Maintenance SHIOHOUSE

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「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

ドライバーは消耗品

2024-01-31 16:02:38 | 懐かしいモノ

1/31(水)午前中病院へ行って足立区の特定検診(健康診断ね)に行ってきた。

足立区国民健康保険加入の40~74歳まで年に1回無料で健康診断が受けられる。

期限は翌年1月末まで。

なるべく体重を落としてから行こうと悪あがきをして毎年1月になってしまう

一昨年はダイエットに成功し約81kgまで落として数値も落ちているが

その後リバウンドして88kg、普段は90kg行くか行かないかの生活が続いており

減量するとあからさまに全体的に数値が落ちてHマークが少なくなることが分かる

今回は81.7kg!80切るように昨夜は食事を抜いたがダメだった

更にダイエットを継続しグッドオールディーズまでにはレザースーツが楽に着られるようにしたいものです。

読者の皆さんにも耳が痛い人は多数いるかと思いますが、歳とともに代謝が悪くなり体重が落ちなくなりますから

早めの対策を具申いたします。

「大事に使えば一生使える身体です。」

 

 

今回はツールの話

ハンドツールは仕事で使っていると消耗品である

特にドライバーは先端のエッジが命、角が舐めてきたら万一ビスの方を痛めてしまうことにもなる

新年を迎えてドライバーも更新

新品はグリップ部が鮮やかですが、どんどん汚れて真っ黒になる

左がこれまで使ったもの、右が新品(黒いから分かり辛い)

#2

#3、こっちは力が掛かる分、分かり易いかな

マイナスドライバーは古くなり交換すると叩き用として使う

左端が前回の交換で叩き用に格下げしたもの先端にダメージがあるでしょ

普段使うのと分けておかないといけません

今回は左のこれまで叩き用に使っていたのは廃棄、中央のを新たに叩き用にします。

 

これも重宝するドライバーメガドラインパクタ

ヘッドを叩くと軸が左に回る、インパクトドライバーといったところか

例えばCB400Fのセルモーターの✙ビスは普通には緩まないことが多くこのドライバーが手に入る前まではショックドライバーを使っていたが大分楽になりました。

難なく緩みました。

#3はクランクケースカバーなどで使える

工具も見てるとあれもこれも欲しくなる

 


フルメンテナンス CB400F(前編)

2024-01-30 02:00:43 | メンテナンス

フルメンテナンスCB400F

当店でのフルメンテナンスは初めてというこの車両

お客様自身では磨くのが大好き、以前もエンジンを磨いてる最中にハイテンションコードの断線に遭遇したり

ちょっとしたことで面倒を診てしていた

これも先日指摘したのだが研磨剤入りのクリーナーは使うところを選ぶべきだと、

ブレーキパイプがビカビカになっているがこれは地金が研磨され光っているもので薄いメッキ膜は安易に無くなっている

手入れを怠れば赤錆が発生する=無限磨き地獄へ突入する

この車両は逆輸入車、プレートがダウンチューブに付くタイプだがこのタイプは製造年の記載が無い

車検の時に車検証に保安基準適応年月日(昭和の)の記載が無いと初年度登録の年月が製造年と判断され

ヘッドライト常時点灯など厄介なことになる

スイッチの配線は取り回しがおかしく北米向けっぽい取り回し(現車は欧州向けと思われる)

前回交換したのでIGコイルは新品が付いている

ハーネスバンドもOリングで代用(あるあるです)

 

スロットルケーブルが妙に長く取り回しがおかしい

本来はヘッドライトステーの内側を通るが長すぎるための処置か

グリップも端から回ってしまう

中のグリップパイプが短い気がして、外して確認

確かに短い、カットされている

ハンドルの端も加工痕がありわずかに斜め&バリが出ている

左側も確認

こっちは大丈夫そうだ

ちなみにグリップは柔らかいものに交換依頼されていて

キジマのCBXタイプのものに交換する

 

シフトペダルのリンクのピロボールにブーツが無くむき出し

 

リアアクスルの向きが逆

ただ、これは正規な向き(右抜き)でシャフトを抜く際にマフラーに干渉するため、わざと左抜きにしている場合もある

ブレーキパネルとトルクロッドの取り付け部、ストッパーアームクッションラバーの位置が違う

正規はブレーキパネル~トルクロッド~クッションラバー~ワッシャー~ナット~ロックピンの順番

しかもクッションラバーは純正品では無かった

 

ブレーキペダル、ブレーキアームのポンチマークは合っているのになぜこんな?

