Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

メールでの問い合わせ

2018-08-21 04:16:00 | CBR400F
ネットショップの顧客からメールで問い合わせが来た

「 タイトル 】 CBR400F バルブタイミング

【 内容 】
今、CBR400Fのカムシャフトをつけていて
一番左のin.exのかむ山を上になるようにしています、そして圧縮上死点にあわせて、カムホルダーとオイルラインをつけて、カムスプロケットのポンチ大を上に、ポンチ小をヘッド上面に合わせました。カムシャフトのボルトをつける位置が
スプロケットと合わずで困っています。
カムシャフトのスプロケ固定穴がヘッド面に対して垂直でないと、いくらスプロケがヘッド上面にあっていても、カムシャフトに取り付けできませんよね…
何かアドバイスをください!
何か間違いがあったら教えてください!
インターネットで調べてもわかりやすいのがなかったのでお聞きしました!」


本来であればCBX,CBRは修理部門から外したため
技術相談には一切お答えしていない


しかしながらNetShopでお買い物をしていただいていて
単発なら「ごめんなさい」と断るところだが
複数回ご注文を頂いており貢献をしてもらっている
これから将来的にも注文を見込めるお客様と判断し返答した

「問い合わせありがとうございます。
カムホルダーを締めたら
収まりの良い位置でカムは留まりますから
カムスプロケットの位置を合わせてこの時点で穴が合わない訳ですが
クランクを左右にゆっくり動かして穴を合わせてボルトを入れます
(バルブキスを避けるためにもタペットを完全に緩めておきます。)
やってみてください
シオハウス」


で、来た返答が
「回答ありがとうございます。
スプロケット大ポンチ上に小ポンチヘッド上面にをそれぞれ合わせて、
カムチェンをかけています。
まずin側のスプロケットを固定しまして、その時ex側を取り付けしたいのですが、チェーンをex側に回転しないとつけれません。(コマ2こ分くらいです。)
回転させるとin側スプロケットはボルトを止めているため、カムシャフトまで動きます。
動いていいのでしょうか?
また動かないと、ex側のスプロケットにボルトが止めれません。
タペットのナットはすべて緩めました。
どうすればよいでしょうか?」


話がまったく噛み合っていない

自分の説明もある程度メカをわかっているだろうと仮定して説明しているが
説明の仕方が悪いのかもしれない

そこで
「こんにちは
文章での説明は無理だと感じました
手が空いたときに絵を描いてブログにUPしますのでお待ちください
シオハウス」


この「手の開いたとき」が
ウチの店の場合は
こんな真夜中ということ

書いていて気になったのが
最初のメールのこの文言
「インターネットで調べてもわかりやすいのがなかったのでお聞きしました!」
ひょっとしてサービスマニュアル持っていない??
若い世代だと何でもインターネットで紙モノを見ない傾向にある
判らないことは「聞けば良い」「検索すれば良い」
昔、CBXの技術相談受けててサービスマニュアルも持たずにエンジン分解作業をしている人が普通に居ました。締め付けトルク値とかどうするんでしょう
CBRのパーツリスト、マニュアルも在庫していますのでよろしくお願いします。

パーツリスト¥4000+税、サービスマニュアル¥8000+税

さて、
送られてきた画像と共に説明しましょう
サービスマニュアルは持っていることを前提で話をします。

○スターターカバーの穴からTマークに合わる。
○カムシャフトの#1のカム山を上に向けカムホルダーを全部締める。
4つあるカム山によりカムは収まりの良い角度で固定されるため
カム側のねじ穴はヘッドに対して垂直にはならない
※締め付けトルク注意
(これは画像どおりで合っています)
本来ならばタペットを全部緩めて欲しいのです
ナットだけではなくスクリューも
たとえばCB400Fだとこんな感じ

ロッカーアームと面になるくらい緩める。
なぜかというと万一バルブを曲げるトラブルを避けるため
カムの角度の自由度が広がる

○さて次にカムチェーンテンショナーアームを引き上げ側面の穴にピン(太く固い針金で自作も可)を入れロックする。
(外れているときにやっておいたほうが簡単)

