Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

質問の返答

2017-03-31 21:54:00 | CB400F/350F
メールでの質問の返答


これはネットショップの注文の際に備考欄に書かれていた問い合わせ
メールで来たものと違いフラグなど目印を付けられませんから
ついつい忙しさにかまけ返答が遅れてしまいました
申し訳有りません

「お世話になっております。
いつも丁寧な対応をしていただきありがとうございます。
1つ質問がありまして、
CB350F所有してますがシリンダーガスケットの部分(上下)からオイルのにじみが多くなり、
自分でガスケットの交換をした場合の注意点を教えていただけると助かります。
お忙しいところ申し訳ありませんが宜しくお願い致します。」


80年代初頭までのエンジンはヘッドの潤滑のオイルの供給をシリンダースタッド穴やシリンダー~ヘッドにオイルラインの通路が合ったりします。
この場合、ガスケット部分はOリングや筒状のゴムシールを使ったりしますが年数が経てば硬化して漏れが発生します。

(イメージ画像)
当店の場合、オイル漏れでお越しになったお客様でそんなに酷くない場合は「もう少し我慢してはいかがですか?」と帰すことが多い
何故かというとまた距離を走れば(時間が経てば)漏れ始めますから
エンジンを開けるスパンを長く取りたい
ある程度コストが掛かることですから滲み程度でしょっちゅう開けていたら幾らでもお金が掛かってしまいます。
という訳でガスケット交換を行っても永遠に漏れないということはありえないことを心得ていてください。
肝心な組む際に大事なこと
当店のノウハウ的なことは勘弁していただいて
(おまんまの種なのでご理解ください)
云えることは基本に忠実に組み
特にトルク管理
ヘッドを規定トルクで締めた後で一晩置いて再度同じトルクで締めて締まらないかどうか?
数十キロ走ってエンジンに充分に熱が掛かり、ガスケットが馴染んだだろうころに再度トルクチェック
特に抜けている箇所が無ければOKですが
社外ガスケットの種類によってはこの時点でもグイグイ締まるものもある
この場合は落ち着くまで2000kmごとにチェックをしたほうが良いと考えます。
液状ガスケットも使用には注意が必要
使いすぎないことも大事です。

また、自分で作業する場合は工賃は掛かりませんし
時間はふんだんに掛けられます。
慌てておっつけ仕事をせずに
せっかく開けたのならできることはやっておきましょう


次の質問
いつもお世話になっております。
CB350Fで質問させていただきたいのですが、
先日高速で走行車線の観光バスの後ろを走行していたのですが、
観光バスは90km程で走行しているのに私のスピードメーターは110km近くを表示してました。
原因を知りたいので、ご指導いただけると助かります。」

まず、考えられるのはメーターギアが他車種の物ではないかということ

良く勘違いされがちだが
「フロントホイールの径によりギア比が変わる」というのをメーター側と思っている人が少なくない
ホイール側のメータギアでギア比を変えている
例えばCB500、CB550、CB750などは19インチだがメーターギアケースは同一で中身のギアが違っている
これがまたCB350Fや400Fにも付いてしまうし見分けがつかない
大径ホイール用を小径ホイールにつければタイヤが1周回る距離が短いわけですから余計に回るということで実速度よりも多く指してしまいます。
もちろんメーター自体の故障も可能性の1つですから
誰か仲間でメーターギアを持ってる人が居れば借りてテストすれば良いでしょう
メーターギアだったのか、メーター本体なのかはっきりするでしょう



明日から4月、新年度ですね
予定していた事務所の移動やHPの再開もまったく目処がたたない
ちょっと今考えているのが
店頭営業時間の14時まで表のシャッターを閉めたままにしようかと
(せめて予約修理の作業が終わるまで)

というのも先日予約修理でフロント周りの作業中、オーナーさんには事務所で本を読んで待ってもらっていたわけだが
別のお客様がアポ無しでお越しになって、事務所に店主の姿が見えないものだから勝手に奥に入ろうとしたのを待っていたお客様が止めてチャイムを鳴らすように即したそうな
そりゃそうだ自分のバイクの作業中に勝手に入られ話し掛けられミスでもされたら一大事

