Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

ドライバーは消耗品(2024)

2024-06-30 13:42:45 | メンテナンス

これは読者の皆さん警告したくて、溜まった車検車両のネタをすっ飛ばして今回の車両の件ですが緊急UP

 

古いバイクだと̟+ビスを使っている場合が多い

+の溝が崩れているものを当たり前のようにみる

今回の車検車両も依頼事項で「コネクティングチューブバンドのネジがあがった」と言われ

ねじ山が舐めたのかと思ったら+溝が舐めていた

ここまで酷くなる前に交換しなかったのか

良くありがちなのは摩耗して先端のエッジが無くなり角が丸くなったドライバーで作業しているのではないかという疑念

なんならこんな状態でも先端のエッジがシャープに残っている新品同様のドライバーなら

なんとか引っ掛かって緩んでくれる

ダメな場合はドリルで頭を落として外す

インシュレーター側も確認し怪しいビスがたくさんあるので全部交換する

左右スイッチのビスも舐めかけているので交換

摩耗したドライバーを使うことで2次災害を起こしてしまう

また、サイズ違いで舐めさせることもある

今回のインシュレーターバンドやスイッチの5mmビスは#2のドライバー

エンジンカバーなどの6mmビスは#3ドライバー

6mmビスに#2ドライバーを使うと溝とドライバー先端がジャストフィットせずにゆるゆるなので

接触面積も少なく安易に舐めさせてしまう

当店は仕事ですからドライバーは定期的に交換

引っ掛かりが甘くなったと感じたら迷わず交換します。

車載工具でメンテナンスする人は居ないと思いますが(あくまでも出先での緊急用)

工具もある程度吟味して所有したいものです。

 

6年前の記事だが参考にしてください

「ドライバーは消耗品」

https://blog.goo.ne.jp/shioblog/e/9c845b91781f4e4dd9302960fee7190e

 

今回の車両、キャブレターがインシュレーターにきちんと入っていませんでした

万一二次エアーを吸って混合気が薄くなったらエンジンは壊れてしまいます

作業後の確認は怠らないように

 

 

 

 


久々のコンベンション

2024-06-19 09:08:30 | イベント

コロナが流行り始め人混みを避け工業系のショーにも行かなくなり

コロナが明けたら親の介護が始まり外出に制限が出来てしまう

親がショートステーに行ってくれれば時間は作れるが行きたくないというのでどうにもならない

今回は妹と都合が合って親の面倒を交代してもらい、久々に行けることになった。

今日から3日間開催される「ものづくりワールド」

ものづくり、クリエイター向けの巨大なコンベンション

新しい技術を目の当たりにできるので自分の勉強も兼ねて行くようにしている

まともに全部見ようとすると1日じゃ回りきれないため自分が興味あるもの。仕事につながるものをかいつまんで半日で回ってくる

午後はそのまま新宿に行ってTOPGUNマーヴェリック再上映してるので見に行ってきます。

久々に息抜きが出来そうです。

 

関係者各位

スマホが壊れ機種変更したのですがデータ移動ができず

LINEもPWを忘れて移動できず新しいIDに変わりました。

時間が出来たときに新しいIDで招待メール送りますので今しばらくお待ちください

すでに数名から「どうした!!」と問い合わせがあり「大丈夫、生きています。(笑)」と返事をしている

 


メールでの問い合わせ

2024-06-14 00:20:56 | CB400F/350F

NetShopのリピーターさんより問い合わせを頂いた

 

「いつもお世話になりCB400f逆車未登録を購入いたしました。

これから、登録にもっていくところですが、クラッチの具合が良くありません。

クラッチ調整して、キックでクラッチを握るとしっかり切れるのですが、センタースタンドをかけエンジンをかけると、リアタイヤが周ります。

スタンドをしなしエンジンをかけ1速に入れクラッチを握ると何とか前に出ず耐えていますが、ギアが入りません。

エンジンを切ってニュートラルにしないとできません。オイルも交換し、(ホンダ純正オイル)オイルの量も適量です。クラッチ板を交換しないと駄目でしょうか

ミッションは、センタースタンドをかけて、少し硬いようがしますが、全部入ります。

お忙しいところ申し訳ありませんが、ご教授頂ければ幸いでございます。」

 

