかに。
また、県も県で、FDAの集客や送客を支援するといいだす始末。
完全に税金におんぶに抱っこだ。
一民間企業に、それも優先順位が上位とは思えない航空事業に対するかかる行政支援は異様ですらある。

麻生総理は今日、社会保障と税財政抜本改革の工程表に3年後に消費税増税をお明示するよう指示した。
天下り財団放置の無駄を削らず、むしろこの仕組みこの無駄構造を永続させんが為とも見える。
無駄行政の改革なき救済増税といえる。
これを知って誰が納得しようか。

今日はまた今朝の朝日新聞の空港延期問題に関しての臨時監査の記事内容が夕方のニュースでも大きく報じられた。
このことについてのコメントは明日にするが、一言でいえばアリバイ作りの協同作業の開始に過ぎない。
期待するのは誤りだ。必ず裏切られるだろう。

空港維持管理経費の赤字5億から7億へ

2008-12-10 00:12:23 | 静岡空港
平成19年2月「空港は着陸料が丸々入ってこないとしても、今の想定では5億円強で、グランシップの赤字に比べはるかに少ない」と言っていた知事。
おととい12月8日の県議会の質疑では、煩雑ではなく頻繁などと麻生総理を皮肉りながら、「丸々赤字になったとしても今見積もられる経費からすると6億円強、7億円を下回るというふうに見積もられる」と発言、2億円近く赤字幅がアップしている。
何のことはない。天下り受け入れ先の空港運営会社を赤字にしてはならんと委託料をたっぷり払う算段である。
その上、屋上屋を架すように空港運営会社に家賃を払ってビル内に県の空港管理事務所も設置するという。http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/269.html
まったくあきれるばかりだが、非常識ぶりはこれだけではない。
昨日の質疑で県は島田市に建設する多目的産業展示施設について、県民の皆様に「施設の必要性についてもご理解を得てまいりたい」と意欲満点。
その根拠はといえば、いつかどこかで聞いたような「国際競争力の向上」「産業振興に寄与」「多様な交流がもたらす経済効果」などなど。
懲りないやつらだ。
では費用対効果を考えてのことかといえば「費用対効果につきましては現時点で具体的な試算はしておりません」ときた。
要するに、造ることが前提で、根拠となるべき費用対効果は空港同様に後で1以上になるように創作すればよいとの考えなのだろう。
(ちなみに、経済波及効果とはいわばお金の流れる量の累積であって、公共事業ならどんなに無駄な箱物であってもその費用以上の効果が出るのは当然で、いまや費用対効果の分析なしには事業正当化の根拠足り得ない。)
過ちは正されなければこうして繰り返される運命だ。

さて、その石川嘉延、何を考えてか明日あさってで中国上海に行くという。
先月14日に中国東方航空が静岡空港で上海便週4往復を開港時から就航する意思を表明したことはすでに報道された事実であるが、にもかかわらずトップセールスとして中国東方航空の社長に直接要請し定期便就航を確実にするために上海に行くという。
よくわからない行動である。
まさかとは思うが、そこで少し具体的な就航の言質を取ってそれをトップセールスの成果だと自慢するほど厚顔ではないと思うが、彼の場合は常識では計れない。
まあ、ボーナスカットの代わりの海外旅行ということだろう。
居ても役に立たないのだからせいぜい、ゆっくりしてきたらいいと思うのは私だけだろうか。

喧噪と停滞の中で

2008-12-08 23:35:57 | 日記
麻生内閣の支持率が急落した。
警鐘を鳴らしたとおり、最も愚かな選択をした当然の報いである。
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/257.html
選挙の顔?直ぐに選挙していたら?
彼の場合は選挙にすぐ打って出ていても選挙期間中にすぐメッキがはがれる程度の器で期待したこと自体が誤りだったのだ。
我が県の知事も似たような器だが御用新聞の擁護もあってなかなかメッキがはがれなかった。その結果、気が付けば、ケチケチ財政と揶揄されながらもかつての全国トップクラスだった健全財政は今や見る影もなく、膨れ上がった県債や無駄なハコ物の維持負担で肝心な時に有効な施策が打ち出せない県になってしまった。
それに比べれば早期の見極めは不幸中の幸いということになる。
そうである、政界再編の動きがその幸いの一つである。
麻生が官僚べったりの象徴として動き、中川、渡辺ら改革派を遠ざけたことで、かえって信念をもった改革派に火がついたからだ。

今の民主党には既得権益の維持を狙う官公労を中心とした連合という癌が存在し、与党にも地域振興券に続き定額給付金などという無駄なばらまきをごり押しした公明党という癌が存在する。
共通するのは静岡空港に見る姿勢だ。県民世論を無視し石川嘉延擁護のため民主党に空港賛成への転換を迫った連合静岡。静岡空港への土地収用に消極的だった扇や石原に代わって大臣になるや静岡空港の収用にゴーサインを出した公明党の北側。
誰が考えても過大な需要・過大な評価と分かるのにごり押ししたこれら姿勢から見えるのは信念なき打算だ。

災い転じて福となす。
麻生という選択の失敗が政界再編につながり明治維新以来の大改革が成就することを願いたい。