Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

先週の車検車両、延長戦に突入

2020-11-29 07:59:00 | ノンジャンル
キャリパーホルダー分解時にホルダージョイントが外れずシャフトと一緒に動いていた
まぁ良くありがちな固着かと思い分解はプレスで行った。
腐食などは無かったが洗浄時にシャフト部分は磨いて、ジョイント側も内部は確認しておいたが
いざ組むときにシャフトが入らない

シャフトの頭を見ると潰れているように見える


計測、ジョイントに刺さる中間部分は


頭の部分は

太ってますね
外すときに叩いて潰したのだろう、そのために抜けなかったのですね

旋盤で修正


すんなり入るようになりました


スイングアームのピボットシャフトも先端が削ってあり

叩いて抜く際にねじ山を潰してしまったのだろう

マスターシリンダーも耐フルードペイント施工から帰ってきて、フロントブレーキも組み立て


足回りを終わらせて、劣化したゴムパーツを交換

いよいよエンジン調整で完成だ!
まず冷間時にしかできないタペット調整から、
おや、タペットキャップの6角部の角が舐めてるところがある

普通の12角のレンチでは掛からない可能性があり6角のレンチを使う

それでも異常に固く締まっている
舐めないか心配しながら思いっきり力を掛けて緩んだが
良くありがちなオイルが滲むのでぐいぐい締めこんだパターン??
次回外すときに6角を舐めさせる可能性があるので迷わずOリングを交換してくださいね

外してびっくりしたのがネジ部が緑色


これはバフ掛けで使用する青棒という研磨剤


要するにバフ掛けして研磨剤を完全除去してから組むのがセオリーだが
横着してそのまま組んだのだろう
研磨剤がエンジン内に入り込んで良いことはない
こんな微細な研磨剤であればフィルターを通過してしまうだろう

ヘッドカバーにも一部残っている



洗浄するにも本来はヘッドカバーを外して作業したいところだが
不織布のペーパータオルで吸着

うへ~

タペットキャップも洗浄します。

緑色の池になりました

いよいよ調整ですがロックナットがやたら締まっているものがあり
ここのねじ山は細かいので過剰トルクを掛ければ舐めて動きが悪くなる
=調整がし辛くなる、ご注意ください

次はキャブレターの同調調整
ヘッドのビスを外してアダプターを取り付けますが....
#3のビスを緩める際に変な感触、シールワッシャーを見ると...

ビス斜めに入れてるじゃん
斜めなので一部しか当たっていない
まっすぐ入っていれば全面が当たります。(左側)


タップ通して修正、酷ければヘリサート修正か
いずれにしても切削粉がエンジン内に入ることを防がないといけませんからキャブレターを外して養生しての作業となります。
場所的に通常のタップじゃ無理でロングタップを取り寄せます。
土曜日なので届くのは週明け
うまくすれば日曜日納車の目論見は崩れてしまいました。
慌てて合わない道具で作業しての二次災害は回避したいですからね。


うまく時間が空いたので8月にお預かりしていたキャブレターのO/Hに着手



内部は見事な長期放置状態


固着もありますね

無理をすると破損の原因なのでヒートガンで温めながらの作業




今週の車検車両

2020-11-27 11:23:00 | ノンジャンル
クラッチの組み立て
使う新品部品

これとロックナットとノックピン

クラッチプレートBは

外して裏返して使います。

裏側はジャダースプリングが当たっているので端に痕が有りますが問題ありません
ジャダースプリングの当たり面は荒れていても問題無し
ばっちぐーですな


長期放置車ベースで腰下は開けていないと思われますので結構汚れていました。
2000kmくらいでオイル交換を続けていれば内部のスラッジはどんどんきれいになるでしょう
外したパーツは洗浄しました。


組み立てはセカンダリードリブンギアのボルトに緩み止めを塗布して締めて
クラッチアウターを組み
クラッチセンターにフリクションディスクとクラッチプレートをオイルを塗りながら組む
クラッチアウターにセットしたらロックナットで締めるが

ロックナットは裏表がある


ロックワッシャー側は面取りの大きい方


面取りの無いほうが外側


規定トルクで締める


クラッチスプリング、赤いほうが付いていたもの右が純正新品

先日の記事UP後お客様より指摘があり、ピストンはヨシムラが入っているとのこと
乗れば一発で分かるがプラグホールから覗いて堆積したカーボンでバルブリセスの削り部分が良く見えなかった
レーシングキャブなんかも入れてカリカリならまだしも普通に乗る分には純正スプリングでも十分と考える
クラッチは少しでも軽いほうが良いでしょう