実は店主、先日もやらかしている。
静養期間も終わり自家用車にテスト用のエンジンパーツを組むため
仕事時間の終わった夜中にヘッドカバーの着脱作業を行っていた。
そんな中友人が仕事帰りに立ち寄って手を休めてお茶を飲み一息入れていたのだが
話が盛り上がり長丁場
しかし、あまり遅くなり睡眠が少なくなるのも困るので、その日のうちに作業は終わらせようと途中から話しながら作業に復帰
しばらくして友人は帰り、サクサク組み上げて
夜中なので試乗は翌日にすべくさっさと仕舞ったのだが
試乗してシーリングボルト部からオイルが漏れて来た為
確認すると締まっていない!!!
思い返すと話しながら作業をしていたときに手をつけていた部位
「あぁやっちまった!」

昔、修理に立ち会いたいお客様をお断りした際に
「しゃべりながらでも手は動くだろう!」と云われたことが有りますが
私の場合は無理です。
歳とともに集中の持続時間は低下していますから
それにあわせた環境は不可欠
例に挙げるなら
イヤホンマイクやハンズフリーで話をしながらの運転、その間の交通状況や景色って覚えていますか?
自分の場合は完全にワープ状態、まったく覚えていないので運転中は一切電話には出ません

仮に早く来ても修理中のお客様と話をして手が空くまで待っていてもらうような形でよろしくお願いいたします。




一気にUP

2017-03-31 01:35:00 | CB400F/350F
年度末ということも有り
3月末は車検場は大混雑
例年なら最終週は車検予約は入れていないのだが
今年はうっかりとフルに入れてしまっていた。

26日の日曜日は盟友のホーリーさんのイヴェント日
友人と一緒に顔を出す予定だったので早起きして行ってきた。
前日まではしばらく雨は降らなかったのに当日は生憎の天気
途中、吉野家に寄って朝食を摂取
ここは毎回の立ち寄りどころ
私はカツ丼/もり蕎麦セット

ドリームワークスN氏は天丼/もり蕎麦セット

金属加工業N氏は牛丼/かけ蕎麦セット

青い看板の吉野家は蕎麦があるのです!
どれも¥1000以内でコスパ最高!!
朝からヘビーですが会場の河川敷にはお店は有りませんから腹ごしらえは必須です。

会場に到着しホーリーさんに挨拶して
会場を一回り
まもなくレースがスタート

手前の2台は珍しい「ホダカ」、こんなメーカー皆知らないですよね~


TMやらエルシノアやら懐かしい車両がいっぱい

こちらは比較的新しい年代ですね


XL250S、キャッチコピーは「男のワークブーツ」
私も所有していました。フロントはなんと23インチホイール

手前#4はレジェンドライダーの吉友寿夫選手

野口スペシャルに当時風ヘルメットで参加
(実は同じ高校の同級生)

この日はうっかりカメラを忘れスマホで写していたので画像があまりありません
午前中のレースが終わり、私たちはそそくさ退場
開店時間までには帰ってこれました。
普段なら最後まで居るのでこのブログには店主不在と告知しておいたことも有り
また、天気も雨の為お客様はほとんど無し
仕事に専念できました。

車検依頼のCB400F

約10年前に当店で販売した車両
依頼事項は車検整備(24ヶ月点検)とタイヤ交換
タイヤは車両販売時のもの!
TT100(ソフトコンパウンドのGPではなくスタンダードタイヤの方)
GPならとっくにオゾンクラックが入り2セット目でもおかしくない
値段は高いがスタンダードコンパウンドの方が固いので持ちも良いのでしょう
しかし、すでに硬化していますから性能は恐ろしく低下しているでしょう

あとはどこかで付けてもらったETC、この本体の移動

工具が入らなくて困るとの事
ツールトレイに躊躇無く穴を開けて装着するパターンが非常に多い
エアクリーナーのメンテ時に非常に邪魔ですね
アンテナの付け方も非常にセンスが無い

今回はアンテナに関しては言われていないのでこのままです。

タンク下でうねっているコード(コルゲートチューブのもの)

これまた美しくないですね
取り回しを変更しましょう

差し当たり右サイドカバー内でバッテリーバンドで共締め

SHORAIバッテリーなので液の影響を受けないので良いでしょう

ヒューズボックスを確認
おやぁ!メインヒューズが焼けています!!

