わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

レッド・タートル ある島の物語

2017-01-02 | 映画・ドラマ・本
 年末年始だというのに、へこたれている私、本を読むのすら疲れるヘロヘロ時には、アドレナリンの出ない、そしてあまり長すぎない映画が観たい。ベッドに座ってタブレットで邦画を探していると、スタジオ・ジブリの感慨共同作品、「レッド・タートル ある島の物語」を見つけました。ジブリと銘打ちながらも、全くジブリっぽい絵柄ではないし、全く台詞がない1時間半。難易度の高そうな作品で、賛否両論だと聞いています。

 正直、あー、つまんなさそー、と、思いつつ見始めた(←失礼なヤツ)のですが、何だか引き込まれて、最後まで全く飽きずに、画面を見つめていました。自分でも、絶対、自分がわざわざ劇場まで言って、お金払って味はしないだろうと思う作品だけど、実際には、大きな画面で、良い音響で、どっぷり世界に浸るべき映画だと思います。

 スタジオ・ジブリがどの程度、制作に関わったのは知りませんが、まず、登場人物が全く「ジブリ顔」じゃない。むしろ、主人公の無人島に漂流した男なんて、丸書いてチョンチョン顔で、おっさんになったタンタンか?と、思ったさ。背景も、写実的だったり、印象派の絵のようであったり、墨絵の世界あり、で飽きさせません。

 嵐の中、命からがら無人島に漂流した男。何度も筏を作って脱出を試みるも、その度に筏を壊されて島に逆戻り。砂浜に、最後に筏が壊された時に出会った大きな赤い亀がいるのを見た男は、亀を引っくり返して死なせます。放置してた亀の甲羅が割れると、中には女性が。男と彼女との間に、男の子が生まれます。日本的には、鶴女房みたいに、亀を救ったからその恩返しで人間になるなら判るけど、殴るわ、上で飛び跳ねるわ、挙げ句の果てにはひっくり返して放置なんて酷いと思うのですが??

 息子はすくすくと成長し、流れ着いたガラス瓶から、島の外の世界に思いを馳せる。大きな事件といえば、一家の住む島が津波に襲われることくらい。成長した息子は両親をおいて島を去り、男は年老いて息絶え、その妻はまた赤い亀に戻って海へ還る。それだけのお話です。息子が島を出ていく時は、舟や筏ではなく、二匹の亀に先導されるように泳いで去るのですが、まぁ、亀とのハーフだし、それで良いんですかね…?


 昔、おフランス映画といえば哲学的、難解で、インテリゲンチュアの嗜みって感じだったけど、なんか、そういう古き良き(?)雰囲気に浸るべき作品って気がしました。しかし、ジブリは一体、どういう方向に向かっているんだろう…

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