Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

チェーン調整

2014-11-29 19:45:00 | 作業日誌
寒くなってきましたね~
この時期になると週末でも自走でいらっしゃる方が少なくなります。
当店の場合、お客様の年齢層は結構高く
おっさんばかりですから
寒さ、暑さにはめっきり弱いですね。
(店主も同様)

OFFシーズンに入ったところで
メンテナンスに精を出している
(メンテナンスを行う準備をしている)
お客様も多いようで
NetShopでもメンテナンス用のパーツや工具の注文が増えています。
2~3台分のストックしかしていませんから
同じ部品がかち合うと在庫切れになりお待たせする場合もございます。
また、工具に関しては在庫が切れると入荷までお時間が掛かります。
早めのご注文をお願いいたします。

しばらくメンテナンスネタを中心に展開しようと思います。

今回はチェーン調整

これも取扱説明書に書かれているように
日常点検でオーナーが行うべき作業

※取扱説明書(¥2000+TAX)はNetShopには掲載していません、大人の事情でパーツリスト、マニュアルともども裏メニューとなっています。
希望者はメールかNetShop注文時に備考欄に一言お願いいたします。


まず、

駆動系の作業を行う場合は絶対にエンジンを掛けたまま行わない
私らメカニックにとって当たり前のことでも、ビギナーは時に思いもよらぬ行動をすることがあります。

○センタースタンドのある車両はセンタースタンドを掛ける
サイドスタンドのみの車両はジャッキなどでリアを浮かせると良いでしょう
ただし、不安定な状態での作業は禁止。フロントホイールの輪止め、輪ゴムやタイラップでフロントブレーキレバーとグリップを固定しブレーキが掛かった状態にして車体が動かないようにします。
※センタースタンドはメンテナンスには有効ですね。

○チェーンアジャスターのボルトのアジャストナットを緩めておきます。
○割りピンを抜いて、アクスルナットを緩めます。
○ドライブチェーンの緩みをチェックします。

ホイールをゆっくり手で回しながら一番緩いところを探します。
(張る所と緩いところがあるのが分かると思います。)

エンジンを掛けていないとはいえ
軍手は使いたくないですね
出来れば手にぴちっとフィットした、手術用のようなビニール手袋やウレタンコーティングされた手袋などが安心ですね。

それでもホイールを回す際にスプロケットとチェーンに噛み込ませないように細心の注意を払いながら作業したいものです。

○アジャストボルトを締めてチェーンの遊びが10~20mmになるようにします。

○左右のアジャスターの目盛りをだいたいあわせます。

これでホイールを軽く回して異音が出たり、妙に抵抗がある場合は少し戻します。
(チェーンの伸び、スプロケの磨耗の可能性)
または遊びが大きい箇所が別にあればそこで再度調整します。

チェーン調整の目盛りが意外とファジーなので
当店のお勧めする方法が
巨大ノギスやメジャーを使って「数値で確認」すること



このようにスイングアームピボットボルト中心からリアアクスル中心までを測定します。
意外と目盛りが狂っているのが分かります。

手を放して左右どちらかにゆっくりと寄っていくなどの症状は
これで改善する場合もあります。
(本来メーカーでは手放し運転は推奨しておりません、気をつけて行ってください。
CBXは危険ですから絶対にダメですよ。)
※フレーム、スイングアームのアライメントの狂いの場合も有ります

左右の寸法が合って、遊びも規定値、スムーズにまわることが確認できたら
アクスルナットを締めましょう
トルクレンチを使い80~100N・M(8~10kg-m)

NetShopでラインナップしているトルクレンチはエンジン作業を中心としたLoレンジ用(10~50N・M)
車体周り用にミドルレンジも欲しいところですね
この辺はネットオークションなどでやたら売ってる、車のホイールを締める用のトルクレンチでも良いでしょう。
使用箇所にあわせて複数用意して使い分けるのが良いでしょう。
80N・Mで締めて、割りピンの穴を合わせるのに再度少し締める感じで良いでしょう。

忘れてはいけないのがロックナットを締めること

アクスルナットを締めて、終わったと思い緩んだままだと
走行中にアジャストボルトごと落としてしまうことになります。

最後にチェーンルブを塗布して終了ですね。
今はいろんな製品が売られています。
飛び散りにくいホワイトタイプのものから浸透して時間が経つと揮発して落ち着くもの
当店ではもっぱら後者


