Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

車検車両…

2013-09-28 03:40:00 | CB400F/350F
車検でお預かりしたCB400F
これもまたいい塩梅です。
まず、目に付いたのがメインハーネス
とりあえず何処を通しても良いものではなく
メーカーでは考えてベストな通し方をしているのですが
サービスマニュアルにも出ていますね


現車は…

ステムの上を通しています。
これではハンドルを切ると…

大きく折れてしまいます。

これを繰り返すと将来的にこの折れている部分で断線のリスクが増大するのです。

思い浮かべてください
針金を同じところで折ったり戻したりすればやがて破断してしまいますね
同じことが起きるのです。
これはサービスマニュアルを見ずに、元の取り回しをバックアップ取らないで安直に作業した結果ですね。


本来はステム下を通して、なるべく折れが少ないようになっています。
このとおり

(やっと、長期滞留車(フルレストア車)に手をつけ始めました。
これまでの数倍時間が掛かりますから
片付くまで春先まで掛かるかな?)

作業を進めるとあれもこれも…

To be continued



サービスマニュアルの盲点

2013-09-26 18:28:00 | CB400F/350F
サービスマニュアル、パーツリストの意外な不親切さ、
プロにとっては当たり前のことは書いていなかったり
なんてことは発覚次第ここで書いていますが
今日来た問合せもその一つ

「 現在自分でエンジンをO/Hしているのですが、
クランクケースに/B B B A A/と刻印されており、
実際にクランクメタルを見てみると、
すべてのメタルの外側に『D5C-A STD』と刻印されておりました。
この刻印はメタルの種類を表していると思うのですが、
だとすると一種類のメタルで組み込まれていたことになります。
『D5C-A STD』=C(緑)?
最終的には自分でプラスチゲージでクリアランスを図ってメタル選定をしようと思うものの、
ケースの刻印とメタルが違うとなると、
Hondaの品質を疑ってしまいそうなのですが、自分の解釈が合っているかご教授頂けませんでしょうか。
大変お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。」

このメタル合わせに関しては
サービスマニュアルP26~28に記載されていますが
計測してクリアランスを割り出してメタルを選択するというもの
ただ、実際にシリンダーゲージやマイクロメーターを所有し、計測に慣れているプロ向けの話であって
計測機器を持たぬビギナーには無理な話

また、書き方も非常に分かりにくい
これでは勘違いするのも無理は無いですね

簡単に説明すると
メインベアリングは
クランクケースの背面のクランクケース内径コードと
クランクシャフトのメインジャーナルの外径コードを




選択表で合わせて使用するメタル(暫定)を決める。


コネクティングロッドベアリングは
コネクティングロッドの内径コードと
クランクシャフトのクランクピンの外径コードを



同様に選択表で合わせて使用するメタル(暫定)を決める。


決まったら
プラスチゲージを使用して、おのおの仮組みし規定トルクを掛けて正確なオイルクリアランスを測定します。
クランクのメインジャーナルやクランクピンは磨耗しますから
外径コード通りで無いことがあります。
クリアランスがメーカー指定値から外れていれば
1サイズずつ変更して、都度計測しながら
合うサイズのメタルを選定します。

80年代くらいからの車種のサービスマニュアルはこのような説明に変わっています。
若干、ビギナーにも分かりやすくなっているのですね。

ところで厄介なのが
サービスマニュアルの選択表には内径コード、外径コードが書かれておらず
CB400F398のパーツリストにのみ記載があります。
※408、CB350Fパーツリストには記載なし


整備資料、取説は復刻品の取扱はありますが、大人の事情で
NetShopにはUPしていません。
ご希望の方はお問合せください。

自分自身も昔からパートごとに分割して記載されている398パーツリストの方が使い勝手が良いため
気にすることが無かったのですが
408パーツリスト+サービスマニュアルだけの所有では勘違いしてもおかしくないですね。

今回の戴いたメールの大きな間違いは
メタルの裏側の刻印が厚さと関係あると思われている点
これは幾度と無く問合せがあるのですがまったく関係ないです。
ご注意ください。
色だけが頼りですから、エンジンを開けた際に再使用するなら位置、上下を必ず分かるようにすること

