今回の車両、先週末にお預かりして、天気とエンジン組みの合間に試乗を繰り返し
やっと本日、エンジンを開けて診断開始。
この車両、中古購入し約1年半経過し、オイル漏れがひどくなりお越しになりました。
ご依頼事項は
「オイル漏れ」 腰上からいい勢いで漏れて流れ落ちています。
※にじみ程度だと「もったいないからもうちょい乗りましょう」と帰してしまいます。
「白煙を噴くことがある」 確かに試乗して加速時などでバックミラーをみるとすごいことに......
「クラッチがすべる」 普通に走っている分には出ず高速走行時などで発生、まだ初期症状か
オイル漏れに関しては最近腰上を開けているようで、組んで増し締めをおこなっていなかったのだろうヘッドを締めるナットが緩んでいた。
「エンジンを組んでハイ終わり!」では無いのですよ~
緩んでオイルが浸透したガスケットは使えません(メタルガスケットは除く)
要交換です。
ピストンリングに注目、オイルリングのエキスパンダの合わせ目のマーキングがいまだにしっかりと残っています、TOPリングの当たりもベタ当たりではなくそんなに距離を走っていないのが伺い知れます。
ガスケット(べスラー製)の状態からも同様に分かるのですが、この磨耗したスリッパーはいったい.......開けたのなら交換したい部品です。
シリンダーがとんでもない有様に...........
つい先日の記事でもCBXのシリンダーを紹介しましたが
またしても長期放置しただろう錆びた痕跡、シリンダーに残る染み、段付き
ここをピストンが通過する際にオイルが残りオイル上がりにつながります。
また、圧縮時に混合気がケース内に抜けブローバイガスが増大し、エアクリーナーボックス下部はオイルだらけ、エアクリーナーも下部はオイル漬けになっています。
こんなシリンダーでも組んでしまうのですね、
中古仕上げ時にコストの加減でそのまま組んでしまうのでしょうか???
私の場合はありえないですね、見てしまったら見ないことにはできませんから、その分車両価格に反映してしまってもきちっとしたエンジンにしたいですね。
(今回、予算の関係もあるでしょうからヘッドを開けた時点で「オイル上がりは妥協するならこのまま組みますが」とお伺いしましたがやはり「きちんとやってください」とのご返事、安心して作業ができます。)
さぁて、次はクラッチ
開けてびっくり「スラッジ」だらけ
前オーナーがオイル管理が悪かったのか???
問題のディスク&プレートは......
多少焼け始めています、変色している部分があります。
これまた、開けてもいないのですね、長期放置の痕跡がここにも
クラッチプレートに残る、ディスクの跡(これまた張り付いていただろう、または張りつきかけてた跡ですね)
今回はフルセットで交換しておきたいところです。
ケース側もこんなに汚れています。せっかくなのでカウンターシャフト1stギアのガタもチェック!
走行約40000マイル(64000Km)の割には磨耗していないニュートラルストッパー
海外で信号の少ないところで走っていた車両か?
カムやロッカーアームも磨耗が少ない
前オーナーはおとなしい方だったのか?乗り方でも磨耗具合は変わってきます。
さて、リアブレーキに目をやると
「ん、割ピンがいないどころか短いのか?」
裏側を見るとストッパーボルトが本来横向きなのが縦に向いていて土手に引っかかっているではないですか?????
あまつさえナットが締まっていない!!(ゴムのテンションで緩まないだけ)
裏側で引っかかっている分、表にとび出ませんからゴムがダンパーの役目せず、ワッシャーとなっていたのですね。
これで試乗していたかと思うと「身の毛がよだちますね」
Lカバー内もオイル漏れが多く発生します。(Oリングがたくさん使われています。)
このクランケはケース合わせ目、オイルシール部ににじみがあります。
にじんだところに埃が付着しています。金属粉もちらほら.....
チェーンが太いのでケースを削っているのですね
(最近細いシールチェーンも売られていますから気にする方はそちらをチョイスすると良いでしょう。)
さて、気が付いていますか........
フィキシングプレートのボルトが1つ脱落しているのを.....
