Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

BBSの質問の件

2008-04-28 12:32:20 | ノンジャンル
BBSでこのような質問をいただきました。

「初めまして。お忙しい所恐れ入ります、教えていただきたいのですが、CBR400Fで圧縮が6キロもしくは7キロの場合、燃焼しない事はありますか?正規が11キロ+-2たいして低いのは解っているのですが。宜しくお願いします。」

6~7kgcm2では微妙なところです。たまたま掛かる場合もあるかもしれませんが基本的にはNGでしょう。
圧縮が無くなるのはバルブにカーボンを噛んだり、オーバーレブさせてバルブを曲げたり、またはリングのスティック(この場合は白煙もくもく)、などの原因があります。

最近多いのがCBXのお客様で イリジウムプラグに交換後、圧縮が落ちてしまった症例
火花が強いので、燃焼室の状態によってはカーボンが剥がれEXバルブに噛み込んで圧縮が無くなるパターン
(大型用品店などでは車種も関係なくメリットだけを説明し薦めるようですが、上記のようなデメリットもあることを承知した上で購入、装着すべきです。)

CBR400Fの場合、REV動作側のバルブステムシールの寿命が短かった記憶があり、その場合も燃焼室にびっちりカーボン付着なんていうことになっていると思います。

本来ならヘッド周りのO/Hを推奨しますが、カーボンが悪さしているなら燃焼室クリーナーなどでの応急処置も可能です。



ノーメンテの見本

2008-04-27 10:43:50 | ノンジャンル
昨日、店の外を眺めると遠くから郵便局員がバイクを押してくる......
この地域を回っている年配の配達員です。
たまに調子が悪いと声をかけていく方なのですが、今回は息絶えてしまったようで
何処から押してきたのか?
さて、郵政御用達「MD90」診てみると、キックのたびにヘッド周りから「ガチャガチャ」異音が聞こえてきます。
ポイントカバーを開けてみると....
「何てことでしょう」
ガバナーのアームがずっこけています。
画像をご覧になって分かるようにこれまでにメンテナンスをしていたのか怪しい状態
潤滑がされていないのです。


結果、ガバナーアームの根元がどんどん磨耗してゆき、ワッシャーが磨耗し、サークリップが緩み外れてしまった。
スプリングも完全に伸びてしまいNG

本来は保守店さんが定期的に点検しているはずなのですが、どうしたことでしょう
宅配業務は途中で動けなくなることは命取りですから
メンテナンスには気をつけるべきです。

仲間のショップが某大手ピザ屋の保守を担当していますが、ワイヤー、ブレーキシュー、タイヤなど消耗部品は限界まで使うことはありません
まだ、もうちょいいけるかな程度でも交換します。
毎日使うものですから、そのまま戻して使用中に限界を過ぎてトラブルを起こすと困る為です。
クライアントの管理意識がしっかりとしているのですね。

不具合を生じてからでも良い場所、不具合を生じる前に手を打ったほうが良い場所ありますので、考えながら乗りたいものです。
今回のように、潤滑すべきところを潤滑していないなんてもってのほかです。
調子が良いからと乗りっぱなしにせず、気遣いをお願いいたします。



プラグのメンテナンス

2008-04-25 11:41:25 | ノンジャンル
昨日、お預かりしたCBX400Fのエンジン
逆輸入車を購入して、この先長く乗りたいために登録前にレストアをすることに、
分解、組み立てはご自分で行って(良いことです!)
手に負えない部分を当店が依頼されました。
このお客様もこのブログの読者で分解時はきちんとデジカメでバックアップを撮っていました。

さて、事前のファイアリングテストを行う為、エンジン台に載せチェックしていると
なんと#3プラグが明後日の方向を向いている!(曲がって入っている)



そのために奥まで入っていないのですね、これだけでも不調の原因になりますし、ねじ山の破損具合によってはヘリサートなどを打たなくてはいけなくなります。

外すときもよっぽど固く、無理に締めたのは明白!屈強な外人さんが無理に締めたのでしょうか?
今回はO/Hで入庫した為、分解するのでプラグホールのタップ通しもO/Hに含む為、トライしてNGだったらヘリサートを打ちます。
本来、手で締まるとこまで入れて最後にレンチで本締めします。
これは最初からレンチで固かろうがお構い無しに締めた結果です。

プラグの装着方法を画像を交えて説明します。


事前にねじ山にはグリスや焼付き防止潤滑剤などを塗布します。


ソケットやプラグレンチに納めます。
またはゴムホースでも良いでしょう


必ず、手で締まるところまで(ネジが全部入るまで)挿入します。
この時点で硬い場合はねじ山にトラブルを抱えている可能性があるため
ねじ山のクリーニングを行いたいところです。
特にCB400Fは角度があっち向いたりこっち向いたりしている為気をつけないといけません。


奥まで挿入したら最後にハンドルで本締めします。
これも締めすぎもいけません、「ぎゅっ」位にしてください、「ぎゅぅぅぅ」はNGです。(推奨トルク15~20N・m(1.5~2.0Kgm))

どうやら前オーナーは締めすぎる傾向にあるらしく、オイルパンのドレンボルト部も割れています。(真下がぱっくり)


そもそもドレンワッシャーがこの通りめくれてしまっています。
何の為にアルミワッシャーなのか?万一のときに力を逃がす為です。
めくれ上がってぺったんこのワッシャーではオーバートルクで締めた際に力は逃げずオイルパン自体がダメージを受けます。