この刻印ですね

全部C(緑)ですが刻印は皆違います。


次はクランクケース背面の外径コードをメタルの厚さのアルファベットと勘違いしている気配があること

くれぐれも間違えの無いようにお願いいたします。

398のパーツリストをお持ちで無い方は
サービスマニュアルに書き込んでおくと良いでしょう
ただし、縦の並び方が逆なので良く確認して書き込みましょうね


398フルレストア車、コレクションホールへ

2013-09-22 00:01:00 | CB400F/350F
先日の記事で入庫予定の委託車両として匂わせていた
ブログトップページの黄色い398

(サスペンションに負担を掛けぬようにフロントスタンドも使用してサスペンションは前後とも伸びきった状態、タイヤも接地しないようにしています。)
時折、「その後入庫したのですか?」と
問合せが来ていたのですが

実はオーナーさんのたっての希望で
「ホンダコレクションホールへの寄贈」
と言うことで打診していたわけなのです。
やっと無事話が決まりました。

コレクションホールでも
展示している赤い408しか持っていないようですので
黄色の車両で398ですから
良い話だったのではないでしょうか
また、そのまま展示可能なクオリティです。
大人の事情で寄贈というはNGらしく
限りなくそれに近い形で納めます。
(オーナーさんも名前が残ることを希望していた訳ではないので
良かったです。)

私自身も手がけた車両が所蔵されるのですから
これはもうメカニック冥利、ホンダファン冥利に尽きますね。

製作時の記事
http://wind.ap.teacup.com/hondainlinefour/112.html
http://wind.ap.teacup.com/hondainlinefour/119.html

そこで納車前にお台場のイベントに持ち込んで展示しようと考えています。

今回は他に委託車両を3台
(1台はU-BIKEに掲載している398登録車、あと2台は新規預かりの車両(408、当店でフルレストアしたノーマル車両)
の計4台の展示となります。


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ピストンリングの組み方

2013-09-20 11:41:00 | CBX400F/550F
サービスマニュアルもある程度メカに精通していて
多少、基本を分かっている方向けの感は否めません。
特にCB400Fの頃のマニュアルは顕著ですね。
CBXあたりの年代で多少詳しくはなりました。

最近では基本事項を記した「共通編」というマニュアルが別途存在したりします。

さて、今回お問合せを戴いたのが
NetShopのお客様
メールにて
「先日購入しましたピストンリングが当方の車両につきませんでしたが、
何か理由がありますか?
たぶん上のリングは付くと思いますが
下のジャバラ見たいのが大きすぎて、上下のリングが付きません?」


そこで、
これまで一度も前例は無いのですがメーカーによるシールミス(梱包間違い、違う部品が入ってる場合)
または、社外品のピストンを使っていて専用の部品で無いと合わない場合
を指摘したのですが
送ってもらったほうが間違いないと判断
「ピストンリング自体に問題が無い場合は送料ご負担くださいね」
と念押しし送ってもらいました。

届いたのはリング1台分とピストン1個
ピストンにはオイルリング(サイドレール)が1本装着してあった)

(画像では外してしまってあります。)


ピストンピンかじっていますね
コンロッドにも同様に傷が入っていますから
このまま再使用するのはいかがかと思います。
当店でCBXのエンジンのO/Hをしていた頃は
漏れなくWPC処理を行っていました。
(傷の有るものは新品に処理)
これはコンロッド側のダメージをこれ以上進行させない為の処置です。


また、極力カーボン、スラッジは除去して組みたいですね
リング溝のカーボンもスティック(固着)の原因にならないともいえません。

嫌な予感がしたので
オイルリングだけ仮組み
問題なく組めました。
ひとつの仮説が浮かびました。
サイドレールを先に入れて、後からスペーサーを入れようとしたのではないか?

サービスマニュアルにはこのように図はありますが

組み方に関しては順番までは書いていない
先の「共通編」でも同様、常識として考えられているのか
まったくのビギナーからすると「どう組めばいいの?」状態でしょうね
私自身もまさか組む順序を間違えるとは思いませんから
メールを戴いたときに可能性のひとつとして浮かんできませんでした。

図を良くみるとスペーサーが奥で広がっていて
後からでは入らないだろう事は想定できそうですが
文章で注意書きでもなければ見落とすかもしれませんね。

せっかくなので洗浄しました。


きれいになったところで気持ちよく
簡単に組み方を画像を交えて説明しましょう


まずスペーサーを組みます。


次に下側のサイドレールを組みます。
スペーサーの合わせ目が重なろうとするので注意してください


上側のサイドレールを組んで


オイルリングは完了


次にセカンドリング

刻印が上向きになります。(純正品は「R」)
※トップリングの刻印は薄く非常に見え辛いので注意!


