Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

車検車両、他

2023-03-28 12:30:25 | 作業日誌

今週の車検車両のCB400F

ツッコミどころ満載の車両だがカメラをどこかに置き忘れ途中までの画像が全くない

この置忘れも最近では頻発しており

普段置く場所に置かずにふっと変なところに置いてしまう、結果探すのに膨大な時間が掛かってしまうことになる

下手すれば半日探し物なんてことも

さて、車検車両は今回フルメンテナンスの回だが

2年で300km程度、4年で700km程度と走行が非常に少ない

自分的には

「摩耗させない、減らさない」という観点から

潤滑に重点を置いている

ワイヤーオイルのように柔らかい油脂の場合は時間で落ちてしまう

普通の粘度の高いグリスなら低走行ならグリス切れは起こしていない

場所により、使用するケミカルにより、次回までの予想走行距離より潤滑頻度は調整している

普段から走行が少ないということで通常の車検整備(4カ月点検)+フロントブレーキ全バラ洗浄とした

また、依頼事項でホイールをハヤシキャストに交換(8カ月待ち!)

ウオタニSP-Ⅱフルパワーキットの組み付けが含まれる

予定週は予定が多く時間がカツカツなので

日曜日から作業開始(コロナで店頭営業休止して土日の作業も常態化していて、店頭営業再開後もお客様が集うことも無く作業を継続)

ホイール交換から始めた

スポークホイールからキャストホイールに交換する際はタイヤも合わせて交換してもらう

自分的にはエアー漏れが心配のため

スポークホイールのリムにはタイヤの回り止めがあり、外したタイヤにも跡がくっきりと残っている

これでエア漏れでも起こされて重大事故でも起こされたら困ります。

実際リムの腐食箇所からエア漏れしたのを見ているというものある

がお客様の希望によりタイヤは使いまわすとのことなので、タイヤ使いまわしに起因する事故トラブルに対しては自己責任という一筆を頂いた。

口約束だと当人は納得していても、万一亡くなった場合に家族は納得しないでしょうからね

 

次にフロントブレーキ、マスターシリンダーはAP製

なにやら奥に堆積物がみられます

 

ブレーキスイッチ、BRCさんのカニ印のもの

スイッチ本体のねじ山はM7、スリーウエイジョイントのねじ山はM12

変換用のアダプターが付いているのだが分解時にこのように分離してしまうことがある

分解洗浄をするため外さざるを得ない

また、このように本体のネジ径はM7と細いので締め付けトルクを考えて締めること

 

ダブルディスクなのでキャリパーは2つ

ともに堆積物があります

指で触るとじゃりじゃり

 

右側のピストンは表面に膜みたいに汚れが付着

中性洗剤を使い洗浄し、乾燥後に結晶のチェック

 

それなりに付着しています

専用の工具を駆使して除去、シール溝の裏側はデンタルミラーを使いながら丹念に除去します。

ブリーダーバルブの穴もタップを通してねじ山の清掃を行います。

 

妙に長かった上側のブレーキホース

ちょうど良い長さのホースに交換

アルミのフィッティングは経年で割れることもあるのであまり好きではない

ステンレス製のものを主に使用する

 

ドライブチェーンとスプロケ前後の交換も済ませホイールを組んで足回りはほぼ完了

 

お次はウオタニSPⅡフルパワーキットの取り付け

 

しかしまぁ配線の処理がイマイチ美しくない

IGコイルの後ろ側にはヘッドライトリレーハーネスのリレーとアースコードが共締め

前方にはアーシングケーブルとホーンのアース線が共締め

ウオタニSPⅡコイルに交換した場合IGコイルへのアーシングは不要と考える、共締めのアース線のアース取り用でしょうか

ただし、ウオタニSPⅡコイルで同じように共締めしてもダメな場合がある

アルマイトが掛かっているアルミ製品は電気を通さない

ちなみにアルマイトが掛かっていない生地のアルミは通電する

コイルの鉄芯も黒くペイントされているのでアースは取れないだろう

そこで前後のボルト間のアーシングケーブルを作成しましょう

ヘッドライトリレーハーネスのリレーの固定部は樹脂製なのでコイル固定ボルトとの共締めは避けたい

ステー側が長穴なので下側にロックナットを使用してする

アンプを置きたい左側内部はブレードタイプのヒューズBOXが鎮座している

何故コネクターが前方を向いている??

