なでしこJAPAN
FIFA女子ワールドカップ ドイツ2011
優勝おめでとうございます!
「普段見ないくせに」と嫁に揶揄されながらも
目覚ましを掛けてしっかりと見ていました。
最後のPK戦はドキドキしっぱなし、こんな刺激もたまには必要ですね。
昔から男子よりも女子サッカーのほうが世界に近いと言われていました。
それがまさに現実のものとなったのです。
興奮冷めやらず店でブログを書き始めています。
(この過酷な暑さの日の睡眠不足は致命的、わずかな時間でも寝たほうが良いのでしょうがこの状態じゃ寝れんだろうな~)
同じ「ドキドキ」でも
当店に車輌を預けたオーナーさんも
このブログを見るときも
同様なんでしょうね
さて、これまただいぶ待たせて入庫したCBX400F
「エンジンから異音がする、それも打音」
ということで乗っちゃダメだよという言いつけを守り
持ち込まれました。
見た目はきれいなエンジン
しかし、エンジンを始動するとけたたましい打音を発する
「ガチガチガチ.....」
あぅ...
どうしてこんなことになったのか事情聴取
もともと乗っていたエンジンは別のもので、O/Hしてからオーバーヒートが酷く1000kmも走らないうちに降ろしてしまった。
(今回、単体で持ち込まれました。)
そこでSHOPで今載ってるエンジンを単体購入
「実働だけど、保証はしないから」
ということで8万円!!で購入されたそう
(どっかのネットオークションの常套句みたいですね。)
で、いざ載せてみると激しい打音、
オイルパン、フィルターケースを外すとおびただしい金属粉
ということで
当店にオファーがあった訳なのです。
さて、エンジンを降ろして分解し始めると........
カムホルダーがまさに酷い有様
サービスマニュアルの4-2「オイル潤滑経路図」を見れば判るように
ヘッドに行くオイルはフィルターを経由していません
オイルポンプからダイレクトに上がって行きますから
金属粉、砂などはカムホルダーに送られやわらかいアルミの地肌に食い込みます。
ヘッドを逆さにしたらこんなものがポロっと落ちてきました。
カムホルダーのヘッドカバーのフランジボルトのネジ山部分の破片
付いていたホルダーは当該部分は全部健在!?
と言うことはどれか他のエンジンのカムホルダーを付けているのでしょう
ひでぇなぁ
カムホルダーに食い込んだ異物がヤスリの役目をしますからカムシャフトの軸部分もこんな有様
せっかくのFFのヘッドですが
プラグホールも3気筒分クラックが入っています。
あぁもったいない!
シリンダーを外すとピストン、シリンダー傷だらけ......あぁ「砂」だな
ピストンの表面の傷でピンときます。
普通に使ってて起こるかじりの「スカッフ」はまったく違う傷
シリンダーもこの通り(全シリンダー同じ状態)
この時点でコンロッドの動きもおかしい、スムーズに動いていない
左から#1、#2、#3、#4
左から#4、#3、#2、#1
#1コンロッドの大端が完全に焼きついているのがわかります。
他の部分も傷だらけ
ケース側のメタルも全部砂を噛み込んでいます
一部、銅色の地が出ている部位も!
もちろんカム同様クランクも磨耗します。
軽い症状の傷だけでのラッピング(研磨)でも後から合わせるメタルが心配なのに
段付き磨耗していたら「合掌」ですね。
肝心のオイルポンプ
お約束の傷だらけ
ローターのUP
ミッションにいたってはメインシャフトのニードルベアリング部
やってもうてる
ケース側のピンとニードルベアリングのあわせ穴がずれた状態で
ケースを締めてしまったのですね。
っていうか合わせた時点で隙間が出来るので(ぴったり閉まらない)わかるはずです。
何も考えずにただ組んだだけですね
ケース側もピンが押されて陥没
ちょっと長めのピンを製作しなくちゃです。
オイルパン、フィルターケースは載せ替え時に他のものに替えたそうなので
砂は残っていませんでしたが
クランクシャフトのオイルギャラリーに残っていました。
こちらはフィルターを通過した微細なものばかりです。
って言うかフィルターは万能ではないということ
フィルターの目より細かいものは通してしまうと言うことです。
また、分解していてトルクの掛かり方がおかしい
ゆるいところが多い、トルクレンチも無しで組んだか?