組めました


クラッチカバーを被せビス止めしますが
この車両はステンレス製のキャップボルトが使われていて長さが短い

正解     付いていたもの
6x60      6x60    x2
6x40      6x35    x7
6x35      6x30    x1


ここは本来6x35を使う
差し込むとこれくらい出るのだが


この車両は6x30が使われており

ねじ山の掛かりが5mm短いということ
過剰トルクを掛ければ舐める可能性がある
特にキャップボルトは+ビスと違いオーバートルクを掛けやすい
気を付けて欲しい

また、ステンレスのボルトはかじりやすいので焼き付き防止剤などで潤滑したほうが良い

ドライで締めるのと潤滑して締めるのではトルク値も考えなければいけない
滑る分余計に締まる

少なめの設定でトルクレンチで締めました


クラッチの作業をする際にはブレーキペダルを外して作業します。
せっかくなのでブレーキペダルシャフトもグリスUPしましょう
分解時ポンチマークが合っていないのが気になっていた
スイッチスプリングも何やら知恵の輪状態すんなり外せない

ラジオペンチで輪を開いて外す
新品と比較

他車種のが使われていて足りなくて延長したのか?
安いものなので新品に交換させていただく

ブレーキシューの摩耗やハブ側の摩耗で位置をずらさないといけない場合がある
ブレーキアーム側のポンチマークを合わせてペダル側をずらしたようだが

ブレーキペダル側はポンチマークを合わせてアーム側でずらしたほうが良い
ブレーキペダルシャフトの角度が変わり他に影響が出る

今回、グリスを十分に塗布した後で組みたてアーム側のポンチマークをずらして対処

アジャストナットの位置もGOOD


ヘッドライトが緩く両サイドのボルトを締めても簡単に動いてしまう
テスター屋で調整しても検査ラインのヘッドライトの検査まで移動する間に動いてしまうことがある
本来ケースワッシャーにゴムが張り付けてあるがこの車両には無い

ちょっと小細工をして対処


この翌日、車検場へ持ち込み事前のテスター屋で光軸調整
すると「大分右に振ってるね~」と
たしかに大きく外れている
ヘッドライトステーを思いっ切り捻ってさらにハンドルを少し左に切って中心へ
「ハンドルの角度覚えて、検査ラインでも同じ角度でね」と

無事車検は通り

帰ってきて試乗してみると
ステムが歪んでいてまっすぐ走っていてもハンドルが少し右に切れている
「だからかぁ」
ステムは難しいインターネットオークションで散々買ってまともなものが来る確率は非常に低い
修正に出しても戻ったりする場合がある
新品交換が一番
今回はそのまま走れるのでお出ししましょう

ケーブル類の潤滑、タコメーターケーブルを外そうとハンドルを左に切るとパンパンに張っている

通し方間違えています。
ヘッドライトステーの前側を通過していますが、正解は後ろ側

他のケーブル類も同様ですが組む際に無理か無いか確認が必要

スロットルケーブルはスイッチ側も締まっていない

ご注意ください

クラッチケーブルの潤滑はいつもは車体から外してワイヤーインジェクターでワイヤーオイルを通して縦に吊るして余分なオイルを抜くのだが
この車両はクラッチスイッチとタイラップで固定されている

仕方ない外さずに行おう




フロントブレーキをバラしましょう



動き悪いどころか....錆が酷いな

ピストンを抜きます

ピストンはメッキの剥離があります

交換します。

マスターシリンダー
キャップから漏れた?フルードにやられたか、塗膜が剥がれている
アルマイトの上に塗っても剥がれやすいのはたしか、サンドブラストで下地処理して耐フルード塗装をすべきですね

レバーブッシュセッティングプレートが不在

問題はシリンダー内部、洗浄乾燥後に確認
荒れていますね

ホーニングします。何度か繰り返してかなり小さくなりました。
(やりすぎて内径大きくしすぎるとそれも具合が悪い)

