Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

もう大晦日

2007-12-31 20:27:00 | ノンジャンル
結局、最後の最後までばたばたで
やっと年賀状が出来上がりました。
あとはひとっ走り本局に置いてくればOK!
だいぶ遅れて届きますがお待ちくださいね
(今年もCB400F、CBX400Fと2ヴァージョン用意しました。)

大掃除も出来なかったので元旦早々片付けですね~うるうる....

さて今年最後のお題は「キャブレター」

BBSで質問があったキャブレターです


Oリング類はみごとに硬化してもはや機能していません
フューエルジョイント部はガソリン漏れの原因にもなります。


ダストプレートB お手製の分厚いアルミ製のものがついていました。
本来は薄いステンレス製でリンクが外れることを防止するもので、
これでは同調調整時にバランスが取れませんね


腐食が酷いとメインジェット差込部が崩れているものもあります
Oリングの隙間からガソリンが漏れると混合気が濃くなることに..


これは酷い、アームが折れて木ねじで留めてありました
先端にもクラックが.....酷いおっつけ仕事です。


状態があまりにもで、これでは本来の調子を発揮できませんね

また、他のキャブですがこんな症例も

良くありがちですが、ニードルジェットを外して掃除していない!
これでは側面の穴がふさがって調子が悪いのは当たり前ですね
メインジェットだけ外して掃除してハイ終わりではダメですよ~



オーバーフローチューブもただついているだけではダメです
ちゃんと潰れていないかチェックしましょう


タイラップで締めてあり、2本は完全に潰れていました。
オーバーフロー時にエンジン内部に流れて行きますよ~

今年もひとかたならぬご愛顧を賜りましてありがとうございました
来年もよろしくお願いいたします

シオハウス

遅延予告?

2007-12-28 11:02:29 | ノンジャンル
今年も残すところあとわずか
早いところはもう大掃除を始めているのではないでしょうか?
「おとうさん、頑張りすぎて腰をやらないように気をつけてね!」
超寒い昨今、身体が固くなっているので慣れない動きに身体が付いて行かない事もあります。

さて、当店はというと、ショールームもぐちゃぐちゃのまま、大掃除も出来ずに正月突入決定!
また、年賀状もまだこさえていない始末。
かといっていままでやってきたので今回のみ手を抜く訳にはいかないので
遅れてでも良いものをと思っています。
たしか去年も云ってたような.......
ただし、今回は発注ミスで光沢紙ではなくインクジェット紙になってしまったのでがっかりしないでくださいね
また、お客様の数がかなり大勢いて、年賀状も数に限りがありますので、
基本的には今年、修理(内容にもよりますが)にお越しになった方がメインとなります。

お休みは
12/30~1/5となります。

ただし、メンテナンス中に急に部品が必要になったなどのときは
メールで連絡をお願いします。(電話は一切出ません)
普段と違い、頻繁にチェックは出来ませんが出来る範囲で対応はいたします。
大型連休中に作業していて部品が無くて途中で頓挫する悲しみを知っているので.....




CBXのカムホルダー

2007-12-27 12:40:49 | ノンジャンル
先日の記事でカムホルダーの話をしましたが
ちょうどお預かりしたものがあるのでサンプルに載せました。
「エンジンを組んでクランクが回らず、カムホルダーを緩めると回るようになる」
とのこと、実際にお預かりして確認すると10箇所中、7個が違うヘッドのもの

このようになるとお手上げで、1~2個くらいなら「とりあえず」の修正でお茶をにごしたりしますが、あまりに多いと精度が必要なので「ラインボーリング」をすることに
この場合できる内燃機屋が限定されること、加工費用も高額であることから
別なヘッドを見つけることを薦めます。

違う組み合わせ:
合わせ目がずれているのが分かります。指で触るとあからさまに....


