Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

間に合った~

2016-07-31 19:31:00 | ノンジャンル
今月は本当にバタバタでした。
駐車場を今月で引き払うため
車の後ろにあった荷物の片付けでてんてこまい
(車2台分縦長の駐車場なので奥の1台分は部品やら車両やらで山積みでした。
場所があると物を増やす悪い見本ですな)

さたに仕事自体もおかしなことになってしまい
車検予約のダブルブッキングやらかしたり
初めての総合点検で思いもよらぬ大仕事で作業がずれ込んだり
はたまた慌てて納期直前まで掛かった仕事がポカ連発とか

また、ここしばらくはメールの問い合わせもスルーさせていただいていました。
(「タイムリーに返答できない場合があります。」と書いてありますのでご容赦ください)

今日は朝一で東京都知事選の投票へ
54年生きてきて初めての選挙の投票
これまでは「この人なら」って思える候補が居なくてスルーしてきました。
昔は付き合いの無い同級生から選挙のときだけ電話が掛かってきて「XX先生をお願いします。」と
んな人に頼まれて投票するものでは無いと考えますから「は~い」とだけ返事して行く訳無いですよね。組織票の手助けなんて真っ平ゴメン
自分の考えで投票すべきでしょう。今回はまさに(自分的に)この人ならと思えたので投票しました。

戻ってきて倉庫で作業
修理予約の12時になるのでお店に向かう
と、来ていたお客様が
「開店12時なんですか?」と
「ご予約伺ったのが12時なので合わせて開店です」というも
「10時って云ったはずで9時前に近くで時間を潰して10時には来ていました」と
元々先週の月曜日の予約が都合が悪くなり電話いただいたときに今日の予約をいただいたのですが
自分の中では12時って聞いたつもりでいました
2時間待たせてしまい申し訳ないことをしました。
また、今後はどんなお約束も口約束はやめて必ずメールなどでのやり取りをしようと思います。

作業的にはマフラー交換
これまでは純正マフラーで集合管も試してみたいとのこと
純正センタースタンドが使える物をお探しで
今回は「アゲイン製手曲げ管」をチョイス
ちなみに当店でご購入の場合取り付けはサービス

作業が終わり、お客様が帰ったら
また倉庫へGO
あらかた移動が完了し

最後に残ったのは膨大な数のタイヤ

これはまとめてタイヤ専門の産業廃棄物処理業者へ持ち込む
その前にホイールつきのものは外してタイヤだけにします。
仲間が処分に困り「塩ちゃんプレゼント」って持ってきたりしますが

いくら元有名ライダーのものだからといってもタイヤまではねぇ

ホイールを外してタイヤだけにして総数約50本!

ハイエース満載になりました。
早速明日置いてきましょう
なんとか18時過ぎに片付きました。


明日から通常の生活に戻れるかな
メールの質問のお客様
明日から来た順に返答します
お待ちくださいね

予約修理車2

2016-07-26 09:36:00 | CB400F/350F
さて、戻ってきてオーナーさん曰く
「ブレーキがキーキー云い始めた。」
確認すると確かに引きずっている

キャリパーステーの調整の次元ではなく
ピストン自体の動きがおかしい
これまでの経験からマスターに何か詰まった感じ
「フロントブレーキフルO/H必要ですが、時間大丈夫ですか?」と聞き
「1時間位なら」との返答
しかし、作業内容から
「時間のお約束はいたしかねます」と言うと
「嫁に確認します。」とのこと
帰ってから家族サービスの予定がある様子

実際、分解してみると
まずキャリパーを外して分解、特に異常は無く
マスターシリンダーを見るとキャップを外してもフルードが減らない
本来はキャリパー側でパイプが外れていますから
どんどん流れ落ちます。
それが無いということはどこかで詰まっている
マスターシリンダー側でホースを外すと