切れては居ないが交換します。
お客様はツールトレイにヒューズを持ち歩いています。

ノンヒューズブレーカーなら必要無いんですけどね~

メンテナンス終了しさっさと車検場に持ち込みました。

水曜日は午前中だけ仕事をして
午後からお休み
とはいってもシート屋から完成連絡が入ったので引き取り
おぉ!きれいに直りました。

裏面は…

なるほど!他のスポンジ素材を貼って整形しているのですね

シートレザーの裏側もかじられていてダメージが有り
小穴が空いてしまった部分も裏から当て物をして直してくれました。

ちょうど休みのタイミングに合ったので早く引き上げられてお客様も喜ぶでしょう

その足で嫁の買い物のお供で
酒々井のアウトレットへ


もっぱら店主は嫁がお店を見てる間のわんこのお世話係
あまりおしゃれには興味無いっていうか
四六時中作業着なので必要無し
夫婦揃ってオシャレしてたら家計をおびやかしてしまいます。
酒々井アウトレットパークでの唯一の楽しみは

そうなんです神座が入っているんですね~
ところが嫁からご飯の話が出てこない
「おなかが空いていないのだろうか?」
食事に関しては店主には一切発言権は無い為
後ろ髪を引かれながらアウトレットを後にして
次に向かったのが
富里の大型ホームセンター

久々なので大量買付け
のんびり一般道で帰ってきて
この1つ前の記事をサクッと書いて家族サービスへ
この日は結局昼を抜いたので奮発して焼肉屋へ
しっかりガスチャージしました。

今月最後の車検車両

このオーナーさんは自分でそこそこいじれちゃう方
そんなんで10年前から当店で車検を通していますがすべてユーザー代行
(お客様がメンテナンスをしてきた車両を代行で車検場へ持って行って通してくるもの=当店はただ通してくるだけ)
ところが今回、当店はユーザー代行は受けていない為
車検整備(24ヶ月点検)を行うことになった。

すると結構ネガが部分が見えてきた。

タイヤの空気を計ると
フロント

リア

怖い!!

ブレーキは後で自分でメンテナンスするのでO/Hは不要とのこと
24ヶ月点検ではパッドの着脱(パッドグリスの塗り替え)、漏れチェック、フルードの交換程度は行う
あれ!右のキャリパーステーの動きが悪いし

おそらくグリス切れ、後で分解整備をしてもらいましょう

右側に漏れの痕跡を発見

ステンレスピストンか~、シールの掛かる部分に傷入ってなければ良いのだが
パッドもフルードに侵され塗装がベロベロン


当たり方もおかしいなぁ


マスターシリンダーはAP

しかし、なんかオイリーですね

触るとどうやらフルードですね(指につけてこすると独特の感触)
にじみ有りですね。

フルード交換をしようとタンクを開けると沈殿物がそれなりに居たりする
どれだけ掃除していないのだろう…

※フルードを少し吸った状態

やってあげられる範囲で掃除して
結晶は吸い上げて除去
フルードを注ぎながら
キャリパー側ブリーダーから排出
右は順調、しかし左側はスムーズでない
ブレーキレバーが非常に重い
「詰まってるか!?」
お客様には全バラ洗浄を具申しました。

リアブレーキ
ブレーキペダル、踏んでも戻らず途中で止まってしまう


まずはリアホイールを外しましょう。
ありゃ、ストッパーアームセッティングラバーの位置が違いますね


ホイールを外すと中はすげぇ

パネルは全バラ洗浄して、ブレーキカムとシューの摺動部はブレーキグリスを塗布

マーキングはシューが裏表逆にならないように

スプロケ側も軸部分はグリスっ気は無くカラカラ

フィキシングボルトと共に焼きつき防止グリスを塗布


ペダルの動きが悪かった原因はこれ

スプレーグリスなどで手前は濡れていますが奥はグリスっ気無し
またロッドのジョイント部も同様

グリスをふんだんに使って組み立てます。

ばっちりストッパーボルトに当たるようになりました。

う~ん普段ちゃんとメンテナンスしてるのかしら?怪しくなります。

足回りが終わってタペット調整の為タンクを外しましょう

ありゃ、コック根元にガソリン滲み発見

タンクを外して現れたのは…おびただしい配線

(いじりたく無い…)

CRキャブの為エアクリーナーが無いクリーナーボックス内も

このような状態の車両こそノンヒューズブレーカーが必要かも

ん!なんでメインハーネスのアース線(緑)がこんなところに

まさかエアクリーナーケースと共締めじゃぁあるまいな
(そこはフレームには落ちませんよ~)

ありゃ!


固定せずに置いてあっただけ!?(笑)
参った!
正規の位置に固定


さぁやっとタペット調整を始められる
むむむ!