○カムスプロケットをカムシャフトに架ける。
向きは画像どおりでOK、小さなポンチマークをヘッド面にあわせる

この時点でカムスプロケットの穴とカムの穴はずれている
ダイナモローターのボルトにレンチを掛け
クランクをゆっくりと左右に動かしてカムとスプロケットの穴をあわせてボルトを仮締め
ボルトには緩み止め剤を塗布

たとえば画像ではIN側にボルトが付いているのでダイナモ側でクランクを左(反時計方向)にゆっくり回してEX側の穴をあわせてボルトを仮締め
一度戻して、Tマークとポンチマーク小とヘッド面が合っているか確認
この作業はプラグを抜いて行うことも推奨している。
万が一タイミングを間違えた場合にバルブとピントンが当たってしまうわけだが
プラグが付いていると圧縮などで判りづらい

問題なければ、クランクを1周回して反対側のボルトを付け締める(本締め)
もう1周クランクを回し仮締めのボルト2本を本締め

カムチェーンテンショナーからアームのロック用のピンを抜く

タペット調整は特殊工具のREVタペットホルダーが無いとできません



たぶんこれでわかってもらえると思いますが
参考にがんばってやってくださいね
さぁ、明日はゴミの日なのでまた早起きしなくちゃ
すこしでも寝ておくか





コメント (4)

メールでの問い合わせ

2015-12-26 02:31:00 | CBR400F
こちらもメールで問い合わせ頂いていて
返事を返していなかった案件

以前から何度か問い合わせを頂いている
NetShop常連さん
前回の問い合わせ

今回の問合せは
「こんばんは
以前質問させていただいたXXです
また聞きたい事がありまして
Tマーク合わせる所ってカバー側のボルトを外すと上に突起物が見えるんですがそれが合わせる所でしょうか(;-;)
パルス側には合わせマークありませんよね(^-^?
ご指導よろしくお願いいたしますm(__)m」


これまた
マニュアルに出てるのにな~と思いつつ
手が空いたときに返事しましょとそのときはスルー

そしたら4日後に再度問い合わせ
「Tマークの合わせの箇所の件なんですがパルス側で合わせるのかカバーのマイナス外して上側に見える突起部分で合わせるのか教えてもらえますか😰?
XとRのマニュアル見てるんですがXはパルス側にマークがあると写真で載ってます
Rはカバーごしの写真しかなくてm(__)m」


たしかCBRのエンジンをO/H中のはず
この場合はCBXのマニュアルは見る必要なしですね
同系統のエンジンとは言ってもパーツが違っている場合があります。
またCBXのマニュアルは試作車両を使っていますから
CBXに使うにも画像では現車と違うものがあったりします。
自分でCBXのエンジンのO/Hをしていた頃は必ずスターターカバーのチェック穴で合わせていました。
たしか溝だったか突起だったかどちらだか忘れてしまいました。
すでにCBX/CBRの修理を取扱から外して何年も経ちますので部品類もすぐに出るところに有りませんから現物確認もままなりません
CBRではパルスジェネレーターにマークが無いのではないですか?
(製造メーカーも違うはずです)
CBRのマニュアルどおりカバーであわせれば良いでしょう
突起があればそれにあわせれば良いと思われます。

店主が忙しいときは
タイムリーな返答が出来ないことがあります。
どうかご理解ください
また、お急ぎの場合は
本田技研のお客様相談室でも対応はしてもらえます。




メールでの問い合わせ

2015-12-10 23:35:00 | CBR400F
Netshop常連さんよりメールで問い合わせを頂きました。

▼SHIO HOUSE Net Shopへの≪ショップ≫お問い合わせ
==============================================================
【 お名前 】 XX XX
【 MAIL 】 XXXXX@docomo.ne.jp
【 タイトル 】 CBR カムシャフトについて

【 内容 】
こんばんは
いつもブログ見させてもらっています
質問なんですが
現在CBR400Fの腰上やっているのですが
ヘッドカバー開けて
カムシャフトをみたのですが
シャフトの先端部に切っ掛けがあるのですがその切っ掛けが4番シリンダーに来てるのですが
マニュアル見ると一番シリンダーにその切っ欠けが来てるんです
自分のエンジンが誤組なんでしょうか?
調子よく走ってました
教えていただけたら幸いです
よろしくお願いいたします、


