オイル交換のお客様
恒例のタイヤのチェック
2018年製、溝のクラックは細いのがわずか
屋内保管で月に一度空気圧のチェックをして抜けることを考え多めに入れているという
フロントで2キロ入れているという
空気圧も関係するのだろうか
10月1週目の車検車両
フロントタイヤ、少ないな1.4キロ
2015年36週
これくらいの製造年だと屋外でカバー掛けでもこんなクラック
これまではこれが普通だった
リアは1.7キロ、前後とも低い......前回の車検からみたことが無かったりして(汗)
2015年31週製造
オゾンクラックも普通に経年での入り方
フロントスプロケットは結構摩耗していますね、これまでの履歴の走行距離から判断し次回チェーンとスプロケとでセットで交換
フロントブレーキはピストンに錆があり交換
マスターシリンダーがメーカー不明
不安なのでデイトナNISSINに交換、こちらなら純正品製造メーカーだしインナーキットや補修部品が用意されているので安心
社外のマスターシリンダーをチョイスする場合はインナーキットの有無も把握しておかないとO/H出来ずにそっくり交換なんてことになる
エンジンからはオイル漏れ
以前エンジン腰上を開けたときにヘッドカバーガスケット、ブリーザーカバーガスケットがまだ弾力があり
まだいけるかなと使いまわししたら思いのほか早く漏れ始めた
やっぱり貧乏性はいけないな、少しでも安上がりにと思ったが残念
部品代だけ貰って作業
中身はオイル管理されているのできれいですね
ダイナモカバーからのオイル漏れ
カバーを外して確認
クランクシールからの漏れ
外周はコーキングで応急処置
しかし軸から出ている気もする
軸から出ていた場合は応急処置は出来ず、クランクケースを割らないと作業は出来ない
次回出ているかどうか...ドキドキ
10月2週目車検車両
車検整備+依頼事項はタイヤ交換、フロントスポーク交換、エキパイフランジナットの交換、
前回の車検時にフルメンテナンスをしているので今回は24カ月点検
フロントブレーキはフルード交換のみ
ただし、マスターシリンダーのダイヤフラムが膨張していたので交換
右が現車のもの、左が新品
エアクリーナーも汚れているので交換
4820mile=7712km結構乗りましたね
新品と比較すると一目瞭然
新品をストックしておいて定期的に比較するのも交換時期を知る方法
感度の良い人なら3000~4000kmくらいでアクセルのツキが悪くなり交換時期を体感できる
タンクを外しておく場合に408コックの場合はホースを繋いでおく
これは車体から外す前にホースを繋いで一晩置いたもの
コックOFFでもタンク内の油面までガソリンが上がってきます。
例えばコックOFFでエンジンが止まるまでアイドリングさせフロートチャンバー内のガソリンを最低限にして置いておいても
すぐに満タン状態になってしまうということ
ちなみに398タイプの小さいコックは内部構造が違うため起きにくい(コック内部に傷が無く、パッキンの状態が良い場合)
屋外でカバー掛け保管のためどうしても湿気がこもり錆が発生する
マフラーもヨシムラ再販手曲げが付いているがすぐに錆びる、一度ヨシムラで再ペイントしたがあっという間に錆びてしまい
その後は諦めたようだ
フランジナットが真っ赤に錆びていたので交換依頼があり
せっかくなのでステンレス製のナットに変更
スタッドボルトも錆びるのでキャップ付き
ステンレス製のボルトナットは鉄とは熱膨張率が違い熱が掛かると緩む場合がある
そのため緩み止め付きのものをチョイス
ナット自体高さが無いのでワッシャーを重ねて調整
もちろん組付けにはスレッドコンパウンドを塗布(焼き付き、かじり防止グリス)
スプロケットが何かに干渉するとの依頼事項
当たる場所を確認するとチェーンケースとの干渉
リアショックを逃げて内側に凹んでいる場所
社外ショックが付いていてプリロード調整の小判が横方向にあり、チェーンケースプラグがあるとさらに内側に押される
(純正ショックは小判が進行方向前後に付いている)
この車両の場合チェーンケースプラグは無いがスプロケットのフランジがわずかに歪んでいる可能性
また、直進では擦らないがコーナーで車体を傾けた際にスイングアームのたわみで擦る場合もある
いずれにしてもクリアランスを確保しないといけない
チェーンケースの内側から叩いて逃げを作り、スプロケットのガタを減らすべく厚みアップのワッシャーに交換
次はフロントスポークの交換
パッドとディスクの摩耗粉にさらされ、ディスクがあるため手が入らず掃除がし辛い
放っておいたらこんな状態
ステンレススポークにすれば錆は防げるが折れるリスクがある
線径の太いスポークを組むところもあるようだが、当店では把握していないため対応不可
それでもきちんとメンテナンスが出来ないと折れるんじゃないかなとも考える
以前、ガラスコーティングCR-1を施工してもらった際にパッドの粉が付着し辛い、付いても軽く拭けば落ちる、錆対策にも有効という話を聞いていてオーナーさんに話してみた。
オーナーさんのGOサインを頂きスポークをガラスコーティングすることに
戻ってきたスポークはツルツル
リムとハブは洗浄しバリアスコートで仕上げてある
リムもまだきれい、スポークだけがあっという間に錆びた感じ