急ぎのようなので差し当たりクラッチレバーの遊びを少なくするように返信した。

ニュートラルから1stギアに入れた際に動こうとする、ニュートラルに入れたいがシフトが固くギアが入らない

なんていうパターンはクラッチが完全に切れていない場合が多い

クラッチレバーの遊びがありすぎてレバーを完全に握ってもクラッチが切れていない場合

また、エンジンが冷間時と充分に温まっているときで遊びが変わる

冷間時はパツパツ多めに作っておくと温まって更に増えて切れなくなる

また、エンジン側でのレリーズ調整はサービスマニュアルに載っているので確認したほうが良い

エンジン内部ではクラッチプレートが歪んでいると切れ不良を起こす場合がある

クラッチフリクションディスクとクラッチプレートと重ね合わせたときに隙間が出来ないこと

プレートが歪んで隙間が出来ているとクラッチレバーを握ってもプレートとディスクが接触していて切れが悪くなる

クラッチアウターのバケット部分にフリクションディスクの溝が出来てしまい切れが悪くなる場合

レリーズ部でレバーが動くと3つのスチールボールが徐々に狭くなる溝を動いてリフタープレートを押すのだが、ボールや溝が錆や摩耗で移動量が少なくなっている

はたまた、エンジンオイルを入れすぎても抵抗が増えてしまい切れ不良を起こす場合がある

 

今回の質問者さんには該当は無かったが

クラッチを軽くするためのパーツ

ワイヤーのタイコが入る穴を加工してレバー比を変えたクラッチレバー(ハンドル側)

アーム長を長くしてレバー比を変えたクラッチレバー(エンジン側)

これらはレバー比を変えて捜査を軽くしているがエンジン側クラッチレバーの移動量が少なくなるために遊びの調整がシビアになる

まら、クラッチケーブルも

純正タイプの鉄の単線を撚ったもの

細いステンレスワイヤーを撚り合わせたもの

後者はCB400Fのようなクラッチが重い車両ではクラッチレバーを握った際に伸びが発生し

純正タイプのスチールケーブルに比べるとエンジン側アームの作動角が少なくなる

(というわけでCB400F用クラッチケーブルはスチールケーブルの物しか取り扱っていない)

参考記事

https://blog.goo.ne.jp/shioblog/e/957c772a6c87af43c8a775d858a18c32

https://blog.goo.ne.jp/shioblog/e/8b3e9c97db2851da111105675eb05dd0

 

参考にしていただければと考えます。

 

 

 

 

 


NetShopのお客様よりメールで問い合わせ

2024-06-07 01:23:55 | メンテナンス

NetShopリピーターさんよりメールで問い合わせが来ました。

「SHIO HOUSE様
こんにちはXXと申します
部品購入でお世話になっております。
早速で有りますが先日購入したクランクシャフトベアリングについて
お聞きしたいのですがエンジン後方の刻印はB.C.C.C.Cとされていたので
ベアリングをBを2個(ブラウン) Cを8個(グリーン)注文しました
.クランクシャフトをマイクロで測定すると
31.85mm 31.85mm 31.90mm 31.90mm 31.85mmです
クランクケースの外径は測定機が無い為実測していません
私の購入品で正しいのか不安になりましたので質問をお願いします
 元のクランクシャフトベアリングは色がきえて居て分かりません
どの場所に有ったか外れて仕舞い混ざってしまって判別不明です
1/1000まで図れるマイクロで測定しましたが不明でした
その為プラスチゲージでの測定はしていません.

よろしくお願いいたします。」

 

まず、CB350/400FOURのサービスマニュアルが非常に不親切というか

プロ向けの感があるため、「プロなら知ってて当たり前」みたいなことには触れていなかったりする

今回のクランクベアリングの選定に関しても

クランクケース内径、クランクシャフト軸外径、コンロッド大端部、クランクピン外径を測定しろという

マイクロゲージ、ダイヤルゲージが無ければ出来ない、無論ビギナーが持っているはずもなく

買い揃えたとしても慣れなければきちんと測定できないだろう

 

本来、ベアリングの選定はクランクケースの内径コード(上の画像の左ページの図の左列)と

クランクシャフトの軸の外径コード(同上列)で判定するが、肝心なコード番号が載っていないのが分からなくする元凶

 