 

フロントブレーキ分解

パッドAがなにやらおかしなことに、濡れているよな~

ディスクの黒い筋は漏れたフルードですね、外して脱脂しなければ

ん?キャリパーピストンは社外品かな

ピストンを抜きます

堆積物溜まっていますね、どれくらいばらしていないんだろう

キャリパーの塗装は(おそらく)パウダーコート

染み出たフルードで塗膜が侵されていますね

パウダーコートだとブレーキクリーナーは使えない

パウダーコートは溶剤系には弱いから、浮いた塗膜にさらなるダメージを与える可能性がある

中性洗剤+水洗いですね

ピストンは驚いたことに無垢で出来ている

ただし、組まれていたのは逆組みされていた、中央が凹んでいるのがキャリパー内側だろう

側面に錆があるが正規に組めば中に入ってピストンシールには掛からないのでそのまま使います

キャリパーホルダー、シャフト部分にグリスっ気が少ない

マスターシリンダー、分解前妙に内部が汚いと思っていたが

ばらします

マスターシリンダーもパウダーコート、塗膜が侵されています。

ピボットボルト部もフルードが輪になっています

ブレーキ周りの表面処理には

マスターシリンダーなら再アルマイトかガンコートかUVコート

キャリパーはガンコートかUVコート

今どきは他にもフルードに侵されない塗装があるかもしれない

フルードに侵される塗装をするのはメンテナンスする側にとってはやめて欲しいところです。

 

レバーブッシュ(ゴムの筒)完全に潰れています

スリーウエイジョイントもパウダーコート、しかもシールワッシャーの座面まで塗られている

昔、フルード漏れで難儀した記憶がよみがえる。是非ともマスキングして欲しい

そのためか思いっきり絞めてシールワッシャーが潰れてねじ山に食い込み外れない

どれくらいばらしていないのだろう

マスターシリンダー内部も汚れ

堆積物が溜まっています

スリーウエイジョイント

至る所に堆積物有り

ブレーキスイッチも内部が想像できます。

洗浄します

ブレーキホースやパイプなどの細い通路は水を通すだけしか出来ない、へばりついた汚れは取れません=要交換ですね

定期的にフルード交換、全バラ洗浄は大事なことです

 

前後ホイールを外してホイールベアリングの確認

フロントは動きが悪い

また、フロントのみバランスウエイトが見つからないのでバランス取りしましょう

 

ホイールが無い状態でステムベアリングの動きを確認

微妙に引っ掛かりを感じる

実走行で違和感を感じるほどではないので判断が難しい

 

リアブレーキシャフトを抜く、これまたグリス塗布は超最低限

中央のグリス貯めに残るくらい塗らないと

 

スイングアームを外します。

これはスイングアームのガタがあったため

試乗で後ろ周りがぐにゃぐにゃして気持ちが悪い

これまたグリスが少ないような

段付き摩耗を起こしています。

スイングアーム上面がオイルっぽいと思ったら

ブリーザーチューブが途中で切れている

クリップ周りはクラックが多数あり要交換

 

オイル漏れがみられるので漏れ箇所の確認

Lカバーを外します

頭舐めてるビスばっかり

ミッションのオイルシールから漏れている様子はない

ドライブチェーンのOリングを発見

恐る恐るLカバーの裏側を確認

「ぎゃっ!!」

ドライブチェーン交換?ってことは自動的に前後のスプロケットも交換になる

これはお客様と相談かな

 

セルモーターの端子部がオイルっぽい

この場合、セルモーターのオイルシール部からオイルが侵入し端子部から出ている可能性がある

オイルポンプにもオイルの付着有り

漏れでしょうね

 

ダイナモカバー下を触るとオイルが付く

 

オイルパスキャップA、Oリングが終わっているのだろう

 

ポイントカバーガスケット面にオイルが付着

パスキャップBから出たのが回っていったか?

いずれにしてもOリング使用部分からはだいたい同じようなタイミングでオイル漏れが始まる

 

ぶっ飛んだのはクラッチレリーズのオイルシールが入っていないこと(中央の丸い部分ね)

内部でクラッチリフターカムが密着してるからダラダラ漏れることはないのだろうが組み忘れるかな?