8万円で買ったエンジン、結果つかえるものはクランクケース、カバー類、細かいパーツ程度
お高い買い物になってしまいましたね。
さて、オーバーヒートが酷く降ろしたと言うもとのエンジン
(異音は無かったと云っていたが....)
こちらのエンジンをベースにO/Hできればということでしたが.....
ヘッドをばらしていると....
全体的にあたりがおかしい、1箇所完全にかじっているところも....
このかじりはありえ無いでしょう
ロッカーアームを抜いてカムをセットして回してみます。
よっぽどカムシャフトが曲がってなければ
ヘッドとカムホルダーが対のものが使われていればカムはスムーズに回ります。
まずIN側、カムホルダーまだトルク掛けていないのにびくともしません
EXにいたっては#31箇所ですでに回りません
この時点でオーバーヒートの要因のひとつは解明
こんな回りの重いカムを回してれば発熱もしますって
って云うか組んでバルブタイミング合わせるのにクランクを回して気が付かないかな~
めっちゃ重たいはずですよ
新品のピストンが組まれていたシリンダー
しかしながら内壁のコンディションが最悪
全シリンダー錆の痕がしっかり
段差の無い染み程度なら我慢も出来ましょうが
段差のある(凹んでいる)場合はオイル上がりにつながるのでオーバーサイズピストンが手に入る車輌ならボーリング必須ですね。
この辺が無頓着な人、店多すぎですね(カムホルダーもしかり)
コンロッドの大端のメタルの当たりもちょっと気になります。
クランクシャフトは先ほどのよりははるかに良い状態
しかし、メタルの当たりを考えてラッピングだけでもした方が安心ですね。
さて、ミッション
こっちのエンジンもやらかしている
こちらのはシェルが割れてしまっています。
軸は微妙ですね
ケース側もこの通り、ピンがめり込んでいます
本来、ベアリングのシェルの穴に引っかかる程度出っ張っています。
オイルポンプ
ちょっと傷多目かな、良品があれば交換したいですね。
オーナーさん心配とあって
スペアパーツをかなり持ち込んできて
ヘッド単体でもう一個
これも、クランク周りが逝ったエンジンのものらしく
カムホルダーがおびただしい傷だらけ
カムシャフトも軸部分は深い傷が多数
がしかし、カムホルダーは対のもののようで
カムホルダーを付けてカムを回すとスムーズに回る
先の2個は使えないので、なんとかこのヘッドを使うしかない
カムホルダーの食い込んでる異物を何とか除去して使いましょう
やれやれ
この車輌も見積もり作成が怖いです。
7/19更新
安堵もつかのま
その使う予定のヘッド、全バラしていて
またとんでもないもの発見
バルブスプリングを外す際にINとEXでスプリングに掛かっている荷重があまりにも違うことに気が付いた
見るとセット長がぜんぜん違う
ひっくり返すと、「あ゛っ!」
バルブがINとEX逆に組んでますやん!
あまつさえ、IN用バルブは頭が潰れて抜けないし....
丁寧潰れた部分の外周部分をスムーズに抜けるまで修正します。
これ、無理引っこ抜いてる人
ガイドを傷つけて抜いているということ
どういうことだか判る人は絶対にやらないでくださいね
外れたバルブ
全部がこんな状態、なにやらかした!?
7/19続報
今日、お客様から荷物が届いた
ストックパーツの腰下部品
先ほどのヘッドと対のもの
メタルの焼きつきと聞いていたので
クランク周りはあてにはしていなかったが
見事に終了!
オイルポンプも傷だらけ
これもクランク同様想定内
メインシャフトはそんな状況でもつかえる可能性があるパーツ
がしかし........
そんなわずかな望みも打ち砕かれた
あ~ぁ、これもかぁ
これは記録ですよ!
一人のお客様が持ってきたエンジン3基すべて
メインシャフトのニードルベアリング位置間違え
もちろんすべて別の人が組んでいるでしょうから
すごい確率です。
FIFA女子ワールドカップ ドイツ2011
優勝おめでとうございます!