RKジャパンさんでは動画で説明しています。
http://www.rk-japan.co.jp/motorcycle_goods/special_content/

放置車両その後

2014-11-29 00:07:00 | CB400F/350F
長期放置車両の強制潤滑に関しては賛否ありますが
雪国の方で「冬場長期エンジンかけずに置いておいて春になって動かして壊れたことはないよ」とおっしゃられる方もいらっしゃいます。
当店で行っているものは
あくまで店主が良かれと思ってやっていることです。

まず、アダプターをセットして


オイルがヘッドまで行ったことを確認する為タペットキャップを外し、
圧縮が抵抗になりますからプラグははずしておきます。


供給スタート!
やがてオイルパイプからオイルが噴出し始めます。

#1、#4のメインベアリング部から上がってきますので
クランクにも油圧が掛かります。

そこでゆっくりとクランクを回してなじませます。


見えない部位への処置ですがとても大切なことだと店主は考えます。
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メールでの問い合わせ

2014-11-28 23:21:00 | CB400F/350F
NetShop常連さんからの問い合わせ

「何時も,大変お世話になっております。

先日は,ブログに掲載して頂きありがとうございました。
凄く嬉しかったです。
今回もずっと気になっていたことなのですいませんが三点ほど宜しくお願いいたします


「シフトチェンジペダルについて」
純正品は真上から見た感じはサークリップで止まっている支点部分からペダル先のゴム
部分までまっすぐに作られているのでしょうか?

自分の現在付いているものはペダル先ゴム部分より3~4cm位の所よりエンジン側へ
少し曲がっていました。この状態だとシフトチェンジする際にペダルが内側に入りすぎ
ている感があり,足先を内側へ意識的に曲げないと引っかかりにくい状態になる訳です

というのも自分のペダルには先端の金具(左側)に擦ったというか倒して付けたと思わ
れるキズがあり必要以上に内側へ曲がっているのではないか?と思った訳なんです。

20年前最後に乗っていたときはバックステップを付けていた関係で気づきませんでし
た。
そこで,色々な装着写真を見てみたのですが,若干先の方で内側へ曲がっているような
気がしますが,やはり良く分からないです。
添付させて頂いた写真は取り外して曲げを直してしまった後の写真なのですが,(まっ
すぐに戻し過ぎたかも知れません)実際シオさんの所にあるヨンフォアはどうでしょう
か?まっすぐ作られているのか先の方で曲げて作成してあるのか?
ちなみに,リプレイスで作成されているアゲイン製のものはまっすぐの様に見えるので
すが・・・
取り付けてある実際の画像を見せて頂けると大変ありがたいのですが。

二点目
フロントキャリパーボルトを2本クロームメッキ製(シオさんにて購入予定)に交換し
ようと思うのですが,一本ずつ抜いて交換すれば問題ないでしょうか?また,交換後の
調整等必要でしょうか?

三点目
クロームメッキ処理は受け付けているのでしょうか?
受け付けて頂けるとした場合,値段はどれ位に成るのでしょうか?
物は一点目にお尋ねしているチェンジペダルで,画像で分かるようにサビが結構出てい
ます。可能な限り落とすつもりではいるのですが,リプレイス品を購入した方が再メッ
キするより安いのかその辺を知りたいです。

大変お忙しいところすいませんが宜しくお願いいたします。」



こちらこそ、いつもたくさんの部品購入ありがとうございます。

「シフトチェンジペダルについて」
ラインオフして40年経ちますから
曲がっているものが非常に多いです。

純正品の新品がありますので計測しましょう

※非売品ですよ~


分かりやすくすると


修正はバイスや油圧プレスを使うと良いでしょう。

二点目
キャリパーボルトの交換なら
いっそ、キャリパーAの内部をチェックして(漏れのチェック)
掃除、パッドグリスの塗り替えをすることをお勧めします。
自信がなければ、書かれているように1本ずつ交換しますが
1本交換したら完全に締めずにもう1本交換して最後に両方を締めます。
(締め忘れると大変なところです。)

