Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

デマに注意!

2010-04-29 11:25:00 | ノンジャンル
当店スタッフが車検場のラインで並んでいると見知らぬおっちゃんから声を掛けられた。
CB400Fのショート管を指差し
「あんちゃん、このマフラーは車検通らないよ!」と、
それどころか、パンフレットまで持って来た。


なにか勘違いされていたようです。

このような新しい規制が施行されると
いろんなデマが飛び交うものです。

今回も事前に仲間の業者から
「マフラーのバッフルがリベット留めじゃ無いと通らないよ」
なんて話が出ていたのですが
あまり気にせずにいました。

パンフレットをよーく見ると
「22年4月以降に生産される.......」
としっかり書いてあります。

旧車の場合は差し当たり音量さえオーバーしなければOK!
マフラー出口から後方45度以内、50cmの位置で
たとえばCBX400F/CB400Fあたりだと
最高出力発生回転数の半分まで回転を上げて
測定音量は99dBまでとなります。
「JMCA」付きでも内部の劣化、カーボン堆積などで消音効果が落ち数値をオーバーする場合があります。

「狼少年にならないよう気を付けたいものです。」

当店でもオリジナルでバッフル(60Φ用)を販売していますが
(STD20Φ、レーシング23Φ、25Φ、各¥7350-)
これまでは最小が内径20Φの「STDタイプ」でしたが
新たに18Φも製作してみました。
若干抜けは悪くなりますが、音量減少、トルクUPなど期待できるかなと感じています。



HPの更新でパーツはNetShopに移行してまだまだ全商品UPできていなく
オリジナルバッフルもしばらく消えていました。
近日中にUPしておきます。

また、フィーリング、音量など確認できるように
「試着サンプル」をご用意しています。
直接当店にお越しになれる方限定ですが、試してから購入が可能です。
(※着脱はご自身で行ってくださいね)

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ネタ提供ありがとうございます。

2010-04-27 21:17:00 | CBX400F/550F
お客様よりお電話があり
不要なエンジンを引き取って欲しいとのこと
当店としてはどんな些細なパーツでもストックして置きたいため、
また壊れ方によってはブログのネタにもなりますので
返事はもちろん「ハイ!」か「イエス!」しかありません(笑)

その後このようなメールも頂きました。
「いつもブログを拝見させている事に対して店主様の「ありがとう御座います!」のお言葉に先ずは感動致しました。
お言葉に甘えて着払いで発送させて頂きました。
使えるかわかりませんが400ピストン、コンロッド、シリンダーも同梱してあります。
私としましては日ごろ店主様のブログを拝見させて頂き、その内容で勉強し、自身で整備、作業する時には工具の扱い一つから細かに神経を使うようになり、所有しているCBX自体もおかげ様でトラブルも無く快調です。
授業料を払っても惜しくない程のブログだと思っていましたので何かお役に立てばと思い部品をお送らさせて頂いた次第です。
走行距離2000kmの国内550Fエンジン(長期保管)を所有していてこのエンジンを「シオハウス」様でO/Hして頂くことが今後の目標ですので資金が溜まった暁には宜しくお願い致します。
また程度良好?国内398ヨンフォア(残念ながら書無)も有り、こちらも店主様に見て頂き、良ければ書付フレームに組み替えて復活させたいです。

PS、磨り減り形が無くなっているメタルも同梱致しました。○走が酷使したであろうこのメタルを「臨床例」ネタに使って頂ければ幸いです。(笑)」

このようなメールを頂くのはメカニック冥利につきますね~

さて、集果コンテナに入って届いた荷物がこれ!

腰下がメインになります。

コンロッドメタルが焼き付き、音が出てもなお回し続けた「男らしい」エンジン(爆)

メタルは完全にぺらぺら~です。上下に動くたびに叩かれて脇にはみ出てリブが出来てしまっています。
ピストンもシリンダーヘッドと激しく当たりっぱなしですから
当たっている部分は金属の地のままですね。

ここまで来るとすでに「打音」(ガチガチ音)がけたたましく出ているはずですがお構いなしだったのでしょうか?
その神経が信じられません!?