「普段見ないくせに」と嫁に揶揄されながらも
目覚ましを掛けてしっかりと見ていました。
最後のPK戦はドキドキしっぱなし、こんな刺激もたまには必要ですね。
昔から男子よりも女子サッカーのほうが世界に近いと言われていました。
それがまさに現実のものとなったのです。
興奮冷めやらず店でブログを書き始めています。
(この過酷な暑さの日の睡眠不足は致命的、わずかな時間でも寝たほうが良いのでしょうがこの状態じゃ寝れんだろうな~)
同じ「ドキドキ」でも
当店に車輌を預けたオーナーさんも
このブログを見るときも
同様なんでしょうね
さて、これまただいぶ待たせて入庫したCBX400F
「エンジンから異音がする、それも打音」
ということで乗っちゃダメだよという言いつけを守り
持ち込まれました。
見た目はきれいなエンジン
しかし、エンジンを始動するとけたたましい打音を発する
「ガチガチガチ.....」
あぅ...
どうしてこんなことになったのか事情聴取
もともと乗っていたエンジンは別のもので、O/Hしてからオーバーヒートが酷く1000kmも走らないうちに降ろしてしまった。
(今回、単体で持ち込まれました。)
そこでSHOPで今載ってるエンジンを単体購入
「実働だけど、保証はしないから」
ということで8万円!!で購入されたそう
(どっかのネットオークションの常套句みたいですね。)
で、いざ載せてみると激しい打音、
オイルパン、フィルターケースを外すとおびただしい金属粉
ということで
当店にオファーがあった訳なのです。
さて、エンジンを降ろして分解し始めると........
カムホルダーがまさに酷い有様
サービスマニュアルの4-2「オイル潤滑経路図」を見れば判るように
ヘッドに行くオイルはフィルターを経由していません
オイルポンプからダイレクトに上がって行きますから
金属粉、砂などはカムホルダーに送られやわらかいアルミの地肌に食い込みます。
ヘッドを逆さにしたらこんなものがポロっと落ちてきました。
カムホルダーのヘッドカバーのフランジボルトのネジ山部分の破片
付いていたホルダーは当該部分は全部健在!?
と言うことはどれか他のエンジンのカムホルダーを付けているのでしょう
ひでぇなぁ
カムホルダーに食い込んだ異物がヤスリの役目をしますからカムシャフトの軸部分もこんな有様
せっかくのFFのヘッドですが
プラグホールも3気筒分クラックが入っています。
あぁもったいない!
シリンダーを外すとピストン、シリンダー傷だらけ......あぁ「砂」だな
ピストンの表面の傷でピンときます。
普通に使ってて起こるかじりの「スカッフ」はまったく違う傷
シリンダーもこの通り(全シリンダー同じ状態)
この時点でコンロッドの動きもおかしい、スムーズに動いていない
左から#1、#2、#3、#4
左から#4、#3、#2、#1
#1コンロッドの大端が完全に焼きついているのがわかります。
他の部分も傷だらけ
ケース側のメタルも全部砂を噛み込んでいます
一部、銅色の地が出ている部位も!
もちろんカム同様クランクも磨耗します。
軽い症状の傷だけでのラッピング(研磨)でも後から合わせるメタルが心配なのに
段付き磨耗していたら「合掌」ですね。
肝心のオイルポンプ
お約束の傷だらけ
ローターのUP
ミッションにいたってはメインシャフトのニードルベアリング部
やってもうてる
ケース側のピンとニードルベアリングのあわせ穴がずれた状態で
ケースを締めてしまったのですね。
っていうか合わせた時点で隙間が出来るので(ぴったり閉まらない)わかるはずです。
何も考えずにただ組んだだけですね
ケース側もピンが押されて陥没
ちょっと長めのピンを製作しなくちゃです。
オイルパン、フィルターケースは載せ替え時に他のものに替えたそうなので
砂は残っていませんでしたが
クランクシャフトのオイルギャラリーに残っていました。
こちらはフィルターを通過した微細なものばかりです。
って言うかフィルターは万能ではないということ
フィルターの目より細かいものは通してしまうと言うことです。
また、分解していてトルクの掛かり方がおかしい
ゆるいところが多い、トルクレンチも無しで組んだか?