三点目
クロームメッキに関しては納期が読めない部分があり
メッキ屋の混み具合で変わってきます
またこれから年末に向かい更に混みますから時間がまったく読めなくなります。
お客様商売をしているわけですからマメにこちらからメッキ屋と連絡を取って、マメにお客様に進行状況をお知らせするのが本来であって
現在の私の状況を考えると
ひとつことを始めたら他のことに頭が回らない状況なのです。
それでお客様にご迷惑をお掛けするなら、いっそ受付をしないほうが良いと考えたのです。
こちらから完成連絡が行くまでひたすらお待ちいただけるお客様も居れば、予定より遅れたら逐一進行状況を伝えて欲しいお客様もいらっしゃいます。
すべてに対応が出来ないならやめるべきだと考えました。
どうかご理解いただければと思います。
例えばメンテナンス系の雑誌には専門職のインデックスが掲載されていたりします。
メッキ屋さんも何件か載っています。
ディスカッションしてみて「大丈夫だな」と思うところがあれば依頼するのもひとつの方法です。
また、純正品の形状に拘らなければ社外品も有りだと考えます。(断面形状の違い)
参考にしてください。

壊れた

2014-11-28 10:18:00 | 病気自慢(人の振り見て我が振りなおせ)
先週、中ごろから始まった腰痛
週末のお台場イヴェントの準備もあり
みるみる痛みが酷くなっていたのに
接骨院が目の前にあるにもかかわらず
我慢して準備を続け
連休明けには身動きがとれず
やっと接骨院へ

毎日通院していますが、今回のはしぶとく
これ以上無理せずに治療に専念しないと
長引くと年末進行に支障をきたします。

店内改装もSTOPして
事務所内は段ボール箱の載った台車であふれています。
狭い中ではありますが
お台場で展示した車両は事務所に置いてありますので
ご覧になることが出来ます。

あのイヴェントは四輪がメインなので
毎回、商売にはつながらず「みせびらかし」状態
店主の趣味で仕事にかこつけて車を見れる場となっています。(笑)

身体もバイクも酷くなる前に治療する
大事なことですね

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長期放置するとどうなるか=人の振り見て我が振りなおせ

2014-11-26 00:04:00 | CB400F/350F
当店では車検のときしか現れないお客様など
めったに現れないお客様は
「便りが無いのは調子が良い証拠」と考えています。

ところが逆に長期放置して(乗っていなくて)現れない場合も

当店の常連さんですが、仕事が多忙なのと身体を壊してとダブルでまったく乗れなくなり
はや10ヶ月余り
車検の時期ということでオファーが来たのですが
すごいことに…

まずは引き回しが異常に重い
フロントの空気圧は…

リアは…

これでは重いはず

家が近いこともあり、押してきたのですが
(普段からブログに書いてある「ドライスタートによるメタルアタック」を覚えていてくれて
エンジンはクランキングせず)
しかし、これではまた具合が悪くなってしまいそう

エンジンはもちろん強制潤滑でオイルラインにオイルを回しながらクランキングして
メタルへのダメージを回避します。

バッテリーは液こそそこそこ入っていますが

充電器に掛けると電気が入っていかない=合掌

シートを開けると…むむむ
タンクバンドが濡れていて、シートの底板も錆が酷い


嫌な予感を感じつつツールトレイリッドを開けると

池になっていました。
良かったですね二輪専用ETCで(防水仕様です)

ん、テールライトレンズに変な模様が…

まさか…

確信に変わりました。
レンズを外すと

あらまぁ

ボディカバーを被せていても意外と浸透します。

なにやらキャブの周りから香ばしい臭いがします。
ドレンを抜くと

出てきたのは激しい臭気を放つ、緑の液体

ドレンボルトの先端を見ると中がどうなっているか安易に想像できますね。

外して、フロートチャンバーを外すと…





ほぼ皆こんな状態
フルO/Hとはいかなくても、最低でもボディは分割しないでの最低限のO/Hが必要ですね。

いつ、長期放置に発展するかは予測が付きません
普段からなるべくフロートチャンバー内に最低限のガソリンだけにしておくべきでしょう
かならず帰ってくる途中でコックをOFFにして帰ってくるとか
都度、ドレンから抜くのも良いですがOリングの定期交換が必要になります。

そのほかにも屋外に置いておいてノーメンテだと特にクロームメッキ部分に錆が発生します。


アルミ部分は腐食で白くなりますね



余計な出費となってしまいました。

読者の皆さん、心当たりがありましたら
早めの処置を具申いたします。


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