今日は定休日ですがシャッターを閉め、留守電と閉じこもって作業にいそしんでおりました。
夕方から納車がありスペア運転手の嫁とともに出かけます。
(どうも丸いハンドルを握ると睡魔に襲われるもので......)
途中、川口のコンビニで食料の買出しをして出てくると
外にいた見知らぬ人が頭をペコッと下げた!?
背後にも人気を感じていたのでそちらに挨拶をしたのかと思い
対応せずに横を通り過ぎようとしたら
「シオハウスさんですよね?」
えぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~誰だっけぇぇぇぇ?????
頭フル回転で考えますが解らない!まずいまずいぞ!
と思ってるうちに
「いつもブログを拝見しています。」
「乗っているのは他車種なんですけど」
とのこと
(あ~初めての方なんだ~よかった~と胸をなでおろす)
「ありがとうございます。この近所なら店は近いので是非お越しください、
コメント欄にどんどん突っ込んでくださいね」
と話しお別れしたのですが
いやぁ悪いこと出来ませんね~
面がわれてしまっているのと、トレードマークの「腹の出たサロペット姿」
この格好で何処にでも行ってしまいます。
ホームセンター、食事、日帰り温泉....
先日はバスに乗って呑みにも行ってしまいました。
さてさて週末の出来事、最終章
「名古屋からの来訪者、インターネットオークションで買った車両を診せに来るの巻」
実はこのお客様これで2台目
1号車は....当店に入庫中
この1号車で酷い目に遭っているのです。
本来は当店のフルレストア車の中古車を購入予定だったのが
都合により予算の確保が出来なくなり
若干安い車両を他のルートで購入したのですが
フルレストア済みの「渾身の一台」と云われて購入したそうですが
直感的に何かがおかしいと感じ
当店にエンジンO/Hならびに車体周りの完璧な仕上げを依頼をされたのです。
まぁよくありがちな適当に手を抜かれて仕上げた車両(当店比)
二度手間となったために結果高額の出費になることは云うまでもありません。
今回は2号車が欲しいとのこと
1号車は398、2号車はさらに希少な国内408が欲しいと
で、できれば1号車の余ったパーツを使い自分で組みたいということで
フレームとエンジンが欲しいと打診がありました。
しかしながら部品から組むのは容易ではありません、大まかなパーツがあったとしても必ず細かいパーツが足りなくなります。
その都度オークションで買っていては結果高くついてしまうのです。
私としてはその辺を説明してベース車両、書付部品取車両などの購入を具申しました。
そこでお客様より
「某インターネットオークションに国内408が出ているので見て欲しい、また御社に車両があればその方が良い」と云われました。
当店にもベース用に国内408が1台ありますが、オークション車両と比べると距離は走っている、サイドスタンドブラケットはいい加減に補修してあるでお奨めできないと説明
オークション車両の方が商品説明を見る限りよい素材である。
ただし、あくまでもインターネットオークションですから必要な部分は質問し、可能なら細部の画像をもらうように指示しました。
連休後と言うことも有り競合せずに落札できたとのこと
出品者は関東なので引き取った帰りに診せてほしいと話をしておきました。
で、来たのがこれ
おぉ~いい塩梅に熟成されています。
納屋にでもおいてあったのでしょう
初年度登録と車検満了日に注目
50年6月登録、54年7月車検切れ
実質4年間しか乗っていないのです。
メーターは交換されていて実走行距離は不明ですが細部を見れば
うかがい知ることは可能です。
錆が多い下回り、
雨水が入りパイプ内部から腐ることが多いのですが納屋の中なら安心です。
サイドスタンドブラケットがオリジナルのまま!いいですね~
溶接部分の錆の具合をチェック!
ステップなどのゴム部品の減り具合でも距離の判断になります。
錆の状態も気になりますので万一必要なら大きく形を崩さないよう補強します。
スプロケットの山の減り具合、ドラム内面の減り具合でも判断可能です。
ストッパーもばっちり生きています。
次にエンジン
プラグホールからホールライトで中を覗きシリンダー内壁をチェック!
#1、#4は錆は無さそうに見えます。ホーニングのクロスハッチもしっかり残っていました。
クランクは最低限しか回しません、メタル、ジャーナルを傷めるからです。
ただし、唯一の不具合箇所
プライマリーギアのボルトが緩んでケースを突き破ろうとしています。
それで乗るのを止めてしまったのでしょう
たしかこのことは商品説明に書かれていなかったような気がします。
外回りが汚くても中身で勝負です。
内部パーツのコンディションでO/Hした後のエンジンの音が変わってきます。
同じ作業でも走っているエンジンより走っていないエンジンの方が静かなエンジンが出来ます。
今回は良い買い物だと思います。(中身を診てからですが.....)
インターネットオークションでも全部が悪いわけではないのです
しっかりと質問をして、見に行ける範囲なら事前に見に行く、
購入する側がしっかりと目を養うことが肝心です。
追伸
友人からコメントを頂きましたが
逆輸入車の場合はひっぱってきた国によってコンディションも変ります。
アメリカの雨の少ない乾いた地域からの車両は錆が少なく良いコンディションだったりしますね。
ヨーロッパでも日本と気候が変らない地域だと錆もそれなりにあるような感じです。
また、保管場所でも屋内と屋外でも違いますし、屋内でも納屋みたいに土間だと湿気でやられたりしますね。
距離が少なくてもあまりにも錆が多すぎるものもいかがかと思います。
たとえばゴム製品などのように走っていなくても紫外線やオゾンで劣化するものもありますので
距離が少ない=上物車両と言う図式は成り立たず
今回はフルレストアを見据えて、=「上物のベース車両」という考え方です。
今回のクラッチカバーの割れなどもまぁ想定内の範囲です。
シリンダーヘッドのスタッドボルト穴が変な修正されていたり
フィン欠けをいい加減な修正されているよりよっぽどマシですね。
インターネットオークションで現物を見ずに買うというのはこのようなリスクも想定内で考えて落札するべきです。
私とて、何度使い物にならないものを落札しているやら
たいがいの場合、商品説明には詳しく書かれていませんし、画像も制限が有るため詳しく載せられません
大人として、どんなものが来ても問題ないだけの金額の入札でとどめて置くべきでしょう。
そのために少ない画像の中でどれだけの情報を得られるかということです。
いろんな車両を見る、部品を見る、資料を読み漁る、仲間と討論するなどで
「目を養うこと、知識を蓄積すること」が大事だと思います。
実際に良いものは「目で見る」、「触ってみる」ことは大事なことだと考えます。
(バイク業界に関わらずいろんな分野で一緒ではないでしょうか。)