8万円で買ったエンジン、結果つかえるものはクランクケース、カバー類、細かいパーツ程度
お高い買い物になってしまいましたね。
さて、オーバーヒートが酷く降ろしたと言うもとのエンジン
(異音は無かったと云っていたが....)
こちらのエンジンをベースにO/Hできればということでしたが.....
ヘッドをばらしていると....
全体的にあたりがおかしい、1箇所完全にかじっているところも....
このかじりはありえ無いでしょう
ロッカーアームを抜いてカムをセットして回してみます。
よっぽどカムシャフトが曲がってなければ
ヘッドとカムホルダーが対のものが使われていればカムはスムーズに回ります。
まずIN側、カムホルダーまだトルク掛けていないのにびくともしません
EXにいたっては#31箇所ですでに回りません
この時点でオーバーヒートの要因のひとつは解明
こんな回りの重いカムを回してれば発熱もしますって
って云うか組んでバルブタイミング合わせるのにクランクを回して気が付かないかな~
めっちゃ重たいはずですよ
新品のピストンが組まれていたシリンダー
しかしながら内壁のコンディションが最悪
全シリンダー錆の痕がしっかり
段差の無い染み程度なら我慢も出来ましょうが
段差のある(凹んでいる)場合はオイル上がりにつながるのでオーバーサイズピストンが手に入る車輌ならボーリング必須ですね。
この辺が無頓着な人、店多すぎですね(カムホルダーもしかり)
コンロッドの大端のメタルの当たりもちょっと気になります。
クランクシャフトは先ほどのよりははるかに良い状態
しかし、メタルの当たりを考えてラッピングだけでもした方が安心ですね。
さて、ミッション
こっちのエンジンもやらかしている
こちらのはシェルが割れてしまっています。
軸は微妙ですね
ケース側もこの通り、ピンがめり込んでいます
本来、ベアリングのシェルの穴に引っかかる程度出っ張っています。
オイルポンプ
ちょっと傷多目かな、良品があれば交換したいですね。
オーナーさん心配とあって
スペアパーツをかなり持ち込んできて
ヘッド単体でもう一個
これも、クランク周りが逝ったエンジンのものらしく
カムホルダーがおびただしい傷だらけ
カムシャフトも軸部分は深い傷が多数
がしかし、カムホルダーは対のもののようで
カムホルダーを付けてカムを回すとスムーズに回る
先の2個は使えないので、なんとかこのヘッドを使うしかない
カムホルダーの食い込んでる異物を何とか除去して使いましょう
やれやれ
この車輌も見積もり作成が怖いです。
7/19更新
安堵もつかのま
その使う予定のヘッド、全バラしていて
またとんでもないもの発見
バルブスプリングを外す際にINとEXでスプリングに掛かっている荷重があまりにも違うことに気が付いた
見るとセット長がぜんぜん違う
ひっくり返すと、「あ゛っ!」
バルブがINとEX逆に組んでますやん!
あまつさえ、IN用バルブは頭が潰れて抜けないし....
丁寧潰れた部分の外周部分をスムーズに抜けるまで修正します。
これ、無理引っこ抜いてる人
ガイドを傷つけて抜いているということ
どういうことだか判る人は絶対にやらないでくださいね
外れたバルブ
全部がこんな状態、なにやらかした!?
7/19続報
今日、お客様から荷物が届いた
ストックパーツの腰下部品
先ほどのヘッドと対のもの
メタルの焼きつきと聞いていたので
クランク周りはあてにはしていなかったが
見事に終了!
オイルポンプも傷だらけ
これもクランク同様想定内
メインシャフトはそんな状況でもつかえる可能性があるパーツ
がしかし........
そんなわずかな望みも打ち砕かれた
あ~ぁ、これもかぁ
これは記録ですよ!
一人のお客様が持ってきたエンジン3基すべて
メインシャフトのニードルベアリング位置間違え
もちろんすべて別の人が組んでいるでしょうから
すごい確率です。