Maintenance SHIOHOUSE

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「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

CBX400FエンジンO/H

2008-10-30 23:59:30 | CBX400F/550F
青森からの依頼の単体O/Hのエンジン、予定をかなりオーバーしてやっと完成
ご本人も雪が降る前に乗りたくて待ち遠しかったと思います。

発送後、お客様より頂いたメールです。

「この度は、CBX400Fのエンジンオーバーホール誠にありがとうございましたm(__)m
今日、無事に乗り出せました(^^)
正直な感想は、エンジンも静かで、、アイドリングも安定し、、アクセルレスポンスもとても良く、オイルの滲みも無く、、乗ってみて拍子抜けする程、安心できる エンジンだと思いました!
これからは、きっちり慣らしをし・・オイル交換も、もちろんマメにし・・このエンジンを大切に、壊さないよう磨耗させないよう大事に乗り続けていきたいと思います(^^)
また、今後ともご指導の程、宜しくお願いいたしますm(__)m」

このようなメールを頂くとまさに「メカニック冥利に尽きますね」

エンジンO/Hのお客様に配るステンレス製のプレート、また在庫切らしてしまいました。O/H済のお客様しばらくお待ちください
出来上がり次第、発送します。

今も次の順番のCBXのエンジンに取り掛かっています。
ケース、コンロッドのメタルあわせだけでも膨大な時間が掛かってしまいます。
(サービスマニュアル、パーツリストの勘合表で合わせてハイ、OK!とはいきませんからね~)
これも追って書き込みます
コメント (1)

完成!

2008-10-29 16:37:30 | ノンジャンル
10/16の記事の車検でお預かりしたCB400F、時間掛かってしまいましたがやっと完成。
本日、お引取り頂きました。(某ディーラー勤務のため休みが一緒なのです。)

お引取り前に試乗して確認して頂くのですが、まるで別物になったと喜んでいただきます。そもそも手に入れたときの状態がスタンダードになっていて「こんなものか」で乗っている方も多いようです。

前回UPし忘れたリアブレーキカム

よっぽどの力でブレーキペダルを踏んでいるのか、トルクロッドでも脱落させたかとんでもない応力が掛かった証拠です。
折れるリスクを考え中古良品に交換しました。
納車1週間でトルクロッド前方のボルトが脱落し折れたパターンも
(バックナンバー参照)



BBSの返答

2008-10-29 00:24:09 | CBX400F/550F
BBSでこのような質問を頂きました。

「店主様 こんにちわ。
いつもブログ等、拝見しております。
ご質問があるのですが、宜しいでしょうか?
現在、自分でCBXのレストアを行っているのですが、
エンジンを塗る際に、自分で塗れる純正に近い(半艶?)お勧めの塗料などありますか?
また、先日のブログのCBX圧縮回復ですが、燃焼室クリーナーとはどのような物で、
どのような使用方法なのでしょうか?
企業秘密の部分もあるかと思いますが、回答できる範囲内で結構ですので、
アドバイス頂けたら幸いです。 」



当店の場合は専門業者に依頼しブラスト~ペイント(耐熱半ツヤブラック)まで一貫して作業していただいています。
※ブラスト~ペイントの間はなるべく早く行わないと目に見えぬ腐食が進んでしまいます
市販品の耐熱塗料は完全硬化する前は溶剤に弱いものがほとんどでパーツクリーナー、ガソリンで流れてしまう場合も有ります。
ホンダ純正の耐熱半ツヤブラックもいい色気をしていますが、完全硬化するまでは注意が必要です。
当店ではCB400Fの集合管を塗るのに使っていますが、乾燥は業者に依頼し釜で焼いてもらいます。その方が安定します。
モトメンテナンス誌などではストーブを使った簡易乾燥炉が出ていますので参考にこしらえるのも良いでしょう(必ず火事を出さないように注意すること)

燃焼室クリーナーに関しては、HPのケミカルのページに出ているキャブクリーナーを使っています。大型用品店にも泡タイプのキャブクリーナーは多種置いています。

使い方は充分に暖めたエンジンのプラグホール、インテーク側から流し込んで燃焼室のカーボンを溶かすものです。

ただし、ビギナーにはお勧めいたしません
強力なケミカルですから、色部品を侵したり、肌にも優しくありません
また、中途半端な作業では残ったカーボンが後から剥がれて大変なことになるかもです
処置後エンジンをかける際にとんでもない白煙が出ます。(通報されないように)
匂いもきついので街中では異臭騒ぎ確実です。
製品によっては使用方法が書かれていますので参考にしてください