2箇所バルブの頭が陥没して調整が出来ない
どうりで試乗中カチカチうるさかったんだな
仕方ないので手の感覚で調整
内燃機屋の話ではバルブスプリングが経たるとこのようにバルブの頭が磨耗することがあるそうな
近い将来ヘッドを開けないといけないでしょうね(がんばってください!!)

このような状態では有りますが
車検は無事通りました。

やっとひと段落
ちょっとがんばって書き上げました。
(23時~25時半、約2時間半掛かりました)

明日は質問の返答かな
さぁ仕舞いましょう

サボリちう

2017-03-29 19:29:00 | ノンジャンル
ここしばらくちょいとばかり忙しく
ブログの記事を書く時間が取れません
(常に1時間~2時間消費する)

あまり間を開けると
店主が壊れたんじゃないかと心配されると思い
元気で居ることをお知らせしておきます。

質問の返答もかなり溜め込んでしまい
1ヶ月くらい放ったらかしのものも有り
時間が出来次第返答したいと考えます。

これから家族サービスですが
これもおろそかに出来ないことですので
余裕が出来るまで今しばらくお待ちください。

店主

センタースタンド折れ

2017-03-26 18:59:00 | CB400F/350F
毎回車検を依頼されているCB400Fのお客様
先日、メールを頂き
「センタースタンドが折れてしまった。」と
急遽、空いてる時間を探し修理予約


土曜日の午後1時、時間ピタリにお越しになりました。

どれどれ

聞けばセンタースタンドを掛けようとしたらへんな感触がしたので確認するとこの有様
車両を倒さなくて良かったですね。

外して確認


アゲインさんのリプレイス品に交換して対応しました。

力の掛かる部分ですから気をつけたいところですね。

誤組み&バッテリー不良

2017-03-25 20:00:00 | CB400F/350F
今日の修理予約はCB350F

依頼事項は
オイル交換、オイルエレメント交換、オイルパスキャップOリング交換

まず、オイルを抜きながらフィルターケースも外す
ん!

カラーが居ない!!
ばらしてみると…

奥に居た!!これはまさしく…
誤組みです!

正確にはこの順序


下の画像を見ると良く判りますが
カラーの長さ分フィルターがずれていれば
フィルターボルトの穴の本来フィルターに隠れるべき穴が露出
ということは…
オイルがエレメントを介さずにメインギャラリーに直行ですね!!
(左から1個目の穴は正規の組み方でもエレメントの外に出ているが
エレメントが詰まった際に中のチェックバルブを油圧で押してオイルが流れ込む穴、
通常はここからは入らない
しかし2個目の穴は中に繋がっていますから今回の場合この穴が露出していてオイルが流れ込み放題)

いろんな車種を取り扱っているお店ではすべての車両を把握していない場合も多く
事前に誤組されていればそのまま組んでしまう場合もある
また、スプリングシートも存在を知らない場合も有りそのまま捨てられることもある
オーナーさんが事前にパーツリストのコピーを渡すとか、「スプリングシート捨てないでね!」と一声掛けるかしたほうが安心ですね。

正規の状態で組み上げ

エンジンに組む前に
オイルパスキャップのOリングも交換


最後はトルクレンチで締めて完了


オイルを入れてキルスイッチを切ってオイルが回るまで空回し
と・こ・ろ・が
セルが回らない(バッテリーの電圧が少ないような状態でブブブ…)
お客様が言うには出てくるときは普通にセルは回っていたそうな

仕方が無いとキックで対応(非常に疲れる)
しかし、そのうちセルボタンを押したり、ライトのスイッチを入れると一時電気がダウンするようになった。
バッテリー単体で測ると

12.4~5Vあるので
マグネットスイッチをテスト品に替えてみたが変わらない
なんだこりゃ!?
電気は見えないだけに判り辛い
ダウンしたときにバッテリーの端子電圧が下がっている

まさかバッテリー?

テスト用のバッテリーに交換すると

まったく問題なし

いきなり終了したというわけですね
KAMIKAZE
恐るべし!!

お客様は手持ちで他のバッテリーがあるとのことで
テストバッテリーで帰っていただいて
近日中に返却してもらうことにした。

もちろん裏を取るため
他の車両でチェック
バッテリー充電中でかつヨシムラのマルチメータ付きの車両でちょいとテストさせて頂く

メインスイッチをON

11.9V
セルボタンを押すと

はいダウン
バッテリー不良確実です。