Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

マニュアルに載っていない基本

2013-06-16 13:44:00 | 保存版
たった今、CBXのお客様より立て続けに問い合わせがあり
内容的に書いておかねばいけないかなと
緊急UPです。

サービスマニュアルは有る程度、メカに詳しい方向けの感があり
超初歩的なことは「当たり前」と言うことで
記載されていないことが多い
CB400F用は更にプロ、整備事業者向けの傾向にあるように感じます。

最初の問い合わせは
「クラッチを組んでいて、リフタープレートの10mmのボルトを締めていてねじ切れてしまった!
締め付けトルクはマニュアルの規定値どおり4kg-mで締めました。」

耳を疑いました。
「センターのロックナットの締め付けトルクと見間違えていませんか?」

サービスマニュアルの上の段にロックナットの締め付け云々記載されていて
トルクも書かれています。
「リフタープレートのボルトは標準締め付けトルクで良いので記載されていないんですよ」
すると
「10mmのソケットを使って締めるボルトです、
もちろん標準締め付けトルク表を見て締めています。」

「あ゛っ!!!」
(10mmボルトのトルクで締めたのか!なら3.0~4.0kg-m指定なので言われていることがつじつまが合う)

あのですね、ボルトのサイズの表記はネジの径なんですよ=6mm
6角部分は二面幅と言いまして工具の寸法はここに使うため=10mmとなるのです。


「ガーン!」

納得していただけました。
しかしながらねじ切れなかった他のボルトやプレッシャープレートも
過大トルクにさらされた訳ですから
交換を促しました。

何故このように寸法が違うのか?
ねじ径に対して二面幅は決まっておらず、多種多様にあります。
たとえば8mm6角ボルトでも純正は二面幅は12mm、ホームセンターやネジ屋の規格品は13mm、使う場所によってメーカーさんはさまざまなボルトを使います。
ご注意ください。

さて、もう1件
これも電話での問い合わせ
「先日、CBXのオイルシールセットを購入した者ですが、
カウンターシャフトのオイルシールに穴が開いていて
オイルが噴水のように出るのですが(怒)」


むむむ、これは単なる誤組みだと思い
おだやかに確認するよう具申しました。

これまた、サービスマニュアルには書かれていないこと

オイルシールには裏表があるのです。
大概がサイズやメーカー名が入っているほうを外側に向けますが
CBXのカウンターシャフトオイルシールのように両面同じような形でどちらにもサイズが書かれている。

ちなみに表




問題の穴が分かりますね。

裏表の区別は?

こういう紛らわしいものは「OUT」と書かれています。
また、注意するとリップ形状が違います。
オイルを出したくない部分(今回のは外側)のリップの方がダブルになっています。

このような基本中の基本が載っていないのですよね

後から、お客様より
「すみません、逆でした」とお電話をいただき
「間違えても、同じことをしなければ良いことで
こういう経験が財産になるのですよ、がんばってください」

と精進するよう激励

まだ売ってるか分かりませんが
メーカーからこのようなマニュアルも出ています。

共通編ということで基本的なこと、二輪の構造的なこと
多岐にわたりかかれています。
(入手できるようならNetShopに載せましょう)
6/18更新
原本は廃盤、コピー版が出ていますが
約2万円近い金額!!!
某インターネットオークションを見たら8千円くらいでたくさん出している方がいます。
(ホンダの特売で仕入れておいたか??)