ん?右側のレクチファイヤーのコネクターの配線も前から

この2つのコネクターが付くメインハーネスの枝線の取り回しは国内向けサービスマニュアルには載っていない

海外向けにはしっかりと載っている

ストップ&テールライト、ウインカーの枝線と一緒にエアクリーナーケースの左側を通して

リアインナーフェンダーとエアクリーナーケースの隙間に入れるのが正解

もちろん正規の取り回しに変更する

 

またエンジンのてっぺんから出ているブリーザーホースがここで切れている

オーナーさんが以前サーキット走行した際にレギュレーションに合わせブリーザーホースの端をキャブレター吸入口に向けていたのだろうか

(間にキャッチタンクが必要だが......)

これも周辺がオイルミストでベタベタになるだろうから長いものに交換する

 

リアフェンダー上の配線も美しくない

正規の取り回しに変更する

スッキリ~♪

アース線をM6のボルトと共締めにしてあったがボルトの座面のフレーム側の塗膜が剥がれているのがアースが取れる条件

塗膜がしっかりしているとアースが取れない

メインハーネスのアース線(緑線)に繋ぐのが間違いない

本来カバーですっぽり隠すのだが左ウインカーの配線が短くこれが精いっぱい

 

左右スイッチのハーネスも正規の取り回しに変更しネック周りもすっきり

 

キャブ上の配線類もまとめてすっきり

白く太いコードが前後のボルトを繋ぐアーシングコード

片方のボルトにバッテリーマイナス端子からのアーシングコードが伸びているので

どちらにもアース線が繋げます

 

ウオタニのアンプも専用ステーですっきり

このステーはNetShopではSOLD OUT中

当店での作業用に確保しているものを使用

レーザー加工物は加工業者入れ替えのため今しばらくお待ちください

 

完成しました

 

 

 


CB400F復刻マフラー プロト品到着 更新あり

2023-03-24 20:19:51 | 作業日誌

お待たせいたしました

CB400F復刻マフラーのプロト製作品を三恵技研の企画者が直接持って来てくれました

もう量産に入り、出荷は4月末~5月初旬の予定

ということで明日以降に仮予約を頂いていたお客様には確認のメールを差し上げます。

 

組み立ててみました

店主の自家用車に取り付けてみました

 

 

さて、取り付けに当たり注意事項としては車両自体が約50年前の車両でその間に転倒などもあるでしょう

フレーム右側のブラケット部分が内側に入っている車両もある

398またはヨーロッパ向け輸出車はフレームとマフラーの間に板状のステーが入り自由度があるが

408の場合はフレームのマフラーブラケットに直付けのためマフラーの角度が内側に入りすぎてアクスルに干渉する可能性や

ブレーキペダルが転倒により内側に入り踏んだ際に集合部と干渉することもある

この場合はブレーキペダルを修正するか、新品(リプロ)に交換する必要がある

 

NetShopに掲載しました

https://shiohouse-net.shop-pro.jp/?pid=173765653

仮予約頂いているお客様はこちらで処理しますので、NetShopからは注文を入れないようお願いいたします。

初回ロットは数に限りがあり仮予約者すべてに行きわたらない場合があり、2ロット目までお待ちいただく場合があるのでご了承ください

 

現品を見たいお客様にもお見せできるようにしておきます。

来訪する際は出来ればアポ取りしてからお越しください

現在、急な臨時休業や開店遅延、早仕舞いなどの可能性もありご迷惑をお掛けしないようお願いいたします。

 

 

 


店主の身体のメンテナンス(バイクネタじゃないので興味ない人はスルーしてください)

2023-03-21 17:34:33 | 病気自慢(人の振り見て我が振りなおせ)

昨日は胃と大腸の内視鏡検査に行った

毎年受診しているのだが去年は忙しくて時間が取れず2年振り

直近で2連続でポリープを切除しているので今回も間違いなく切除だろうと覚悟はしていた

掛かりつけの病院はポリープ切除の場合はお泊りになってしまうので2日みなければいけない

本来ならば火曜水曜定休に合わせたほうが良かったのだが最短で20日月曜日があり、翌日は定休日の火曜日だったので選択

それでも1/31に予約入れているので1か月+20日先だったということ

空いている病院よりは混んでいる病院のほうが安心できる

前日から食事制限が入り、当日の朝は具の無いスープ、具の無いゼリーは可というが面倒なので朝食は抜いて行くことにした

病院に着いてまずやることは梅味のポカリスエットみたいな味の下剤を延々と飲み腸内をきれいにすること

トイレに行く度に看護師さんを呼んでチェックしてもらうのだがなかなかきれいにならない

後から来た人のほうが先に検査に行ってしまうほど

3時間ほどかかってやっとOKが出て検査着に着替えていざ検査

直前に安静剤を注入されて気を失うわけだが

回を重ねるごとに途中で目が覚める時間が早くなる

前回も胃の時は記憶が無いが大腸の時に途中で目が覚めモニターでLIVE映像を見ていた、ただ内視鏡がぐりぐり動くのとエアーを入れたりしているので違和感がすごく気になった