 

電装系に目をやると

まず見るのはヒューズボックス

古いものは発熱し溶けてる

メインヒューズ片側浮いてるし

スペアのホルダーが1個無いのが気になる

裏側カバーを外す

 

赤線(メイン15A)部が怪しい

コネクター部を確認、メイン側の端子が緑青噴いています(腐食)

マグネチックサブコード部

シリコンレクチファイヤー部(右サイドカバー内)

メインスイッチ部

端子の状態が悪いですね

当初メインハーネスを見てきれいなので交換歴があるのかなと思っていましたが

ハーネステープを巻き直しただけみたいですね

予算が許せば電装系もリフレッシュしたいところですがお客様と相談ですね

相変らずの状態となりました。

 

洗浄し乾燥機に入れて乾いたブレーキパーツ達

キャリパーはきれいな方かと思うと

シール溝の裏側見えない部分は結晶がびっちり

マスターシリンダー、カップ内は結晶が.....この荒れ具合は放置歴があるかと思います

シリンダー内部も決して良い状態ではない

パイプ内部にも汚れが堆積

ブラシを入れるとこの通り

オイルボルトもこの有様

洗浄時ブラシを通しましたが完全ではないでしょう

ホースもこの状態だと内部通路も想像できます

出来ればホース(上下)、パイプ、オイルボルト、ブレーキスイッチは交換したい

 

スリーウエイジョイントは洗浄で堆積物は除去、タップ掛けしてねじ山のクリーニングをすれば良いが

シールワッシャー座面の塗膜は除去したいし困ったものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


12月分作業車両#4

2024-01-29 12:22:33 | CB400F/350F

CB400F 車検車両

お客様の体調不良により前回の車検から約kmしか走っていない

長期間エンジンを掛けていないので陸送を手配

オイルが落ちてしまった状態でクランキングしてしまうとクランクがメタルを引っ搔いてしまう

ドライスタートやメタルアタックという

参考記事はこちら

 

前回8003Mile、到着時8033Mile(km)この2年間で30Mile(48km)しか乗っていない

前回車両到着後少し乗ったが体調不良が続き乗れなかったのだろう

メインスイッチをONにしてもインジケーターは点かず、バッテリーの電気も空っぽ

懸念されるのがガソリンの劣化、通常なら2年も放置すれば劣化して異臭を放つ。

保管場所が良かったのだろうタンク内のガソリンは黄色く変色し、臭いも酷くなく厄介な状態ではない

 

キャブレターは要O/Hかと思っていたが、ドレンボルトを外すとドライになっておりお客様が最後に抜いておいたようです。

コックが398タイプなのも功を奏している、408タイプのコックだとOFFにしてもじわじわ流れてしまうものもある

 

バッテリーは2年物、放置すると放電し電気は空っぽになるし、液は自然と蒸発し減っていくし、サルフェーションも起こしてしまう

せめて端子は外して置き、定期的に充電と液補充をしてもらえると寿命が変わってくる

または電源がある置き場ならトリクル充電器で繋ぎっぱなしでも良いだろう、ただし液は減るので定期チェックは必要

充電してみてアラートは出たものの使えそうなので、この先の使用環境もわからないので寿命になるまで使ってもらうことにした。

安いものじゃないので安易に交換を勧められない、お客様の状況を考えて判断することにしている。

今回は約48kmと走行が少なく経年で必要な潤滑部分(スロットル/クラッチケーブル)のみ潤滑

他はまだグリスが残っていると考え割愛し最低限のメンテナンスとした。

車検を通して、納車も陸送でお届け

お客様の調子が良くなり早く気持ちよく乗れるようになるように祈るばかりだ

 

タイヤ交換のCB400F

毎度おなじみTT100GPのフロントタイヤのクラック

センター溝が無くなるまで我慢して交換

当初はIRCのRS310をご所望だったがチューブタイプがメーカー欠品中

アマゾンで購入して持ち込みでも良いよと話したが(特例)

律義なお客様はTT100GPで良いとの決断

このくだりは以前に書いたかもしれないですね

 

この車両は純正センタースタンド非対応の集合管が付いており

センタースタンドは外さず付いたまま

間違ってスタンドを掛けようとしないようタイラップで固定されている

ということで前後ホイールを外しての作業はこんなことになる

リアのスイングアームに掛けるスタンドは乗っかっているだけだからずり動く可能性があり注意が必要

マフラーを外して、タイラップをカットしてセンタースタンドで作業したほうが良かったような気がする。

 

タイヤ交換後にホイールバランスをとります。

(結構やってない車両多いんだよな)

ホイールバランスが取れていないと高速走行時に縦振れの原因となります。

これまでのお客様の保管状況、管理を聞くと

屋内保管とタイヤ空気圧が高いほうがクラックが入りにくい

チェーンケースのタイヤコーションではフロント1.8キロと指定されているが

常に2キロで管理したほうが良いかと思う、時間が経つと減るのでちょいちょいチェックして維持してほしい

 

ハイテンションコードすっぽ抜けCB400F

「掃除中にハイテンションコードを触ったら抜けてしまった」と連絡があり

来てもらって確認するとビニールテープで簡易補修(外れないように)

