拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

しつこく『ダークナイト』

2008-12-16 00:43:48 | 映画
『ダークナイト』のDVD購入。うーん、これでいつでもジョーカーに会える。嬉しい。でも買ったはいいが、2時間半以上あるので腰を据えて鑑賞する気にまったくならないな(笑)。既に劇場で3回も観てるしね。だからチャプターで好きなシーンだけをピックアップして観ている。あぁ、なんてキュートなんだヒース・ジョーカー。反則だ…。ジョーカーは中途半端な事を許さない。曲がったことが大嫌い。街を守るバットマンや警察に対し「おまえらの守ってるものってさ、本当に大事?」と揺さぶりをかけ、右往左往する様子を見て楽しみまくる。狂ってるけど、信念だけは強すぎる。こんな敵に、「あぁ、ヒーローを辞めるべきか、続けるべきか」とかウジウジ悩んでるバットマンが勝てるわけないんだ、普通。
ただやっぱり、もうちょっとジョーカーの凶悪ぶりが見たかったなー。自分が楽しむためだけに殺人を繰り返す狂人、という設定のジョーカーだが、彼の凶行は映画では直接的には描かれなくて。レイティング対策で、子どもでも見られるように、残酷なシーンはカットされたのだろう。でも、リアルな殺人シーンが無いとはいえ、ジョーカーの顔、神経を逆撫でする奇妙な声など、子どもが見て脅えそうな要素は沢山ある。イギリスでは「こんな怖い映画、子どもが観れないようにR指定かけろよ」と騒動になったようだし、くR15ぐらいにして、遠慮無しで撮ってくれたらよかったのになぁ。ジョーカーが香港の社長を殺すシーンとか、あれじゃ意味不明な気がする。せめて叫び声ぐらいあってもいいような…まいっか、それでもジョーカーは素敵さ。
「 ジョーカー大活躍!」みたいなシーン以外でも好きな部分は勿論ある。冒頭の銀行強盗シーンの臨場感はたまらない。あの臨場感ある映像は、グランドキャニオンなどの大自然の絶景を撮るためのフィルムを使用することで得られたものらしい。カメラやフィルム自体にかなりの重量があるのでアクションシーンの撮影には向かないようだが、費用と労力かけて強行したそうだ。おかげで、今まで観たこともないような迫力満点のシークエンスが撮れた、と。さらに不協和音が飛び交う音楽が効果的に観るものを不安に陥れる(サントラ最高)。映画館で観た時は一気に引き込まれたもんなー。そういえば黄色いスクールバスで犯罪、なんてスコルピオみたいで良いね。
さて、公開時は「バットマン映画だけど完全にジョーカーが際立ってたね」なんて思ってたが、あの救いの無いラストシーンを今日観直してみて、やっぱバットマンもいいなと思い直した。いいっていうか、「あぁ…が、頑張れぇ!」みたいな。市民を守るために色々無茶しながら立ち回った挙句、全責任を負おうとする自己犠牲の精神は誰にもマネできない。ある意味華麗に悪の道を突き進むジョーカーと比べ、反則技を駆使してジョーカーに立ち向かって行ったバットマンがカッコ悪く見えてしまうのは仕方無いよなー。ジョーカーを倒すため手段を選ばないバットマンは、まさにダークナイト。正統派ヒーローじゃないんだぜ、ということを思い出させてくれますな。余談だが、福田前首相が辞任した時、「まるで『ダークナイト』のラストシーンじゃないか!」と一部で盛り上がっていた。「野郎、ダークナイトを気取りやがって!」みたいな。

そういえば映画つながりで、『WALL-E』観たが、不覚にも4~5度程涙してしまった。クリスマスプレゼントのようなキラキラした映画だったよ!アメリカでは夏休み公開だったらしいけど(苦笑)。

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