今回も同様で途中で目が覚め映像を見ていたが内視鏡の違和感はあまり感じなかった

結果1個要切除のポリープがありドクターから「切除しますね!」に「はい」と「イエス」しか言えません

お泊り決定です。

ここの病院では事前に泊まる場合の部屋の希望順位を申請する

大部屋は無料だが、3人部屋、2人部屋、個室と差額ベッド代が掛かる

今まで個室だけはさすがに「希望しない」にして順番書いていたが毎回大部屋だった

今回は2人部屋に通され慌ててお財布を確認(1日¥8800、一泊なので2日分で¥17600....ガーン!)

この日はどうやら混んでいたようです。

希望した部屋が空いていなくて、ポリーブ切除を断念も後日改めて仕切り直しもいかがかと思うので仕方が無いですね

ただ、同じ部屋の相方は居なかったのでほぼ個室状態なので他人にいびきで迷惑を掛けることが無く気が楽でした

時間を持て余すだろうとタブレットを持って行ったがWifi環境ではなく LAN端子があるだけ

うわっ使えないじゃん

スマホでYoutube見て時間を潰しました。

21時前には寝落ちして、7時前に目が覚め10時間近く寝れたので「寝貯め」出来たかな(笑)

朝食はポタージュスープのみ

9時半くらいにチェックアウト

自宅でシャワーを浴び体重測定

普段89kgが87.2kg!1日の断食+下剤で約2kg減少

退院後は昼、夜とお粥のみなのでもう少しいけるかな

これで運動できればさらに期待できるが

安静にしておけと言われているので今日は墓参りとNetshopの方をやり、空いた時間にブログを書いています。

こんな毎回要切除サイズにポリープが育つのだからやらないでいたらどうなるんでしょうね

大腸がんで亡くなる著名人も耳にしますしやれることはやっておいた方が安全ですね

なにせ病気になることをお客様が許してくれませんから~

 


車検車両

2023-03-19 23:12:52 | 作業日誌

この車検車両は諸事情により長期間乗っていなかったという

実際4年間での走行距離は約300km

積載での入庫となったが、来る前にエンジンを掛けようとしたら掛からなかったという

話では最後にエンジンを掛けたのは3~4カ月前?

とりあえず空気圧のチェック

フロント

リア

リアのほうが減っていましたね

 

気になるのはガソリン、冬場は劣化スピードは落ちますが微妙な放置期間

ガソリン自体はそれ以前に入れているでしょうから劣化していてエンジンが掛からなかった可能性は濃厚

タンクキャップを開けて臭いを嗅いですでに微妙な臭い

キャブのガソリンを抜きます

適当なスリムな樹脂ボトルを加工したガソリン受け

ちょうど1キャブ分キャッチできます。

色、臭いともNGです

これではエンジン掛からなかったのも納得

タンクのガソリンも合わせて抜きます

黄色がかっています

錆があるようですね

なるべくリザーブにはしたくないですね

 

試乗と車検場内を走れる程度のフレッシュガソリンをタンクに投入(もちろんコックONで走れる量)

プラグのチェック

全部濡れていました

劣化したガソリンでは燃焼しないためプラグが濡れてしまいます(かぶる)

無理にセルを回し続ければプラグが死んでしまいます。※イリジウムなんかは一発で終わる

例えば普段でも乗るスパンが短ければ始動時すぐにエンジンが掛かるが

数週間とか開いてしまうと掛かりが悪くなってしまう

ガソリンがどんどん劣化するためです。

古くなったガソリンの処分は大変で業者に頼むと結構高い、まだ燃えるうちに四輪や2サイクルのスクーターに入れてしまったほうが良いですね

当店でも社用車のジャイロキャノピーが2サイクルの頃は助かっていましたが、現在の4サイクルの同車両ではさすがに無理なので業者に依頼している

 

バッテリーも怪しいため外し充電して店のテスト用バッテリーを装着

 

エンジンを始動して充分に暖機後、作業前の試乗へ

特に問題は無く調子は良い

 

帰ってきてから点検整備作業開始

前回フルメンテナンスを行っているので今回は通常の車検整備

とはいえタイヤ交換のため前後ホイールは外すので、ホイールベアリングのチェックとブレーキシューの残量のチェックも行う

F11/K87からTT100GPに変更

もちろんオゾンクラックの件は説明したがTT100のパターンが似合うということでご指定

フロントブレーキはパッドグリスの塗り直し

パッドを外すと......