側面にも金属粉が焼きついています。

他のシリンダーもまともではいられません

ここは完全に焼きついています
油膜切れのようですからオイルが少ない状態、入っていなかった可能性が高いですね。

他のコンロッドメタルの状態

地の銅下が露出し剥離も起こしています。

ひどい!

金属粉が出れば、オイルポンプも漏れなく逝きます。

トロコイドのローターも傷だらけ

普段、口頭で壊さないように気を付けるように云っても
なかなか危機感を感じてはくれません
このように画像でどんなことになるか見てもらったほうが
何倍も説得力があると思います。
(このブログを始めたのもそのためなんですが)
このようなネタの提供は本当に助かります。
当該車種を乗っている読者の為になりますね。

それでも、ケースに付いていたオイルパスキャップやスリッパーの受け
ボルト類など
使えるものはそれなりにありましたので助かりました。
ありがとうございました。

ところで先日のダンボールの荷物、いまだに提供者がわかりません
早く名乗り出てくださいね。

[重要保安箇所]ブレーキ周りは定期的にメンテナンスして欲しい!

2010-04-26 19:29:00 | CB400F/350F
車検でお預かりしたCB400F
この車両も距離乗っています。
レストア済み車両を購入し、今回こそ距離が伸びていませんが
前回の車検までは年間9000kmペースで乗っていたようです。



ブレーキキャリパーを診てみると.....
むむむ....塗膜が浮いている

こんな時はだいたいブレーキオイル漏れが起きています。

パッドを外すとしっかりと濡れています。

パッドにブレーキフルードが染み込むと洗っても落ちません
交換するしかないのです。

ピストンもこの有様。

キャリパーのシール溝が荒れている場合はピストンシールを新品に交換しても漏れる場合が多いのです。
ピストンも簡単に錆びてしまいますから
キャリパーのメンテナンス(点検、清掃、パッドグリスの塗り替え)は2~3ヶ月に一度位のスパンで行って欲しいものです。

購入してからオーナーさん自ら幾度か分解整備しシール類を交換されているそうですが
キャリパー内部にはブレーキフルードが変質結晶化した物質がこんなに...


もちろん一通り、洗浄して
純正セットで組み上げます。

パッドは純正品、社外品など色々出ていますが性能は値段相応のようですね。
パッドグリスも純正で2種類出ていますが、こちらの「スーパーパッドグリス」これもちと高いですが良い塩梅です。

次にマスターシリンダー
キャップを開けるとタンクの中にも結晶化した「ヤツ」がたくさん潜んでいました。

ダイヤフラムにもこびりついています。

インナーキットのブーツを外すとこの有様、大体中身も想像できます。

ピストンのシールにも結晶化した「ヤツ」がびっちり...

この固形化したものがマスターシリンダーの極細のリターンポートに詰まるとブレーキの引きずり、ロックといった原因となります。

ブリーダーバルブも見事に詰まっていました。


読者でブレーキ周りほったらかしの人へ
たまにはマスターシリンダーのタンクを覗いて見なさいね
酷いことになっていたら対応を具申いたします。
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車両お引取り

2010-04-26 00:00:00 | CBX400F/550F
4/20の記事「ワンオーナー車CBX400Fの総合点検」のCBX400F
やっと完成して本日取りに来て頂きました。
内容的には
総合点検
ヘッドカバーパッキン、マウンティングラバー交換
プラグ交換
マフラー(中古良品)交換
インシュレーターマニホールド交換
エアクリーナー交換
ステムベアリングセット交換
フロントフォークダストシール交換
フロントブレーキO/H
(マスターインナーキット、キャリパーシール類、ブーツ交換)
リアブレーキO/H
(マスターインナーキット、キャリパーシール類、ブーツ、ピストン交換)
スイングアーム、クッションリンクO/H
(カラー、シールキャップ全交換)
メーター分解給油
クラッチO/H
(フリクションディスク、スプリング、クラッチケーブル交換)
オイル交換
などなど
この車両も機能面を中心にリフレッシュいたしました。
しかしながら、実走50000km以上走っている車両ですが
某オークションなどで購入して持ち込まれる前歴不明な車両よりはるかにコンディションは良く
これまでにテンショナーブラケットの交換も無いということなので
オーナーさんがいかに愛情を持って大事にやさしく乗っていたかが解ります。
これまでメンテナンスをおろそかにした分、費用は掛かってしまいましたが
これからは定期的にメンテナンスを行い、良いコンディションを維持するようお願いいたします。

お約束どおり、引渡し前に試乗していただき、ご満悦のオーナーさん。


51000kmオーバーのメーター。


懐かしいステッカーがたくさん.....


