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拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

点―鮮烈な景色を見た瞬間

2006-06-26 20:45:58 | 音楽
月曜日は共通テーマの日。今日のテーマは「ターニングポイント/転換点」。

自分の人生を振り返ってみて、「今思えばあれがターニングポイントだったわぁ」なんて思う瞬間が明確にないことに気づき唖然とした。自分がなんとなくフワフワ生きてきた証拠ではないか…でもまぁ地味目なことで言えば、音楽との出会いはターニングポイントかなぁ。小5くらい。音楽を聴くようになってから見える景色が変わったし、お金の使い方も変わったし、ついでに夜更かしするようにもなった。生きながらにして生と死の狭間の様な退廃的風景を見せてくれたラルクとか、美しきメロディー地獄に何度も私を落っことそうとしたスピッツ・スマパン・GRAPEVINEとか、かなり生ぬるい日々を過ごしていた高2の頃私の背中をガンガン蹴っ飛ばしてきたhideなどとの出会いは人生のターニングポイントと言えるかもしれない。特に最近さらに深く聴き始めたhideには、初めてちゃんと聴いた4年前とは比べ物にならないほど鮮烈な世界を見せられている気がする。後で振り返れば今こそターニングポイントの真っ只中かもしれない。…うーむ、ターニングポイントって言えるのか、書いててわからなくなってきたぞ?でもきっと大好きな音楽との出会いの瞬間は人生のアクセントみたいなもんだ、きっと。
話は微妙に変わるが、hideの曲を聴きながら日々思うのは、「ここまでポジティブなメッセージを派手に明示するアーティストも珍しい」ということ。もちろん全ての曲が陽性ではなく、物凄くダークでゲロゲロハードコアな曲もあるのだけれど、この人がポジティブなメッセージを込めた曲は時に大気圏を突き抜ける。有名な「ROCKET DIVE」なんてモロにそうだ。「受身の生き方なんて止めて、自分からガンガンと人生を切り開けば、良くも悪くも物凄い景色が見えるぜ」。勝手に歌詞を要約してみたが、この曲を思春期、特に多感な中学生の頃真剣に聴いた人には強烈な印象を残しただろう。「え、お前悩んでんの?知らねーよそんなの!どーでもいーよ!とにかく前に進めよ!」みたいな、無茶苦茶強引なパワーをこの曲に感じる。それこそ聴いた瞬間がその人の人生のターニングポイントになるような印象を残してたりすると思う。今の中高生は世代的にhideを聴いたことのない人が多いと思うが(谷間の世代ってやつか?)、かなり勿体無い。私なんかよりもhideの曲が必要な子供はきっとたくさんいるはず…。なんとかして彼の存在感がずっとずっと下の世代にまで認識されることを願う。
んー、だんだんテーマとズレてきた。このテーマを決めたmay99さんは果たして何を書いたのかしら。私は結局いつものように好きな音楽を好き勝手語っただけの記事になってしまったよ。

「だいたいおんなじ毎日 そいでまあまあそれなりOK
 だけど、なんとなく空見上げちゃうんでしょ?」
「待ってるだけの昨日にアディオース」
「何年待ってみても 僕ら宇宙の暇人だろう」

※画像は「ROCKET DIVE」収録のアルバム『Ja,Zoo』。ラストアルバムにして凄まじい完成度を誇る。めっちゃハードなのに聴く人を選ばない程ポップな、本当に摩訶不思議アルバムなのですよ。謎、本当に謎!