カムは左右逆には組めませんし
IN/EXはカムに書いてありますし
誤組は無いかと思います

#1または#4のカム山の向きを合わせて組めば大丈夫です
(上向きまたは下向き)
組み付け時はタペットのアジャストスクリューをロッカーアームと面になるくらい緩めて作業してくださいね
(常に動くほうのロッカーアームだけでOK)


詳しく教えて頂きありがとうございますm(__)m
自分の考えでは
1番シリンダー側のカム山を上に向けると4番シリンダー側の切っ欠けが綺麗に2本横に向くんですが
合ってますでしょうか
Tマーク合わせた時にこの状態になってれば大丈夫ですよね(^-^?
あとはカムスプロケのポンチマークもヘッドの上側に合っていれば(^_^)
長々とすいませんm(__)m


妙に「切っ欠け」というワードに拘っている

「この切っ欠けとはカムシャフトの端の溝のことでしょうか?」

そうです!
溝です♪


この溝のことを言っていた訳ですが

これはカムシャフトを加工するときに機械にセットするときの位置決めのもの
サービスマニュアルには一言もこの溝のことは書かれていない

まず、エンジンを分解しているということは
サービスマニュアルをお持ちで見ながら作業しているはずですが
サービスマニュアルには溝に関しての記述は一切ありません
どこから溝を合わせる話が出てきたのかが疑問です。
溝は無視してください
サービスマニュアルの6-31カムシャフトの取付け通りに組めば大丈夫です



サービスマニュアル見ながらやっています(^_^)
写真を見るとカム山が真上ではなく若干斜め上になっているのですがそれでいいんでしょうか(^-^;


上を向くといってもIN,EX両方のカム山の頂点がきっちり真上を向くわけではなく
ロッカーアームの関係で収まるようにしか収まりませんので大丈夫です。


お返事ありがとうございますm(__)m
そう言う事ですね(^-^;
納得いたしました!!
忙しいなかお時間作っていただきありがとうございますm(__)m


なるほどですね、おそらくビギナーで
組むに当たりマニュアルの画像を参考にしているのですね
ただし、CBXのマニュアルみたいに試作エンジンで販売車両エンジンと異なる部分が非常に多かったり
年式により部品が変わっていたりします(たいがい画像は初期型)
CB400F/350Fにいたってはパーツリスト、サービスマニュアルのロッカーアーム周りの位置関係に間違いがあり、その通りに組むと異音が発生します。
分解する際には勢いで一気にばらしてしまう方が多いと思いますが
組み立て時に「どうだったっけ?」なんて良くある話
そんなこともあり常日頃から分解時の細かな画像撮影(バックアップ)を提唱しています。
組み立て時にも使えますし、いつどんな状態だったか記録に残すことも可能です。

本来ならばサービスマニュアルを読めば分かることですから
ブログ冒頭にも書いていますが
「サービスマニュアルに記載されていますからよく読んでくださいね」
で済ませてしまう案件なのですが
NetShop常連さんでかなり貢献して頂いていますので
その分のアフターフォローといった感じです
まさに「ギブ&テイク」ですね。

CBR400F車検車両続き

2015-05-11 21:07:00 | CBR400F
先日の記事の車検常連さんのCBR400F
ダイナモローターを巻き直し済品に交換して
電気も出るようになり
次は足回り
ブレーキは全バラにして点検、洗浄します。

前々回の車検でシール類、ピストンを交換していて
今回4年目なのでマスターシリンダーインナーキットやピストンシール、ブーツなどゴムパーツは全交換
ピストンはリア側にわずかな錆がありましたが微細で深くないので今回はスルー

シール溝の不純物も少ないですね
この中にまでアルマイトが掛かっているキャリパーは発生が少ないようです
CB400FやCBX400Fのキャリパーは4年経てば結構溜まっているものです。