これまた、マスターシリンダーから出てこない

ってことはマスターシリンダーのリターンポートの詰まり確定
早速、分解して洗浄すると
微細な異物が出てきました。
来るとき、私の試乗時には何も無く
たまたま、お客様が帰る際にまだそんなに離れないうちに症状が出たということ。
茨城県水戸市から自走で来ていますから
高速道路に乗らないうちに発症して良かったです。

ブレーキの引きずりが収まらない…
こんなこともあるという事例です。

翌日曜日は所用でお出かけ
というのも
このブログの右のバーで告知していた
エンデューロイベント会場へ行ってきました。
なぜか?
もちろん!ヴィンテージモトクロス関係の盟友ホーリーさんが主催のイベント
奈良県からの遠征開催なので関東に来たときには逢いに行きます。
今回はそれだけでは無くて
業界の重鎮たちの話をうかがうという重大な任務もある
自己啓発で技術者、レース関係者から話をうかがっているというのは以前に書きましたね
ホーリーさんの人脈もあり集まったのは

左から私、
平松絹男氏 スズキ~カワサキ~ホンダと渡り歩いて車体&エンジン設計を担当
ホンダではRS125などの市販レーサーや89年に数戦走っただけの幻のF3レーサーRCB400の車体を担当、これにはカワサキ時代のKR500の経験が生かされたと聞きました。
藤澤博幸氏 4月末のもてぎ以来2度目の顔合わせ、生粋のホンダマンでモーレク時代にはホーリーさんもお世話になっていたとか、なんと私と同じホンダSFの先輩だったことが判明!!
ホンダSRやHDCなどにも在籍していました。
宮田卓英氏 ホンダで宗一郎氏と同じ釜の飯を食べた間柄、エンジン設計技術者、HRCにも在籍されていたそうです。現在はマイスタークラブで物造りに関しての講演など精力的に活動されています。
こんな大御所が集まるのですからホーリーさんの人柄がうかがえますよね
仲間と2人でお邪魔していたのですが
2人しておなか一杯状態
雑誌に書いてあることがすべてが正しいわけではないので
また、当時は話せなかったこと、今だから話せることもあり
このように当事者から話が聞けて
「あ~そうだったんだ!」なんて事があまりに多い
このようなことも自分にとっては財産だと思っています。

修理予約車両

2016-07-24 19:27:00 | CB400F/350F
土曜日、この日の修理予約車はCB350F
以前、ボトムケース、インナーチューブ交換などフロントフォークO/Hをした車両
時間が経過してボトムケースが腐食してきて
元々付いていたボトムケースに戻したいという
また、クラッチカバーのアーム根元よりのオイル漏れ
とカバー類のビス交換

まずはフォーク周りをやっつける
ホイールを外し~フェンダーを外し~キャリパーをステーごと外し~
フォークを抜いて~ボトムケース交換
で逆の手順で組み立てる
(ごめんなさい余裕無く画像なし)

次にクラッチ
オイルを抜いて~ステップを外して~クラッチカバーを外す
さぁ厄介なのは焼きついたガスケット

スクレパーなどで削り取りますが超大変

チマチマチマチマ作業すること30分
削りカスがこれ!

キックシャフトオイルシールも外周が焼きついてカバーにゴムが残りますから丹念に除去します。

洗浄して結露しますからオーブンで乾燥

パーツリストに工数が記載されていますが、販売当時の話
何十年経ってこのように焼きついたガスケットを剥がすのに手間が掛かる場合は
「ガスケット面修正」というかたちで手間分を請求しています。

クランクケース側はこのような専用オイルストーンで仕上げます。

古いメカニックはこのように独自製作のスペシャルツールをたくさん持っています。
これもお約束
せっかくあけたのだからやれることはやっておきたい

緩み止めを塗り締めておきます。

乾いたのでアームを取り付け組み立てます。


次はダイナモ側、Lカバー側のビス交換
CB350Fの場合、ここはステップが邪魔をしてドライバーがまっすぐ刺さらない。

横着してビスの頭や工具を痛めてもしょうがない
迷うことなくステップを外します。


ここは本来は指差ししている35mm、しかし付いていたのはバラバラ


店主お気に入りの工具はT型ドライバー
緩めるときに力が入りやすい、締めるときも良く締まる(締めすぎ注意)