例えばCB400F(398)用のパーツリストならクランクシャフトのページに選択表が載っており非常に分かり易い

408のパーツリストにはこの表は無いため、408オーナーでも398用パーツリストを推奨している

メインベアリングの選定は

クランクケースのコード番号(アルファベット)とクランクシャフトのウエブにスタンプされたコード番号(数字)で判定する

コネクティングロッドベアリングの選定は

コネクティングロッドのコード番号(数字)とクランクシャフトのウエブにスタンプされたコード番号(アルファベット)で判定する

クランクシャフト、白文字でスタンプされているのが分かるだろうか(黒文字だったり刻印の場合もあり)

スラッジで見えなくなっている場合もあり、やたら擦って洗浄すると消えてしまう場合もある

水溶性のパーツクリーナーなどでスラッジを溶かすと良いだろう

どうしても読めない場合はマイクロメーターで計測する

自分はエンジンを分解して部品としてストックする場合にコード番号と各軸部での振れを書いておく

ダイヤルゲージの動いた数値だが、実際には半分の数値になる

CB400Fの場合は398/408の区別も書いておかないと後で面倒

 

コネクティングロッド

内径コード(数字)

重量コード(アルファベット)

このように見えなくなっている場合もある

この場合は保管する際は4本まとめて、使うときはこの4本で使うようにする

 

例えばこのクランクケースとクランクシャフトで選定すると(先の398パーツリストを参照)

クランクケース  A / B / A / B / B

クランクシャフト   1 / 1 / 1 / 1 / 1

ベアリング   D(黄)/ C(緑)/ D(緑)/ C(緑)/ C(緑)

コネクティングロッドは4本とも#2と仮定し

コネクティングロッド 2 / 2 / 2 / 2

クランクシャフト   A / A / A / A

ベアリング    D(黄)/D(黄)/D(黄)/D(黄)

このように選択する

っクランクシャフトのコード番号が見えない場合にはマイクロメーターで軸外径を測定、選択しプラスチゲージで確認して決める

コード番号が分かってベアリングの選定をした場合でもプラスチゲージでオイルクリアランスは確認したほうが良いでしょう

50年経っているバイクですから軸がわずかでも細くなっている場合もある

この仮選択でメインベアリングにD(黄)の部分があるが廃盤となっていて手に入らない、この場合は付いていたベアリングに問題が無ければ(焼き付き/かじり/摩耗大)

古いものをそのまま使わないといけない、または厚くなるがC(茶)を入れてみてプラスチゲージでオイルクリアランスを確認して規定内に入っていれば良いだろう

エンジンを分解した際にメタルは何処に?上下どちらに?を分かるようにしておかないといけない

(この画像はCBX400F、上2段がメインベアリング、下2段がコネクティングロッドベアリング)

側面の色はまず消えているだろうからどこに付いていたか分から無くなればもう使えなくなってしまう

よく聞かれる話でベアリングの裏側の数字からは色は分かりません

 

今回の質問の内容だとクランクケース背面のコード番号だけで判断してベアリングを買いそろえてしまった様子

まず、クランクシャフトのコード番号が読めるかどうか読めなければ計測した数値から割り出すようになる

必ず最後にはプラスチゲージで確認して欲しい

 

 

例えばCBXあたりの縦型A4版サービスマニュアル

こちらはビギナーでも分かり易いかもしれない

コード番号の位置が載っている

※実際にはクランクシャフトは側面にスタンプか電気ペンで書かれている

 

 

 


自分の身は自分で守れ

2024-06-03 08:42:52 | ノンジャンル

先日、ウチの代車の全損事故の件で右直事故に対して

右折車両に警戒するように警鐘を鳴らしたが

自身を守る装備についても考えて欲しい

この前打ち合わせでお越しになったお客様、スクーターで来たのですがきちんとプロテクターを装備

胸部プロテクターを装備、肺の損傷も致命傷になることを分かっていらっしゃる

半袖で運転はいかがかと思うが転んでも擦り傷が出来るが致命傷にはならないだろう

出来れば薄いジャケットでも着て欲しいところ

(本来は肘肩にパッド入りが好ましい)

また、ライダー用のエアバッグも市販されており当店のお客様でも数人装着している

店主のエアバッグも着ていない時は店内に置いて有り試着できますのでお声掛けください

寺島アニキも言ってますが

自分の身体は自分で守れよ!