本来はこのように真円になります。


この部分のヘッド~カムシャフト間のクリアランスは
標準値で0.02~0.06mm位(IN3,EX3除く)、使用限度でも0.1mmと
シビアな部分です。
オイルラインからオイルを供給しオイルクリアランスで金属同士の摩擦を防いでいるものです。焼き付けばヘッド、カムシャフトともに使い物にならなくなります。

12/29更新
お客様手持ちのホルダーをすべて送ってもらい
すべてチェックします
あからさまにずれているものは除外し
よさそうなものは計測し判断します。

今回はプラスチゲージを使います。

ゲージを適度な長さに切って、カムに乗せ、ホルダーをかぶせて規定トルクで締め付けます。


潰れ具合でクリアランスを計ります。
10箇所中一箇所のみがこのヘッドに元々付いていたものが無く修正が必要になりました。
手前側のほうが潰れて広くなっていますね、こちらのクリアランスが少ないのです。
カムを回しても抵抗がありスムーズに回りません

(中略)カムホルダーのクリアランスが少ない方を修正します。
磨いては合わせ、計測を繰り返します。


均等にクリアランスが確保できました。


カムシャフトも指でスプロケットを回すとすんなり回るようになりました。


余ったカムホルダーの山、
こんなことにならないように、ヘッド単体の保管時はカムホルダーを装着したまま保管しましょう
また、手に入れるときはセットになっているものを購入しましょう
いいかげんなものが付いていることもありえますので
事前にカムを組んでテストしてから使いましょうね!

マフラーの水抜きの重要性

2007-12-26 17:26:59 | ノンジャンル
エンジンの燃焼で排出される「排気ガス」
主な成分は窒素、水蒸気、二酸化炭素となっており
そのために純正のマフラーは内部に溜まった水を排出する為の
水抜き穴が開いていることが多いのですが、
詰まった場合、逃げ道が無く出口から出きらないものは内部に残ってしまい
マフラー内部を錆びさせてしまったりします。

たとえば当社のテスト用のマフラー(CB400F)
このサイレンサー水抜きが詰まっているのですが
少し、エンジンのテストをしたらこのありさま
意外と水が溜まるものです。



水抜き穴が貫通しているものは、そこからどんどん出て行きますから
最後にマフラーの熱で完全に乾くのでしょうが
溜まっていたらそれは望めません

定期的に水抜き穴のチェックもしたいところですね。
楊枝や針金で突付いてみたり、コンプレッサーがあればエアブローしてみたり

場所は次の通りです。

CB400F(バンドの少し後ろ)


CB350F(各マフラーに1箇所ずつ)


CBX400/550F(サイレンサーの付け根)


マフラーメーカーさんも内部隔壁の溜まりやすいところに水抜きを設定しているようでCBXあたりはその側面あたりが腐っているものも症例としてありました。



ノーマルマフラーのCBX

2007-12-26 01:29:09 | ノンジャンル

CBXをノーマルマフラーで乗っている方ってかなり少数派だと思いますが
当店のお客様では、覚えてる範囲で6台はあります。
二台並んでいることは珍しく、思わず写真を一枚
管理が悪いと中から錆びてきて穴が開くことが多いので、注意したいですね

右に写ってるCBX400FF(Ⅱ型)、5年ほど放置した車両です(屋内保管)
エンジンを掛けるに当たり、そのままセルを回すようなことはしません
長期間の間にオイルが落ちており、いきなり回してかじりなどのトラブルを誘発することは避けなければいけません
ヘッド周りはヘッドカバーを開けて潤滑出来ますが、
クランク周りはやりようがありませんね
特にメタルまわりのトラブルが多いCBXの場合はなんとかしたいところです

というわけで製作したのが「プレオイリングシステム」
事前に油圧をかけ各部にオイルを供給するもの


フィルターに供給するためゴミまでラインに回ることはない


ゆっくり油圧を掛け末端よりオイルが出始めればOK

市販品でこのようなものも
http://homepage3.nifty.com/ZIP-START/index.htm
見た目ごついのですが、一部のCBXのように油圧が掛かるまで音が出るような車両にはもってこいでしょうね。

走行約9000KmのCBXは永い眠りから覚め、しずかなアイドリングを始めました。
長期放置の場合、シリンダー内壁の錆び、ピストンリングのスティック(固着)で白煙をもうもうと吹く場合もあるのですが、今回はそれも無く良い状態でした。
もちろんキャブレター(内部腐り)、ブレーキ(シール、カップ類の交換)はフルO/Hしました。