マフラーもこの通り、(静かになりました。)


リアマスターもO/H時にロッドを再メッキ(クロメート)、きれいになりました。

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いい加減なおっつけ仕事

2010-04-25 22:45:00 | CBX400F/550F
このようなメールでの問合せを頂きました。

「お忙しいところ恐れ入ります。
CBX400Fカムホルダーの修整をお願いしたくメールさせて頂きました。
状態としまして元々ヘリサート加工がしてあったようですが、当方がヘッドを開
けたさいに
リコイルの下穴?と言いますかタップを切ってある所からリコイル自体が抜けて
ヘッドカバーボルトについてきてしまいました。その後自分でもリコイルを挿入
してみましたが、
下穴自体が大きいようで抜けてきてしまいます。
現物を見ていただいていずれかの処置をお願いしたいのですが、郵送で送らせて
いただいていて宜しいでしょうか。
ちなみに抜けてしまったのは一か所ですが他3つのホルダーも同処置がされてい
るようなのでそちらも同時にみていただいて、そのまま使用すべきかのちのち同
じような事になりそうでしたらそちらも処置をお願いしたいとおもいます。
長くなりましたがご返答お待ちしていますので宜しくお願いいたします。」

先日の記事でも書きましたが
CBXのカムホルダーを他のヘッドから持って来て交換することが
出来ると考えて居る方がいまだに多いということ
何故交換が必要になるかというと
ヘッドカバーを固定するネジ山が存在するカムホルダー
EX2,EX4,IN2,IN4
このネジ山があがってしまったり、クラックを入れてしまうことが多いのです。
基本的にトルク管理をせずに過剰トルクで締めてトラブルを起こすことが多いのはこれまでに何度も書いていますね。

さて、今回のメールの件
早速送ってもらったのですがとんでもないことになっていました。

まずは検証です。
とりあえずボルトを通してまっすぐに穴が開いているかのチェックです。
(解りやすいように縦縞模様のノートをバックにしています。)


説明することも無いですね、言葉がありません。

次に穴の状態の検証です。
ヘリサートを抜いて穴の径を確認します。

次にヘリサートタップの径を測ると

穴の方がはるかに大きいのがわかりますね!ゆるいわけです。

さらにネジ山を良く見ると酷い状態
裏側からねじ山を見るととてもピッチ1.0には見えず、もっと粗い感じがします。

ヘリサートタップのピッチ(1.0)と比較すると妙に......

本来は「ピッチゲージ」という専用工具でピッチを測定します。

たとえばヘリサートタップ(M6x1.0用)、ほら1.0でぴたりですね。


ところが穴はゲージが入らないサイズ!
そこでおそらく..だろうと思ったM8x1.25のタップを入れるとすんなり奥まで入りました。


どういうことかメカに詳しい方なら解るかと思いますが

修正時にうっかりM6X1.0用のヘリサートタップを使わずにM8X1.25のタップでネジを切ってしまった。(確信犯ならそうとうお馬鹿です。)
あまつさえ、へたくそでまっすぐにネジが切れなかった。
ピッチが違うことに気が付き
M6X1.0のヘリサートタップでその上から切りなおした。
うまくいかずに穴まで大きくなってしまった。

こんなところじゃないでしょうか?

問題はこの状態からの修正をどうするか?
カムホルダーのこの部分は肉厚が少ない部分もあり
うまくやらないといけません

内燃機屋と相談して決めることになりそうです。

このような万一失敗したら困る部分は慎重に作業しなければいけません
おっつけ仕事は後の代償が大きいのです。
今回はオーナーさんが手に入れる前に行われていたものなので
泣くに泣けませんよね。

気を付けたいものです。