Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

これまた凄いCBXが入庫

2011-07-25 19:38:00 | CBX400F/550F
一般修理でのご予約を頂いていたCBX400F
さて、当日お客様から電話が来て
「しばらく乗らなかったらフロントブレーキがスカスカになっちゃって、メンテしてから行くので予定よりも少し遅れます。」と
ブレーキがスカスカ???????

しばらくしてお越しになりました。
妙にゆっくりと.......
聞くと来る途中で再度スカスカになったとのこと

診ると.......
ブレーキレバーが何の抵抗も無くフルストローク
バーエンドに「カチン!」と当たります。
「ウソ~、これで乗ってきたの?」
酷い!酷すぎます。

依頼事項は
「フロントフォークのオイル漏れ」
「エンジン異音(テンショナー)」
それ以外はやらなくて良いとのこと???

足回りの作業のあとは試乗しなければいけないのですが
ブレーキがそんな状況だと出来ません
「万一の際は車に積んで持ち帰るから良い」との話

ざっと、車体を見回すと
摺動部分にまで及ぶ点錆!(デジカメではうまく写らないんですよね~)

本来は交換して欲しいのですが、都合により磨くだけ

錆びて出っ張った部分でオイルシールに傷を入れます。
点錆びのあるインナーチューブは定期的に磨いて凸が無い状態で維持しなければいけません
気を抜くとあっという間にまた凸になります。
たとえば新品に換えてもメンテナンスしなければ微細なピンホールから錆びは発生します。


ほれ、この通り。溢れています。
これは右フォーク、サイドスタンドで停めておいてタイヤに垂れたら.......
怖い怖い!

こんなところにも注意を払いたい

スイッチの配線、だら~んと垂れ下がっています。
万一、ハンドルを切ったときにストッパーに挟んでショート、断線したらどうしますか?
怖い怖い!

フロントブレーキ、覗き込むと.....

オイルが漏れてビショビショ....
お客様に聞くと
「中で漏れている」と....
中の状態が安易に想像できますね
怖い怖い!

マスターシリンダーを見ても

あぁ~、何年替えていないんだろう....「インナーキット」

リアマスターも......

.............

バッテリーを見ると

あぁ、棒グラフ状態
強制的に寿命を縮めていますね.............

更に横に目をやると....

バッテリーのドレンホースが外れています。
希硫酸ミスト撒き放題ですね!

いざ、作業に入ります。
フォークを外すためホイールを外し一応内部をチェックします。

あちゃ~思ったとおり

油漬けのブレーキパッド

油漬けのディスク板

特に鋳鉄ディスクはステンレスのディスクと違い油を吸い込んでしまいます。
洗浄してもブレーキ掛けて発熱すれば内部から染み出てきます。
ブレーキパッドを替えてもまたあっという間に油まみれ

こういう場合は
引渡しの際に誓約書に署名、捺印していただきます。
「希望によりブレーキ周りに不具合(オイル漏れ)を抱えたまま引き取ります。
自己責任において自分で修理を行う予定ですが、
当該箇所に起因する事故などが起きても御社には一切損害賠償等請求いたしません」
こんな感じです。ちょっとでも良くなると我慢できずに乗ってしまう人も少なくなく
万が一の際には本人は「自己責任」で納得していても
家族が黙っていないことは想定できますからね
大げさと思われるかも知れませんが、それくらい重要な部分であることを認識して欲しいのです。

たとえば持ち込みパーツの取り付け依頼で当店で不安を感じる部品は
取り付けをお断りする場合や
同様に誓約書に署名、捺印を頂くことが有りますことを
予めご了承ください。


7/26更新
テンショナーブラケットの交換でヘッドカバーを開けると....
カバーの内側でメッキが剥離し始まっている。


クロームメッキの膜って意外と硬いもの
まだ、百歩譲ってフィルターケースなら即フィルターで止まりますが
他のカバー類はエンジン内部に落ちますから
変に噛み込んで悪さするかと思うと
怖い!怖い!