組み立てて振れ取り
タイヤはTT100GPからTT100へ
フロントタイヤの製造は2021年47週
リアタイヤは2022年25週
GPに比べると流通は少ないんでしょう
それでもGPよりは充分に長持ちするでしょう
ただしGPの超柔らかいコンパウンドと違ってかなり硬め
乗った感じに違和感を感じると思う
まるでグリップ感を感じないのです。
タイヤ交換時に銘柄問わずに「新品タイヤは気を付けてくださいね」と話をするのだがGPなんかは即普通に走っても問題無し
ただし今回のタイヤは一皮剝けるまでは気を付けなければいけない
アクスルホルダー固定ナット類やフェンダーステー固定ボルトは錆びていたのでステンレス製に交換
ちなみに当店のスタンスとしてディスクボルトやキャリパーがらみの応力が掛かる部位にはステンレス製のボルトは使いません
膨張率や強度の兼ね合いからです。
完成して引き渡し時に乗り心地がまるで違うので注意するよう話をして、帰ったらインプレをメールするよう頼んだ
来たメールには案の定「グリップ感がまるでない」とのこと
車検で装着車両が入ることはあるがそれは普通に乗れるので、一皮むければ大丈夫なのかなとは考えます。
次の車検車両は走行の少ないCB400F、陸送で届きました。
コロナ騒ぎになって全体的に走行距離は少なくなっている
前回車検から乗っておらずこの先もしばらく乗れないと思うので車検は切らして時期が来たらお願いしたいというお客様や
遠方から直接積載でお越しになるお客様でコロナが落ち着くまで東京には来たくないので落ち着いたら持ってきたいというお客様など
車検を切らして置いてお客様もこれまでには無かったパターン
今回の車両は前回の車検から6.1km、7月にちょっとした修理で預かってからは3km
最悪3カ月乗っていないことも考えられる
エンジンを掛ける前にキャブのガソリンを抜いてみる
手始めに抜きやすい#1から
色が黄色っぽく、異臭がし始めている
全部抜きましょう
こんなものを作っておくと重宝します
タンク内のガソリンは満タン入っていてここまで劣化は進んでいないがあまり良くはない
すぐに使い切ってもらえれば良いが期待できない
お客様に確認、そのままにして戻ってから四輪にでも入れますか?
それとも処分料が高額ですが入れ替えますか?と
返事は入れ替えて欲しいとのこと
エンジンオイルなどの廃油の処分は容易だが
ガソリンなどの揮発性が高く燃える油脂は話が別だ
良く「ガソリンスタンドへ持って行けば」と言われるが何処でも処分してもらえるわけではない
ましてやセルフではなく有人のスタンドは少ないし普段から御贔屓にしていれば良いが一見さんが持って行って処分してもらえるかどうか
廃エンジンオイルの回収業者に頼むことになるがかなりコストが掛かる
当店まで防爆仕様の回収車両で来てもらい回収~回収業者の会社で一旦量が溜まるまで保管~溜まったら別の専門の処理業者へ持ち込み
この回収費用として1回1万円と言われている
更に廃ガソリンはℓ=幾らという計算
では当店でも溜めるだけ溜めて引き取りに来てもらえばそれで回収費用を割れば安くなるのではと言われそうだが
劣化したガソリンとはいえ燃えますからね万一火でも出して引火したら大変なことになる、大量には店に置きたくない
せいぜい20ℓの携行缶1~2本か
この量だと処分料として1ℓ当たり¥500頂かないといけない
CB400Fで満タンなら14ℓ入りますから¥7000申し受ける計算となる
中には廃エンジンオイルに混ぜれば良いだろうという人も居そうだが
ガソリン特有の匂いで回収業者にはすぐにばれる
当店で依頼している回収業者はその揮発性の油が混ざったオイルが原因で大火災を発生させている
(新聞、ニュースでやっていたので知っている人も居るだろう)
そこからどこの回収業者も非常にうるさくなっている
この先、廃ガソリンの処分が出来なくなることがあれば長期放置車の受け入れは断ることになるだろう
ガソリンが劣化する前にフレッシュなガソリンに入れ替わるようにしてほしい
前回の車検でブレーキは全バラ洗浄を行っているので今回はフルード交換で良いのではと提案したが
キャリパーのO/Hをして欲しいとの依頼事項
ピストンを抜くとフルードが結構変色しています
フルードを排出すると...
あらら結晶が...
これは全バラして洗浄しないといけません
マスターシリンダー内にも居てリターンポートを詰まらせたら一大事です
マスターシリンダーを外し、ブーツを外すと中は濡れている
クリップに付いていた液体は
ブレーキフルード
マスターシリンダー組み付け液ではないのは指に付けて擦り合わせた感触で分かる
インナーキットも交換しましょう
全バラ洗浄し乾燥している間に
スロットルケーブルとクラッチケーブルの潤滑
バッテリーの充電
比重を測るとレッドゾーン寄りのイエローゾーン
製造年を見ると
2016年5月12日...6年モノですか...
満充電での端子電圧、バッテリーテスターでの数値も低いため交換しましょう
3カ月くらいなので強制潤滑までは必要無いと考え
プラグを外し手回しでクランキング
その後エンジンを掛けて点火時期チェック、コンプレッションの測定を行った
走行距離が少ないので最低限での車検整備を済ませて車検場ではスムーズにパス