これが腐食したボトムケース
ヘアライン後にクリヤー塗装されているのだが
塗膜の内側に白い錆が発生する



当店でも純正仕上げとして行っていたのはこんな工程
ウエットブラスト~バレル研磨~ヘアライン処理~静電焼付けクリヤー
それでも時間が経つと同様に腐食が始まるので現在はボトムケースのみお受けしていない。
最近ではバフ研磨のみ
またはこのようなサンドブラスト+バレル研磨
(バフに比べると腐食しにくい)

研削力は小さいので傷とかあると残ってしまいますが
バフほど光りすぎず良いと思います。


このような場所も鋳肌が残ったままきれいになります。

こんなアプローチもあるということで

さて、なんとか予定の14時までに完成し、試乗を済ませてお客様にお渡しして
お帰りになってしばらくして
戻ってきた
何が起こった!!
「やらかしたか!?」

つづく
コメント (1)

長期放置車両

2016-07-22 23:20:00 | CB400F/350F
現在とっかかっているのは
車検が切れて4年経過した車両

6年前に当店でレストア&カスタムをした車両
当時と現在では当店も形態が変わり
カスタムの内容によっては車検として請けることはできない。
陸送で預かるだけ預かったがどうするか方向性を決めるため1カ月以上作業せずに止まっていた。
結果今回はエンジンが掛かるようにしてブレーキ周りのO/Hなど点検整備といったところ
車検自体はお客様が独自に行うということです。

まず、バッテリーの確認
液は蒸発して空っぽ?状態

上側もおかしなことに
レーシングキャブ付きの為、空っぽのエアクリーナーBOXには工具などが入ったポーチが鎮座していましたがファスナーの金具がバッテリーのキャップのあたりに乗っていて

希硫酸に侵されてしまっています。

だいぶ減っていますね

こんな状況だとご臨終なのは判っていますが
一応液を補充して充電

左下の赤インジケーターが点滅しっぱなし
「ダメかな~」
やがて

TESTランプの赤い部分が点灯
「残念~」
電気もぜんぜん入っていきません。


MFバッテリーは電気があがると終了してしまいますが
開放型バッテリーは復活する場合が多いのですが余りにも液が少ない状態で時間がたちすぎましたね。

次はもちろんお約束の強制潤滑を行います。
オイルが完全に落ちていますから
このまま不用意にクランクを回転させるとメタルに傷を入れることになります。
それを防ぐためにもオイルラインにオイルを供給しながらクランクを回します。
オイルを抜き取ります

実際、製作してから走行1000km程度なのでまだきれいですが
時間が経っていますからもれなく交換

また、作業内容は考えて選択
というのは
ブレーキ周りのように時間で劣化が進む個所と
距離が関わる箇所
今回はブレーキは作業しますが
スイングアームはスルーします。

今後、点検整備に関しても細分化しようかと思いました
例えば車検整備(24カ月点検)を基本メニューとして
追加メニューとして
フロントブレーキ全バラO/H、フロントフォーク分解洗浄、スイングアームO/Hなどを選択して戴く
前回の車検でどんな作業をして、今回どれくらい走行したかで提案するというもの

早速ブレーキ分解
6年モノのブレーキ

ダブルディスクになっていてマスターシリンダーはZ用のリプロ

これはPMC製だったかインナーパーツはカワサキ純正なので交換が可能だが
残念ながらシリンダー内部にダメージがあり使いたくないかな

見にくいですが黒い部分が荒れている部分、漏れにつながります。

キャリパーもいつものように
シール溝には白いものがびっちり


カリカリカリカリ掃除するとカスがこんなに

こんなにきれいに!