「なんじゃぁ~!?」

フルード漏れでびしょびしょ

ディスクの当たり面も下側1/4くらいは濡れています

キャリパー側は...

なんとまぁ

 

フロントブレーキスイッチが壊れていて交換が必要なのでフルードを抜き、合わせてピストンを外します

ありゃ、1周白い帯がありますが磨くときれいに消え

キャリパー側は外して水洗い~乾燥するとシール溝に結晶がわずかに堆積

ピストンの白い帯が悪さしたか、キャリパーのシール溝の中が幾分荒れているのと堆積した結晶が悪さしたか?

今回はピストンシールのみ交換で様子をみましょう

 

バッテリーが充電完了したが充電器のインジケーターが怪しい

問題無ければ緑x2だがこれは黄色も点灯している

テスターで端子電圧を測定

数値的にはそこそこ表示しているが

バッテリーテスターは反応しない

バッテリーは交換しましょう

 

Lカバー内部からのオイル漏れ、カバーを外すとカウンターシャフト側が濡れている

外周は前回の車検でコーキング済だがオイルシールとシャフトの間から出ている様子

これはもうケースを割らないと交換できないので今回はスルー

 

ヘッド上のブリーザーカバーに付くホースが外れていたためバンドで固定

3月に入り車検場は殺気立っている

酷いときは車検場入るまで外で渋滞が発生することもある

無事車検も通りました


車検車両CB350F

2023-03-10 23:01:47 | 作業日誌

車検でお預かりしたCB350F

前回フルメンテナンスを行っており、今回は普通の車検整備

依頼事項で電気周りのリフレッシュをしたいとのこと

CB350F発売開始は1972年、去年生誕50周年だった

50年モノの電装は不安ということです

確かに配線類は通電時間で劣化します、走行距離が少なければ劣化が少ないかというと

赤色のコードはメインスイッチがOFFの状態でもバッテリーからメインスイッチまでは通電しているということで他の配線より劣化が進むと考えている

以前にお預かりした車両(CB400F)でこんな症例があった

見事に赤線の部分のハーネステープが溶けて無くなっている

これは内部抵抗が増えて発熱したもの

下手すればカチカチ山になってしまう

 

またCB350Fの場合、ヘッドパイプ部分のメインハーネスの保護チューブが経年で硬化して途中で割れてVの字になっている場合も多い

ハンドルを動かすとこのV時部分が開いたり閉じたりするので、指をさした部分で断線するリスクが高い

かなりの車両がこの状態になっているので硬化したチューブを除去してハーネステープで仕上げておいた方が安心

 

今回の車検のお客様もブログの読者でこれらの記事を見ているだろうことから危機感を感じたのだろう

新車時からの配線類であれば交換しておいて悪いことは無い

実際この車両のメインハーネスの当該部分はカチカチにはなっておらず柔軟性がある

ダイナモのハーネスやACジェネレーターハーネスも柔軟性はあり接続部の焼けも無い

がしかし、メインハーネスの赤い配線は他の配線よりも硬いし、マグネチックサブコードも保護チューブはカチカチになっており発熱していただろうことが分かる

レギュレーターとレクチファイヤーは以前新品に交換済み

 

今回交換するのはこの部品

合わせて依頼事項でノンヒューズブレーカー(ヒューズレスサーキットプロテクト)を取り付けるが

メインヒューズのヒューズケースの両端をカットしてギボシを圧着して割り込ませるものだが

せっかくなのでコネクター式に変更した

中略

外した部品

赤線は硬めですね

 

エアクリーナーケースグロメットも硬化してクラックが有るため交換

次は足回り

ホイールを外してホイールベアリングの点検、リアはブレーキシューの残量も合わせてチェック

整備作業が完了し、車検を通してお客様の引き取り時に

次回の予定として前後ホイールのリフレッシュを依頼された

機能面はしっかりと手を付けたので次回は美観的部分に着手です。

2年後楽しみにしています。

 

翌週の車両はCB400F

元がフルレストア車両のため、販売して8年経つが大掛かりなことは無く機能維持のための点検整備

コンスタントに走行が2年で1000km程度

今回は車検整備(24カ月点検)

もちろん前後ホイールは外しベアリングのチェックは行う

カウンターシャフトのスプラインのグリスUP

リアハブの軸部分もグリスUP

摩耗させたくないですからね

依頼事項でクラッチが重い(固い/渋い)とのこと

当店で使用するワイヤーオイルはワイヤーグリスより緩いので2年持たない

最低でも1年くらいで再給油をしたいところ

お客様には1年目くらいにオイル交換でお越しいただければワイヤー給油しますよとアナウンス