トップリング装着


ハイ、完成です

リングの合い口はシリンダー挿入時に再度確認してくださいね

ひとつ気になるのはピストンに刻印、ポンチ、マーキングがいずれも無かったですが
場所はきちんと分かるようにされていますでしょうか?
再使用する場合、組むのはどこでも良い訳ではなく、
入っていたシリンダーに戻すのがセオリーです。

マニュアルは万能ではなく、書かれていないこともありますからご注意ください。

先週の完全休業日は…

2013-09-15 10:31:00 | わんことお出かけ
夏休みをとらなかったので
水曜日の完全休業日は嫁とわんことお出かけが続いています。
(休みなし、家族サービス無しでは家庭崩壊の元ですからね!
見に覚えのあるお父さん居ますよね?)

今回行ったのは
山梨県清里にある「サンメドウズ」
http://www.sunmeadows.co.jp/


以前「たんばらラベンダーパーク」
に行ったときにリフトは使わずに遊歩道を歩いて頂上に行った
楽しい思いでもあり
今回も事前にHPでリフト以外に遊歩道やトレッキングコースがあるので
訪れたわけなのです。

ここのレストランはビュッフェスタイル
普段はダイエットで粗食ですが
歩くことを前提に自分たちへのご褒美です。

外のテラス席はペットOK、わんこと一緒に食事が出来ます。

う~~ん満腹、満腹、

摂取した糖が脂肪に変わらないうちに歩き始めましょう

遊歩道らしきが見当たらなくてリフトのお兄さんに聞くと
「そこだよ」と
見ると獣道状態の草が短めの細い通路が…

たんばらのような舗装路を想像していた私たちはがっくり

それでも脂肪燃焼させなければいけませんから
登り始めます。
頂上までは1.4kmちょうど良い距離ですね
草っぱら状態なのでわんこは大喜び

しかし、かなりな急勾配でほぼまっすぐに近い状態で登る為
けっこうハード

(こんな枕木を敷いてあるところもあります)

500mmくらい登るとロケーションは良いのですが堪能している余裕なし

高原で涼しいのに汗が噴出して止まりません。

もはや拷問状態

追い討ちをかけるようにガスってきました。

このような勾配をまっすぐ登ります


山頂はもう少し「がんばれ!」


到着~


山頂は百合が満開、すばらしい芳香で充満しています。

その中を登ると展望台がありますが…
「残念」

ソフトクリームを食して、汗だくのTシャツを着替えて下山です。

さすがに下山は歩くのは無理と判断
リフトで降ります
料金は往復で¥1200(一人)
片道でも一緒なので
もし来る方は歩かずに最初からリフト使ったほうが良いですよ~

「楽ちん~!」わんこは抱っこして乗れます。

もうすぐ到着です

前の赤いゴンドラは車椅子や大型犬を連れた方用です

疲労困憊状態でサンメドウズをあとにして
次の立ち寄り先は
「まきば公園」
http://www.pref.yamanashi.jp/shisetsu/chikusan/makiba_p.html
ここは牧場内に入れて山羊や羊をさわり放題!!!

しかしとても勾配のあるところに行く気にならず
売店でソフトクリームを買って即移動

次のお目当ては
「八ヶ岳リゾートアウトレット」
http://www.yatsugatake-outlet.com/index2.php
ここもペットと一緒に入れます。
お店によっては抱っこしての入店が可能です。

亭主はお約束で外でわんこと待っています。

出店数が少なく規模が小さいのがイマイチでした。
ソフトクリームを食して終了

ここはドッグランが併設されているので
すこし遊んでいきましょう

「飛べっ!飛ばんかい!」


結構楽しめました。(ちゃんと整備してほしいな)

お土産は帰り道のスーパーマーケットへ

ワインやらぶどう液を買い込みます
ピオーネ(ぶどう)なんかむちゃくちゃ安いです。
こんなこと知ってると土産物屋では買えないですね
(たとえば海の近くでは裏通りの魚屋を探すとGOODですね)

富士川沿いをず~~~と降りてきて
新東名に清水からのり
駿河湾沼津SAでお食事


ごちそうさま~~

深夜になり渋滞もなく無事帰宅

読者の皆様で近郊の
ペットOKの施設の情報はいつでも募集中です。
インプレもお願いしますね。