ピストンにも錆のクレーターがあるため交換

続く

メールでの問い合わせ

2016-07-22 02:08:00 | CB400F/350F
昨日は定休日でしたが
午前中は外回り
シートの加工がありシート屋へ
(単なる張替えなら宅配便で送ればよいが加工などは直接のディスカッション必須)
お昼ごはんは
道中の途中の蕎麦屋へ
竜泉「角萬」

お約束の「冷や肉」(冷やし肉南蛮)

梅田の「角萬」よりは若干味が薄い(梅田が濃すぎ!!)

午後は倉庫の内装と引越し
あまり内部の状態を見せたくないので閉め切りで作業していたので
内部は営倉状態
夕方6時を回る頃には頭が痛くなってきてその日は中断
(水分は適度に摂取したつもりだったが)
ひとっ風呂浴びて、恒例の家族サービス
生ビール呑んで水分補給(燃料補給とも云う)


忙しさにかまけて
18日に来たメールでの問い合わせの返答が遅れてしまいました。

「何時も大変お世話になっております。
7月12日の「クラッチレバー調整」のブログを拝読して、先日まさにその症状が出ていました。
信号待ちでクラッチを切って止まっていたところ何か前に動いている?両足で踏ん張らないと前に動き出し、
ギアがニュートラルに入りづらい症状が出ました。
アームは社外のロングアーム、ワイヤーは純正、レバーはパワーレバーを使用しています。
レバー側で遊びを最小にすればこの問題は解消されるのでしょうか?
およそ30年前に通勤で乗っていた時もこのような症状は出たことがなく、ロングアームに変えて、
ろくに遊びを調整しなかったのが原因だろうとは思うのですが。
なお、サービスマニュアルにも出ているクラッチの調整で、「アジャスティングスクリューをA方向に軽く回す。
その位置からスクリューを・・戻し」とありますが、A方向に軽く回してどこまで回す?(止まるまで?)
のでしょうか?どうも理解ができなくて。
宜しくお願いします。」


そんなにパソコンの前に座ってるわけにもいかないので
簡単に返答

以前に書いた記事を参照ください
http://wind.ap.teacup.com/hondainlinefour/794.html

例えば、知りたいことがあった場合は
「とりあえず聞く」のではなく調べてみてから

このブログの左上の検索ツール
思い当たるワードを羅列させ
(今回は「クラッチ切れ不良」)
「このブログを検索」にチェックを入れて
検索掛けます。



また、他の要因として
クラッチプレートが歪んでいる
純正品製造メーカー、TSK製クラッチワイヤー以外の社外ワイヤーで伸びるもの

調整方法ですが
サービスマニュアルは非常に判り辛いし
記載ミスもある
問い合わせの有ったページはこれ

簡単に云っちゃうと
①クラッチレバー側のアジャスターを締めてクラッチレバーの遊びを最大にする。
②クラッチカバー上のワイヤーアジャストボルトを締め込みクラッチレバーの遊びを最大にする
要するにワイヤー両端のアジャスターを締めて遊びが最大になるようにしてから
いよいよレリーズカバー内の調整を行います。
③ロックナットを緩めてマイナスドライバーでA方向(時計方向)に回し手ごたえが固くなった場所からB方向(反時計回し)へ1/4~1/2回転戻しロックナットを締める。
クラッチカバーのワイヤーアジャストボルトでレバーの遊びを先端で10~20mm位にして
最後の微調整をクラッチレバー側のアジャスターで行う

ただし、TSKワイヤー+純正レバーの組み合わせでは半クラの状態が短い為クラッチの繋がりポイントの設定も幅が広く選択できるが
伸びが長い社外ワイヤーや握り角度の狭いパワーレバー、レバー比の違うロングタイプのレリーズアームなど
組み合わせによってはレバー側の遊びをほんのわずかにしないとクラッチが完全に切れない状態になる。
また、冷間時と充分に暖まってからでは遊びも変わりますから
都度調整が必要な場合があります。

社外パーツを装着する場合には
そのパーツのメリット、デメリット、特性を熟知した上でチョイスすることが基本ですね~

業務連絡
群馬県 H様
茨城県 K様
作業がずれ込んでいます
今しばらくお待ちください