きぼう屋

生きているから生きている

傷痍軍人

2008年06月08日 | 「生きる」こと
今夜(もう昨夜)は
朴保(パクポー)のライブが
当教会でありました

圧巻でした

最初の2曲は
さすがプロというところではあったけれども
緊張もあったのか
とても無難な演奏でした

3曲目に
ようやく泣かずに歌えるようになった
という
「おかあさん」
の途中から
音のアタック感がどんどん増していきまして
その後は
音が会場中を渦巻くという
すんごいライブになりました

必要な音のみが出され
余計な音がまったく出されない
という演奏にどんどんなっていって

でも
必要な音のひとつひとつが
圧倒的なパワーと
音の立ち上がりがすべてばっちりそろうというエネルギーで
出されている音数から想像もできないくらい
音が重なって重なって
波となりうずとなり
聞く者の体が自然に動き出すという

まさにこれがプロなんだ

という演奏でした

そして今回のライブのポイントは
「傷痍軍人」
をどこで歌うか

どこで歌えるか
歌えるように心身と会場を整えられるか
というところでした

予定していた順番では
「傷痍軍人」は歌われませんでした

しかし
会場が渦巻きさらに渦巻いて

ひとつ

となったとき
彼は歌いました

♪傷痍軍人 従軍慰安婦 松代大本営

それぞれの証言がそのまま歌詞になっているという
衝撃の歌

涙があふれてきました

その曲をやりきったあとは
まさに大解放

「ヒロシマ」もまた涙涙
この曲はワーナーレーベルさんが
歌わないでくれ
といった曲とのこと

われわれは加害者にも被害者にもなってはならない!
というメッセージはお腹に直撃しました

またこの曲は
当教会が7月にヒロシマにフィールドワークに行くから
選んでくれたみたいです

新曲の「希望が丘」(沖縄の町)も
洗練されたブルースで美しかったです

この新曲の演奏でよかったのは
新曲だからこそですが
一発で決まらなかったということです
一発目の演奏はすぐに止まり
譜面でしばらく打ち合わせして
二発目にいきましたが
やはりしばらくして止まり
今度は公開リハーサルをすこしやって
そして最後は決めるという

いい演奏をするために
これくらい本番で自由なのは
まさにプロ
と思いました

失敗してもしていないかのように
そのまま続ける
というのもありでしょうが

わたしは
素直にやり直すのに大賛成です

こういうときの失敗は
きわめてユーモア
つまり人間的で
その場を豊かにするけれども
しらけさせることはないわけです

またぜひウチの教会で
演奏してもらいたいです

感謝感謝