拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

僕の地球を守って…

2007-08-16 19:48:03 | テレビ
夕方のニュースで、陸上自衛隊で最も辛い訓練を行う「レンジャー部隊」の特別合宿の様子が紹介されていた。鍛え抜かれたエリート達だけが参加する合宿らしく、見ているだけでドッと疲れそう……でもなかった。むしろ疲れるどころか、時代錯誤の熱血訓練ぶりに爆笑してしまった。
選ばれた30人のエリート自衛隊員からなるレンジャー部隊。隊員達は教官の命令に対して「はい!」ではなく「レンジャー!」と応える。教官の命令は絶対で、ひたむきに「レンジャー!」と叫ぶ隊員。戦前の陸軍の厳しさに通じるものがあるかもなぁ…なんて思っていたのだが、だんだん笑いが込み上げてきた。「水を飲むな!」「気合いだ!」という理不尽な命令に対し、真顔で「レンジャー!」と叫ぶ、真っ赤な顔の隊員達。まるでコントじゃないか。
訓練が厳しくなるほどコントぶりは加速する。ロープを伝って崖を昇る訓練では、気合いを入れるため、隊員達は歌を歌いながら昇るのである…なぜか郷ひろみの「ゴールドフィンガー'99」を歌いながら。「アーチーチーアーチー!!」と熱唱しながら断崖絶壁をよじ昇る隊員達。うん、まぁ…凄く暑いだろうから、選曲的にはOKか?だが、川を挟んで張られたロープを伝って川を渡る訓練で隊員が歌っていたのは「千の風になって」…「♪わたしの~お墓の~ま~えで~」と歌い叫びながら、ナマケモノスタイルでロープを伝っていく隊員たち。「人は~悲しみが~多い~程~人には~優しく~出来るのだから~」と、卒業ソングの定番「贈る言葉」を熱唱しながら渡る隊員も…金八先生も想定外。もちろん隊員には命綱が付いており、耐えられなくなった隊員はロープから手を放してプラーンと宙づりに。川を一気に渡る事が出来ず何度か宙づりになってしまった隊員には教官からキツい仕打ちが。「お前、一気に渡れなかったな!」「レンジャー!」「やめちまえ!」「やめません!」「やめちまえよ!」「やめません!」バシッ!!…教官にビンタされる隊員。ただしこのやりとりは『ガチンコファイトクラブ』並に芝居がかっており、教官も隊員もテレビの取材を若干意識していたかもしれない。
訓練の中で最も過酷と言われているのが、足場の悪い山道を60km程進みながら「捕虜」を救出しに行くという訓練。ん…捕虜?ま、まぁ良い。これは本当に辛そう。訓練の日に台風に直撃された上に、自由に水を飲めない。隊員達は水タンクと、二本のペットボトルを持っているのだが、教官の許可無しに飲む事は出来ない。水飲めないって大丈夫なのか?スポーツ科学的に…いや、自衛隊員には関係無いのかしら。水など飲まずともピンピンしてるような、強靭な肉体が必須なのだろうか。で、過酷さに耐えられず、無断で水を口にした隊員を教官が発見。説教タイム。こんな状況で激怒できる教官…まさに男の中の男である。さらに、説教中、別の隊員が疲れ果て、立ちながら眠ってしまう。教官の怒り爆発。罰として、全員、水タンクの水を全部、その場に捨てる事に……!
この訓練に耐えた隊員には勲章が与えられていた。時に名曲を熱唱し、時に教官にビンタされながら得た銀色の勲章は、鈍くも重厚な輝きを放っていた。




「まだまだスタートラインですよ。これから勲章を磨いていかなきゃならない。」(教官談)。

(;´д`)