電気系統の質問

2008-10-28 23:53:17 | CB400F/350F
先日、タペット調整でお問合わせいただいた常連さんより再度メールを頂きました。

「店主殿、こんばんわ、○○です。
この間は、ご迷惑をお掛けしまして申し訳ありませんでした。
タッペトは、のちほど専用工具を購入させていただきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。
ところでまたまたおききしたいのですが、
ツーリング中、突然電気系統が切れて止まってしまい(ヒューズ切れ)ました。
その後セルをニュートラルにしてボタンを押しましたが反応せず、ニュートラルでクラッチを握るとOK,
ニュートラルのときは、セルは、回りますよね?(朝は、普通に回りましたが電気落ちてから変わりました。)
バッテリーも充電がされていないような感じで弱弱しくなてしまいました。
ヒューズ切れの原因は、タペット調整後のホーンの配線をそのままはずしぱなしでフレームに干渉していたのが原因?のようでしたが、
セルの件が不明です。クラッチスイッチが原因でしょうか。
また、クラッチスイッチは、どのように取り外すのでしょうか?
ご伝授ください。(バッテリーも弱ってるとおもいますが・・・)
よろしくお願いします。」

やはりそのまま出掛けてトラブルが起きたようですね。
ツーリングやイベント直前に慌てて作業するのはこのようなリスクを伴います。早めに準備はしておきましょう

配線を外したまま走行してショートさせたのは完全に
最後に「手をつけた場所をすべてチェックをする」のを忘れたのでしょうね。
必ず組み忘れ、締め忘れが無いか確認しましょう。
さらにショートする可能性のある電源の配線はメスのギボシにしておくのが鉄則です。万一外れてもカバーがあるので安心ですね。

車検などでお預かりして診断で試乗後、点検していてその辺やたら緩んでいてぞぉ~っとすることはよくあります。

ショートの原因はご本人気が付いたようなので
それからセルが回らなくなった、
充電していないような気がする、

「ここですよ~」では安直過ぎますので
ヒントを出します。

クラッチを握るとセルが回る=クラッチスイッチが作動している=クラッチスイッチはOK
あとは、配線図を見ながら、セルモーター~クラッチスイッチなどが関わっている配線を追いかけて可能性を絞っていきます。(P88の始動装置だけの配線図でも良いでしょう)

充電に関してもバッテリーを満充電して、エンジンを掛けてバッテリーの端子電圧を測り電気が来てるか確認します。
来てなければ同じように配線図を見ながらどこまで来てるか、どこかでロスしていないか探します。

電気は見えないだけに二の足を踏みがちですが、そのままでは覚えません
頑張ってください。

常連さんとはいえども甘やかさないのがウチのやりかたです。

それでもどうにもならなかったらさらにヒントを差し上げます。
その代わり、それまでにどんな作業をしたか報告していただきます。


長期熟成ブレーキの分解

2008-10-27 12:49:25 | CB400F/350F
最近流行の長期熟成シリーズ
今回はお客様から持ち込まれたCB400Fのブレーキ
以前、某インターネットオークションで購入しスペア用にストックしておいたもの。
ぱっと見きれいで、ブレーキホースも最近のものでバンジョーが黒いタイプ
中身も同じように程度がよければと分解始めると


単体の場合、この状態からピストンを外すのが大変、パッドまで固着しているパターンもあります。
何でも良いですからマスターシリンダーを用意してホースを繋ぎ
油圧を掛けて外します。普通に使っていたものであればエアガンで圧縮エアーを送ればピストンは抜けますが長期熟成物でピストンシールが不純物で内面から押されていた場合、びくともしない場合が多いのです。


キャリパーBにパッドが固着、下側の隙間からドライバーを差し込み、分離させると結構きています。


キャリパーAに油圧を掛けてピストン、パッドを外してみると.....
おなじみの状態でした。(がっかり)

ピストンも本来シールから上の露出している部分が錆びるのですが
珍しく内側に錆が見られます。

その他の部位をどんどんバラして行きます。

フレアナットは必ず専用レンチを使いましょう。通常のスパナではなめさせてしまう恐れがあります。
工具に関しては自分はスナップオン信者ではないのでこれというもの数点持っているだけです。


分解完了、キャリパーステー&シャフトはガタが少なく使用距離は少なそうですが保管中に錆などで程度が悪くなるので、できれば分解、洗浄して保管しておいた方が安心ですね。

内部、洗浄、磨き後のキャリパーA,B

シール溝が古くなったフルードで侵されてあばたになっていることがあります。
ひどい場合は何度シールを交換しても漏れが止まらない場合があります。

今回分解せずにこのまま保管していれば、外見とは裏腹に内部の痛みが進んでしまいます。