洗車時、磨き時にはこのように部品、ビスが脱落、あるいは緩んでいないかチェックしながらおこないましょうね。
やっと本日、エンジンを開けて診断開始。
この車両、中古購入し約1年半経過し、オイル漏れがひどくなりお越しになりました。
ご依頼事項は
「オイル漏れ」 腰上からいい勢いで漏れて流れ落ちています。
※にじみ程度だと「もったいないからもうちょい乗りましょう」と帰してしまいます。
「白煙を噴くことがある」 確かに試乗して加速時などでバックミラーをみるとすごいことに......
「クラッチがすべる」 普通に走っている分には出ず高速走行時などで発生、まだ初期症状か
オイル漏れに関しては最近腰上を開けているようで、組んで増し締めをおこなっていなかったのだろうヘッドを締めるナットが緩んでいた。
「エンジンを組んでハイ終わり!」では無いのですよ~
緩んでオイルが浸透したガスケットは使えません(メタルガスケットは除く)
要交換です。
ピストンリングに注目、オイルリングのエキスパンダの合わせ目のマーキングがいまだにしっかりと残っています、TOPリングの当たりもベタ当たりではなくそんなに距離を走っていないのが伺い知れます。
ガスケット(べスラー製)の状態からも同様に分かるのですが、この磨耗したスリッパーはいったい.......開けたのなら交換したい部品です。
シリンダーがとんでもない有様に...........
つい先日の記事でもCBXのシリンダーを紹介しましたが
またしても長期放置しただろう錆びた痕跡、シリンダーに残る染み、段付き
ここをピストンが通過する際にオイルが残りオイル上がりにつながります。
また、圧縮時に混合気がケース内に抜けブローバイガスが増大し、エアクリーナーボックス下部はオイルだらけ、エアクリーナーも下部はオイル漬けになっています。
こんなシリンダーでも組んでしまうのですね、
中古仕上げ時にコストの加減でそのまま組んでしまうのでしょうか???
私の場合はありえないですね、見てしまったら見ないことにはできませんから、その分車両価格に反映してしまってもきちっとしたエンジンにしたいですね。
(今回、予算の関係もあるでしょうからヘッドを開けた時点で「オイル上がりは妥協するならこのまま組みますが」とお伺いしましたがやはり「きちんとやってください」とのご返事、安心して作業ができます。)
さぁて、次はクラッチ
開けてびっくり「スラッジ」だらけ
前オーナーがオイル管理が悪かったのか???
問題のディスク&プレートは......
多少焼け始めています、変色している部分があります。
これまた、開けてもいないのですね、長期放置の痕跡がここにも
クラッチプレートに残る、ディスクの跡(これまた張り付いていただろう、または張りつきかけてた跡ですね)
今回はフルセットで交換しておきたいところです。
ケース側もこんなに汚れています。せっかくなのでカウンターシャフト1stギアのガタもチェック!
走行約40000マイル(64000Km)の割には磨耗していないニュートラルストッパー
海外で信号の少ないところで走っていた車両か?
カムやロッカーアームも磨耗が少ない
前オーナーはおとなしい方だったのか?乗り方でも磨耗具合は変わってきます。
さて、リアブレーキに目をやると
「ん、割ピンがいないどころか短いのか?」
裏側を見るとストッパーボルトが本来横向きなのが縦に向いていて土手に引っかかっているではないですか?????
あまつさえナットが締まっていない!!(ゴムのテンションで緩まないだけ)
裏側で引っかかっている分、表にとび出ませんからゴムがダンパーの役目せず、ワッシャーとなっていたのですね。
これで試乗していたかと思うと「身の毛がよだちますね」
Lカバー内もオイル漏れが多く発生します。(Oリングがたくさん使われています。)
このクランケはケース合わせ目、オイルシール部ににじみがあります。
にじんだところに埃が付着しています。金属粉もちらほら.....
チェーンが太いのでケースを削っているのですね
(最近細いシールチェーンも売られていますから気にする方はそちらをチョイスすると良いでしょう。)
さて、気が付いていますか........
フィキシングプレートのボルトが1つ脱落しているのを.....
洗車時、磨き時にはこのように部品、ビスが脱落、あるいは緩んでいないかチェックしながらおこないましょうね。