ドレンワッシャーはお徳用3枚セットをご用意しています。¥105(税込)
プラグはDP8Z ¥1892(4本、税込)、D8EA¥1724(4本、税込)
以前にも書きましたがプラグの交換目安は3000~5000km、小排気量の高回転まで回す車両は3000km~、大排気量の回らないエンジンは~5000kmといった具合に着火回数で距離は変わることを覚えていてください

2008 2&4@グッドオールディーズEAST直前情報

2008-04-24 11:16:35 | ノンジャンル
ヒストリックマシンイヴェントの
「2008 2&4@グッドオールディーズEAST」
もいよいよ数日後になりました。

現地での当店の出店ブース(MORIWAKI ZERO-X1,RS400Rの展示)
の位置をお知らせいたします。


当日は、オリジナルグッズなども持っていきますのでお楽しみに!
また、すべてのパーツは持っては行けないので「これ持ってきて!」というものがありましたらご一報ください

当日はCB350F改RSCキット組み込み済み車両が走ります
また、CR110/93などの60年代の車両が大挙して集まるのもこのイヴェントならではです。
直管メガホンのエキゾーストノートを堪能してください。
今回、コレクションホールからRC164(250cc,4気筒)、RCB1000(耐久レーサー)、ブラバムホンダ(F-2)、S800RSC、
NISSANからケンメリGT-R(レーサー)、MID4がデモンストレーションランで走行します。
http://www.mobilityland.co.jp/goodoldays_m/news/demo1.html
http://www.mobilityland.co.jp/goodoldays_m/news/demo2.html

AM9時からイヴェントは始まります。
ゲートは混み合いますので早めにサーキットに入ることをお勧めします。
(ゲートオープン6:00)

今回、MORIWAKI ZERO-X,RS400Rを走らせる「体験走行」は16:00からとなります。

これは提案ですが、
二輪、四輪に関わらず'72年製以前の車両、レーサーをお持ちの方、これからベース車両を購入して製作しようと思っている方
年に一度ではありますが、比較的安いランニングコストでスポーツランを楽しむことが出来ます。
また、この機会にクラブ単位のミーティング、オフラインミーティングなどを行うのも良いのではないでしょうか?第2パドックまで入れますのでセキュリティ面でも安心かと思います。(ただし、大人として最低限のマナーは守りましょう)

去年の模様、CRレーサーがこんなに並ぶことはないですよ~

レーシングキャブについて

2008-04-22 11:41:59 | ノンジャンル
今回、車検でお預かりしたCB400F
CRキャブが付いていて、「スロー不安定」もご依頼事項なのですが
レーシングキャブの場合「セッティング」の領域になってしまいます。
今回も自賠責が安くなるので車検が切れてから1ヶ月延ばしてのお預かりとなったのですが、前回3月頭、今回4月中旬と気温の変化もあり、ジェット類の変更が必要になりました。

前回の車検でも「セッティング」を行っており
今回、キャブのジェット類をチェックしてみると
いじった様子が無い......
前回引き渡してからそのままのセッティングで乗り続けていたようですね
FCRと比べ加速ポンプが無い為かなりシビアで
各シーズンごとのセッティングは必須です。
(ボアUPしてある車両のほうがセッティング出しやすい傾向にあります。)
また、良くありがちな回転の落ちが悪い症状
これもアイドルストップスクリューのこまめな調整(かなりシビア)が必要になったりします。

当店では誰かまわずレーシングキャブの販売は行っておりません
必ず、エンジン排気量(CB400Fはスタンダード排気量での取り付けはお勧めしていません。)、必ず「自分でセッティングをやれますか?」としつこいくらい聞いて
「セッティング」をやりますとお約束いただけた方にしか販売はしていません
(あとで困るのはご本人ですから)
中には付いていることに満足して調子悪いまま乗っている方も少なくないです。

大型量販店みたいに「メリット」だけを説明して安易に販売するようなことはいたしません。必ず「デメリット」も説明します。

「今付いてるノーマルキャブが調子悪いのでレーシングキャブに替えたいのですが」
「レーシングキャブに替えれば早くなるのでしょうか?」
といった問い合わせがメールで来るのですが

「確かにパワーUPに繋がりますがこまめな「セッティング」が必要ですよ、燃費も悪くなる場合もあります。ファンネル(直キャブ)で乗るとエンジンの寿命を縮める場合がありますよ。」
と「メリット」、「デメリット」を説明して熟考していただいております。

また、中古キャブのリスクも説明しています。
レーシングキャブのボディは消耗品です。
長いこと使って調子が出なくなり売りに出ることも少なくありません
お客様の中でもインターネットオークションでそんなものをつかまされた方がいらっしゃいました。
新品を買ったが自分でセッティングが思うようにいかなくてノーマルに戻した為に売りに出たものなら良いのですが、ほとんどギャンブルの世界となります。
中古キャブの持込のセッティングもお断りしています。

セッティングというものは同じ仕様の車両が二台あって、全く同じセッティングになるかというとそれは否です。
必ず個体差があります。
作業自体も時間があるときにじっくり行わないといけません
メインジェット、スロージェット、ジェットニードル(ストレート径、クリップ段数)、エアスクリューなどいじる部分はその帯域に応じてたくさんあり、
一つかえるごとに走って様子見ての繰り返しになります。
いっぺんに2つ以上の変更はありえない話です。(どちらで調子が変わったか分からないでしょう)
また、良いと思っても更に悪くなるまで進めて
ベストなところへ戻します。
高速域は一般道では非常に危険です。シャーシ台(ダイノマシン等)があるお店に任せたほうが安心です。
また、必ずデータ取りは必須です。年間通してデータを取れば翌年からは楽になります。


最後にこれから取り付けを考えている方々へ一言
「セッティングが面倒であればノーマルキャブを完調にして乗っていることを具申いたします。」