早速梱包して塗装業者へ発送

次にリア周り
リアホイールを外してわずかあったガタの確認するも
ベアリングのはめあいが緩いわけでなく原因がはっきりしなくて気持ちが悪い
とりあえず後回し

スイングアームを外し、ピボット部の洗浄、グリス充填のためカラーを抜こうとするが外れない
えぇっ固着??
横から治具を当て叩いて抜こうとしたらブッシュまで一緒に抜けてきた

付いてきたブッシュは固くて抜けずプレスを使って抜いた。
スイングアームに残ったブッシュも外したが内径が小さい!?
全然入らない

試しに新品のブッシュで試すとすんなり動きます

交換しましょ


ゴムパーツの劣化も多い
全てが塗装時に外さずに一緒に塗ってしまっただろうもの
ゴムは塗膜が乗ると劣化が著しい
横着せずに外してペイントして欲しい
またはせっかくきれいになったのだからゴム製品は新品に替えましょう

カラーが入っておらず潰れています


ヒンジ部のクッションが不在




クランクケースのオイル漏れも
腰下は手付かずのようで
ポイント側クランクシール


メインシャフト、カウンターシャフトオイルシール

これらはエンジンを割らないと交換できないので応急的にコーキングしてお茶を濁します。
(時間経てばまた出ますけどね)

お客様の依頼事項でカムチェーンテンショナーセッティングボルト部周辺の漏れ

確認するとオイルチェックボルトにアルミワッシャーが入っていなかった


せっかくなのでセッティングボルトのOリングも交換しておきましょう

これでお客様の作業指示待ちとなります。





今週の定休日はうずまきを病院へ
右目の調子が悪く目ヤニが出るし涙が出ていることもある
見ると右目だけ瞬膜が赤かったりする。
台東区に目が得意な病院があるので行ってみた。
(基本ウチは餅は餅屋と考えます)
結果、ヘルペスなどの場合は完全に治すことは出来ず共存することになるという
体調の良し悪しで症状が出たり出なかったりするという
目薬も毎日定期的にすると耐性が出来て効かなくなるので症状が出てる時だけ行って欲しいとのことで大事にならなくて良かった
院長先生に診てもらったがどこぞの病院みたいに事務的ではなく
聞いたことに答えてもらえウチには良い感触だった。

うずまきはスリッパも大好き

オイオーィ!臭いフェチ!?

11/23

2020-11-23 07:47:00 | ノンジャンル
11/23勤労感謝の日
ええもちろん今日もバリバリ勤労しますよ~
3連休とはいえお客様は誰も来ませんから仕事がはかどります。

ストーブの温かさを覚えてしまったうずまき


つづく

車検車両の続き

2020-11-22 16:44:00 | ノンジャンル
今日のうずまき

「何がしたい!?」


クラッチが張り付いたままでは車検に行けないのでやっつけます。
オイルを抜いて、ステップ、ブレーキペダル、キックアームを外し
カバーを外してリフタープレート、スプリングを外す
ロックナットは傷だらけ

マイナスドライバーで叩いて脱着したのだろう
規定トルクなにそれ?状態だな

見事に張り付いて一体化しています。

マイナスドライバーでこじって剥がします
フリクションディスクの模様に錆びています。

錆びているということは表面が荒れているということ(微細なディンプル)
この場合はフリクションディスク、クラッチプレートと合わせて交換したいところ
また、クラッチスプリングもどこのだか真っ赤な社外品が付いていた。
エンジンはノーマル400のようなので強化する必要はないし純正で十分でしょう。

ガスケット面の清掃、オイルストーン掛けがやりやすいようにキックシャフト、セカンダリードライブギアは外しておきます。

セカンダリードライブギアを固定するボルトは組む際には緩み止めを塗布して組みます。

ふと上を見上げると違和感

スロットルケーブルAが締まっていない



来週の車検車両2

2020-11-21 23:53:00 | ノンジャンル
お客さまからの依頼事項

まず先の記事で②は原因判明

③来た時は普通にエンジンも掛かり症状は無かったが
後に試してみるとセルボタン押した瞬間にダウン
その後復活することは無かった


まずはプラスのコードから追っていく

バッテリーは問題無し


マグネチックスイッチにも12V来ている


ヒューズのアウトプットにも12V来ている


メインスイッチのコネクターにも12V来ていて
メインスイッチも点検し問題ない

ということは電源線(赤)は問題ない

次はアース
バッテリーにワニ口クリップ付きのコードを付けて


シート下のメインハーネスのアースコードが留まっているボルトの頭にコードの先端を当てる
ハイ復活


バッテリーのアースコードはエンジンのマウントボルト部で固定される

ブログ用にテスターでも確認
片方にワニ口アダプターを付けバッテリーマイナス端子に


抵抗測定レンジで導通があると音が出るようにして
エンジンマウントボルト

導通あり(音出ます)