ブラケット類、カラー類も外して洗浄、グリスUP

スイングアームも外してピボット、リンクのブッシュに新しいグリスを充填します。


※画像がおかしいのはデジカメの調子が悪くなったため。
この後ご臨終のため画像はここまで。

作業も完了し、車検場に向かいます。
当店は外注業者に依頼することなく
自ら持ち込むようにしています。

事前のテスター屋での光量チェックと光軸調整で
「回転を少し上げたほうが良いですね」とのこと
依頼事項でリレーハーネスも装着したのですが
メインハーネス、ケーブル類が古いこともあり
アイドリングでは光量が足りませんでした。

指示通りにして
無事、車検はパス。
また2年後の車検お待ちしています。

ちなみに
新規でのCBX、CBRの車検(修理全般)はお請けしていません
取り扱い車種から外してから
これまで当店で車検を通していたお客様のみとさせて頂いております。
その中でも、基本的にノーマルルックスの車両のみとしています。
以下の車両は以前お受けしていても今後はNGとします。
※パイプのUPハンやCBX1000ハンドル装着車、
※社外マフラー装着車で音量がオーバーしてしまうもの(99db)
※やんちゃ色の強い車両

一人でこなせる量も大体分かってきたので
それに合わすべく
CB350F/400Fに関しても
当店独自の規制を多少増やそうと考えております。

今日から「春の交通安全運動」が始まりました。
今朝も早起きして
地元警察署の出陣式ならびにパレードに「二輪車安全普及協会」のメンバーとして参加してきました。


白バイを先頭に周辺を一周パレードします。



年配の警察官が「写真撮っても良いですか?」と
「高校生のとき買えなくってねぇ~」と懐かしがっていました。
販売車両のオーナーさんも来ると云っていますが
CB400Fはおっちゃんに声掛けられてモテモテですね(笑)

パレードはスマホで写しましたが
まず使い勝手が悪い
いい加減、デジカメが無いと不便なので
先ほど近所の量販店で新品を買ってきました。
某オークションの中古品はこりごりです。

同じメーカーの最低限の機能の
携帯で云う「らくらくホン」みたいな安~いデジカメを購入
使いこなせないし、どうせ落とすので安いので充分です。

明日は日光街道でティッシュ配りです。
また早起きしなくちゃなので早く寝ましょ
メールの問い合わせもまた溜め込んでいますが
今しばらくお待ちくださいね。

発電不良

2015-05-02 00:15:00 | CBR400F
当店車検常連さんのCBR400F
CBX,CBRは取り扱い車種から外しましたが
これまで当店に継続して車検依頼されている方のみ
車検のみ対応しております。
ただし、基本ノーマルルックス車両のみの取り扱いとします。
集合管付きの車両で音量をオーバーするものは
大変に申し訳ないのですが対応が出来なくなります。

今回のCBRはRPM管が付いていますがかなり静か
音量測定も余裕です。
ただし、ヘッドライトが暗いのでリレーハーネスを組んで欲しいとの依頼事項
確認すると
暗いどころか「えっ?ポジションじゃないの?」といったくらいの状態
発電していないでしょう!
バッテリー端子電圧は

12V無いじゃないですか!

CBXの場合、CB400Fと違いバッテリー電圧が低くてもそこそこ発電はします。

エンジンを掛けると

5000rpmまわしてもまったく変わらない
まったく電気が起きていませんね

そこで発電チェックセットが登場
テスターで当たってもアテにならないので
現物交換テストが確実です。

まずローターを交換


おぉ~発電しました!

念のため他のパーツを更に替えて行きます
ステーターコイル


変わらず、

次はレギュレーター

これもほぼ変わらず

大幅に変わらなければ大丈夫ということ
ただし13,5Vで止まるのは少なすぎる

バッテリーを端子電圧12.5V程度のテスト品に交換

エンジンを掛けると5000rpmも行かずに14Vオーバー


付いていたバッテリーはフル充電して、一晩置いてどれだけ電圧降下するかチェックします。

今回はステーターも若干ではありますが性能低下しているものの
ローターを巻き直し品に交換して対応します。

ハーネス、コード類も古くなって内部抵抗が増えていますから
さらにリレーハーネスを組んで十分な明るさになりました。
これで何の問題もなく車検通るでしょう。

このテストを行わずにあてずっぽうに交換していくと
大きな浪費の原因になりますね。
いざというときに部品を貸してくれる友人
仲間内でこの辺の電気部品のストック
大事なことですね。