ビニールテープをはがすと見事な断線

ハイテンションコードのビニールの被覆が経年で硬化して折れてしまい、ゴムが裂けてしまうことはあるが

芯線まで断線するのはよっぽどのこと

他の部位も芯線が見えてしまっていて液状ガスケットで補修した痕跡あり

放っておくとリークして不調や感電の原因といなる

IGコイルとプラグキャップの全品交換

電気部品のため、経年で内部抵抗が増え劣化する部品

新車時からのものであれば交換を推奨する

 

 

 

 

 

 

 

 

 


復刻純正エキゾーストマフラー 内部構造

2024-01-27 02:31:12 | CB400F/350F

今日、グーグルのトピックスでCB400Fの復刻純正マフラーの記事が一番上にあった

ヤングマシンの記事のようだ、企画発売までの経緯が詳しく書かれているので興味があれば見てみると良いだろう

https://young-machine.com/2024/01/25/508206/

以前、三恵技研担当者がマフラーのカットしたものを持って来て

公開の許可が出ていなかったのでUP出来なかったが先日BGに載った時点でUPの許可が下りた

まず見ることが無い内部構造じっくりご覧ください

純正マフラーは集合管のようにバッフルが入っているわけではなくたくさんの隔壁がある

無論、排圧、脈動、抜け、音質、音量などを考えて製作されている

また、各パーツごとに型が必要になるためコストが掛かってしまう

 

矢印の部分が水抜き穴

水抜きが詰まり、この奥の壁に穴が開いてしまうことがある

 

メディアに載ったせいか、今日一日でマフラーの注文が数本あった

月に1回程度納品があるが入荷数はまちまちで1回に1本~4本程度と入荷数が少ない

前回納めたのは去年の4月に予約注文いただいたお客様

今日の注文分もそれなりに時間が掛かってしまうだろう

 

 

 


12月分作業車両#3

2024-01-20 13:22:57 | 懐かしいモノ

CB400F エンジンオイル漏れ

当店では腰上のオイル漏れの場合は滲み程度ではもう少し乗りましょうと様子を見させ

よっぽど酷くなりシリンダーに溜まるくらいになっていよいよお受けするかたち

ただ、大変申し訳ないのですが多忙につき現在は車検リピーターさんの車両に限らせて頂いている

車検のタイミングで作業するか、車検の時期まで間がある場合は空きのある週に入れて作業

 

今回の車両はヨシムラのピストンキットを組んだ車両

組んだ後でしつこいくらいにトルクチェックし、引き渡し後も2000kmでトルクチェックをしていたが

経年で出始めてしまい、お客様自身でも漏れ止め剤でチャレンジしたが止まる訳もなくあっという間にこの有様

ヘッドとシリンダーの間に詰め物!

漏れ止め剤が垂れて凄いことになっている

マフラーを外すとこの通り

次にキャブレターを外そうとしたところエアチャンバーが後ろに下がらない

よく見ると何か居る!?

これはセミトランジスタ点火ユニット

目立たない良い場所を見つけたと鎮座させたようだがキャブレターを外す際には居ては困る場所

いろんなものを外してやっとこエアチャンバーがずらせた

この状態からキャブレターの後ろ側を持ち上げながらインシュレーターから引き抜く

抜けたら横スライドでキャブレターを外す。※エアチャンバーは抜かないですよ~

シリンダー背面も凄いことに

さぁサクサクばらしていきますよ

カムチェーンホールとオリフィスバルブのところから漏れている

漏れ止め剤が凄いことになっている

 

シリンダーを外しました。

ピストンも外してカーボンを除去しましょう

クランクケース内はスラッジが付着しています

2000kmごとにオイル交換していますがいつまで経っても真っ黒、このスラッジがやがて無くなればもう少しきれいな廃油になるでしょう

 

インシュレーターに滲みがみられるのでOリングを交換しましょう

せっかくなので交換できるゴムパーツは換えてしまいましょう

今回ガスケットはハートコレクションさんのメタルガスケットを使用

ヘッドは燃焼室のカーボンを除去しただけ、バルブ周りは非分解

インシュレーターOリング交換、無論両面オイルストーンで仕上げてあります。

 

下ごしらえは完了し、組み始めましょう

毎回言ってるけどヘッドガスケットは左右向きがあるから気を付けること

メタルガスケットはヘッド締めが一発で決まるので助かります。

 

あの、トランジスタ点火ユニットは別の場所に移設させてもらった

オイル交換、このとおり真っ黒(以前よりは大分きれいになってきた)

このお客様は仕事で乗っているため結構な距離を走る、当店推奨の2000km前後でオイル交換をしていてコンスタントに2か月ごとのオイル交換

ドレンボルトはマグネット付き