エンジンカバーのボルト

導通なし(音出ない)

先ほどのアースポイント

無論、導通なし(音出ない)

この部分の

エンジンマウントボルトとフレームが接触しアースが取れる
カラーを介してエンジンと接触してエンジン側のアースが取れる
重要な部分
フレームをペイントした場合は必ずペイントを剥いでいる

レンチで確認

グイッ!あ、締まった
と同時にインジケーターも点灯

きちんと締まっておらず少し緩みがありアースが取れていなかったのですね

パウダーコートやダイナモンドコートで当該部の塗装を剥がしても時間が経ってから電装系のトラブルがあったりしてアーシングコードで治ったりする
アース線は非常に重要です。見た目を気にしなければアーシングコードの取り付けは有効です。

クラッチレバーが云々
どれ

レバーを握ると...

暗くなった
クラッチスイッチの接続部をチェックしましょ
ヘッドライトを外し内部をチェック

おぉ本当に全部長くなっている
クラッチスイッチの配線を見ると..
現行のクラッチスイッチが付いていて色通りに繋いである

緑/黄は緑/赤に繋いであったが
黒を黒に繋いであった(本来は緑に繋いで欲しかった)

メーカーさんも在庫数を減らすために共用できる部品で統合しているのだが
この部品の統合の仕方がイマイチ
よりによって他車種のブレーキスイッチと統合させたため配線の色が違う

説明書きが入っているなり、リアブレーキスイッチのように両方黒で説明書入りなら良いのだが....

仕方がないので当店での販売品には注意書きを入れている

一時は黒い熱収縮チューブを被せ両方黒にしたりしていたが手間が上乗せになるのでやめてしまった。

他店で購入したか、当店で購入も時間が経って忘れてしまったか、ヘッドライトケース内の配線処理で外して今回のつなぎ方になってしまったようだ

正規の繋ぎ方で試すと

よっしゃ、OK!!


さて、初めての車両で試乗なしでの作業は無理
また、マスターシリンダーの塗装も依頼事項
外注に出すため早めに試乗済ませてさっさとバラしたい
とりあえず最低限車検に通るようにして
後整備で進めるようにしよう
ただでさえ来週は月曜も休みで日数が少ない

ヘッドライトリレーが組まれているが電装系のトラブルに関わっているかもしれないと外してあったコードをバッテリーに接続

繋いでる最中にリレーからジリジリ音が出ている

なんかやらかしてるな!

ヘッドライトにソケットを差し込み確認
HI...点かない


LO...点くけど暗い

共にリレーの作動音(カチッ)が無い

このリレーハーネスは本来リレーがヘッドライトの中に入るもの(だと思う)
邪魔なのでお客様がDIYでIGコイルの前に移動したもの

確認

バッテリーからのコードが本来は二股で両方のコネクタの同じ場所にいるはずが
片方のコネクターにしか繋がっていない
「参ったな」
当店で使ってるデイトナ製のリレーハーネスのコネクタの配線と見比べる

あぁめちゃくちゃ
作ってから作動確認してないでしょう
リレーハーネスを一度外してばらしてやり直さなくちゃ無理
その手間を考えた場合、デイトナさんの製品を買ってもらったほうが割安

これなら¥6000+税です。

憂鬱だった電気周りが解消したので一安心

車検証を見てたら不安なことが
車検証上はF2の寸法だがハンドルは社外品で少し低いし幅が足りないような

お預かりしたときに車両の寸法を測るのを忘れていた。
万一合わなくて構造変更で横浜まで行ってられないし
類別、区分の数字がマス内に無くなってしまうのを嫌がる人も多い
(構造変更すると備考欄に移動してしまう)

果たして
全幅は+-2cmまでOK、車検証は78cm

アウト!!2cm足りません

全高は+-4cmまでOK、車検証は108cm

なんとかクリア

これは左右スイッチを1cmずつ外側に移動するしかないですね

さて、明日はクラッチの張り付きの作業をして車検に持ち込める状態にまで持って行きましょう