四枚目の作品集―宇多田ヒカル/『ULTRA BLUE』絶対支持

2006-06-17 21:26:38 | 音楽
私は『travering』辺りで彼女の凄さに気づいた人間なのであまり偉そうなことは言えないけど、本当に痛快な存在だ、宇多田ヒカル。今週発売された4枚目(全米デビュー含めると五枚目だけど取りあえず除く)のアルバム『ULTRA BLUE』、なんというか、よくぞここまで作りこんだねぇ!と拍手したくなるような素晴らしい作品になっている。気が付けば私が聴いている多分唯一の女性アーティストである宇多田ヒカル。アホのように売れまくった全盛期と比べれば最近は売り上げがガタ落ちしてるらしいが(当たり前だが)、彼女のCDの売り上げに反比例するようにして私の彼女への興味は増していく。去年の12月のシングル「Passion」を初めて聴いた時は一人で静かに大騒ぎしてしまったが、果たしてあの曲にじっくり耳を傾けた人は何人いるのだろうか。かなり乱暴な言い方だが、今回の宇多田の新譜『ULTRA BLUE』は、800万枚売れたデビュー作『First Love』の数百倍素晴らしいぞ。うーむ、乱暴。
初めて彼女の曲を聴いたのはもちろん「Automatic」が流行りまくってた頃。99年だからもう7年も前の事だ。15歳にして自分で作詞作曲してることにはさすがに驚いたし歌も上手いと思ったが、彼女の作る曲に共通するあの鼻歌みたいなホワホワしたメロディーがどうにも受け付けず、「ど、どこがいいんだ!?」と日々思っていたため宇多田ブームには乗れなかった。『First Love』は800万枚売れるようなお化け盤、音楽聴くのが趣味の人は大体持っているような脅威のアルバムなのでもちろん家にもあるが、どの曲を聴いてもまるでピンとこなかった。というか今でもピンとこない。多分R&Bというジャンル自体苦手なのだろう。モロに黒っぽいリズムが押し出された音楽が苦手。そういうのは隠し味程度にしといてほしいんですよ、ラルクの「Link」という曲みたいに。
『First Love』以降、「別にいいや、宇多田以外にも聴くべき楽しい世界は沢山あるし…」と思い、それから二年ぐらいずーっと彼女をスルーしていた。二枚目の『Distance』も勿論スルー。しかし高1の秋、超絶名曲「travering」を聴いた瞬間、一気に宇多田熱が上がってしまった。四つ打ちの均一なハウスビートに絶妙に絡む歌声、ふざけてんのかマジメなんだかわからない、何故か『平家物語』の一節までもを引用した宇多田にしか書けないような、というか宇多田しか書かないような誰にもマネできない歌詞。ヘッドホンで聴かなければ聴き逃すような、バックでピロピロ飛び交う電子音。驚いたよ。特にピロピロ電子音には参った。当時ちょうど、何故かテクノにハマリだした時期だったのでね。日本で一番売れてる人がこんなに楽しい音を新曲として出す、という実は奇跡のような瞬間だったのだ、「travering」発売時は。そうそう、極彩色の洪水を延々と見せられているような、現・宇多田の夫が監督したPVにもびっくりさせられたなぁ。そこから遡って二枚目の『Distance』を聴き、一曲目「Wait&See~リスク~」でまた驚く。だって、「キーが高すぎるなら下げてもいいよ/歌は変わらない強さ持ってる」だよ?カラオケでこの字幕が流れたら結構和みそうなこのフレーズ。でもいっくらでも深読みできるフレーズでもある。何気なく音楽番組、例えばミュージックステーション等を見てるとき、未だにこのフレーズが脳内をフラッシュバックする瞬間がある。一聴しただけでは「なんだこいつ、ふざけてるのか!??」と勘ぐりたくなってしまうが、聴きこむとどんどん面白くなってくる宇多田の歌詞。単語レベルで見ればそれほど突飛なものは無いのに、それらを組み立てて歌詞にするととんでもないものになってる。初号機のプラモデルのパーツを組み合わせたらなぜか量産機になってしまったかのような不思議さがある。こういう歌詞を書くようになったのは『Distance』から、その手法が炸裂したのが次の『DEEP RIVER』だと思う。だから私の中では宇多田の歴史は二枚目の『Distance』から始まるのだ、勝手すぎるが。
「travering」の後、宇多田は「光」「SAKURAドロップス」というこれまた名曲をシングルとして切り、『DEEP RIVER』というもう笑うしかない程の傑作アルバムを発売した。この頃の宇多田、半分神がかってたと思う。とにかく細部まで聞き漏らすまいと、ヘッドホンを常に装備して彼女の音楽に浸っていたよ。R&Bを隠し味程度に添えたようなものに変化した瞬間、彼女の音楽は私のCD棚の出しやすい場所に配置されたのだ。
『ULTRA BLUE』は、音が前作よりもさらに面白いことになっている。全米デビューアルバム『EXODUS』では、全米ということで気合入れて音を思いっきり作りこみすぎたためかなんなのか、やや肩肘を張っている感があり、私は『DEATH NOTE』を読む際のBGMにしか使用していなかったが(合うんだよー、凄く)、『ULTRA BLUE』では作りこみがしなやかで柔らか。耳に気持ち良いピロピロ。歌詞が日本語ということもあり表向きは前作に比べて本当に柔らかな印象が強いピロ。歌詞はどんどん「ふざけてるのか!?」感を増し、「隙だらけ」のレベルにまで達したが、彼女と同年代(20代前半ぐらい)の歌手たちの書く歌詞と比べればその面白さは一目瞭然(というか宇多田以外が不思議なくらい、圧倒的につまらなすぎる)。二曲目の「Keep Tryin'」の歌詞、「どんぶらこっこ 世の中浮き沈みが激しいなぁ」を聴いた瞬間は「ふざけるのもいい加減に…」と思ったが、同曲の詞をさらに引用すれば、「どうでもいいって顔しながらずっとずっと祈ってた」「クールなポーズ決めながら実をいうと戦ってた」…きっとこういう事なんだよ、うん。

『ULTRA BLUE』、さらに聴き込んだ後でまたいろいろと書こうと思う。ていうか書きたい。「Making Love」のピロピロ電子音がどうしようもなくツボ。hideの「POSE」並みにツボだピロ。

今日多分一番字数多い。ここまで全部読んでくれた奇特な方、ありがとうございます。

 

『ray』、破損のむこうに 

2006-06-11 21:21:29 | 音楽
今日は一日中一人で家にいて留守番しながら、スピッツのアルバム『ハヤブサ』と『三日月ロック』とhideの『PSYENCE』を爆音でかけつつダラダラしたりビデオ見たり村上春樹の演習のことについて考えたりしていた。そしてたまに鳴るクレヨンしんちゃんの着ボイスにビクっとしてみたり。しんちゃんが普通に「メールだゾ」と言うだけなんだけど突然鳴ると妙にびっくりします。「え!家に一人だけなのに、誰?」みたいな。アホですわ。それにしても爆音は良い。大きい音で聴かないと細部まで音像が把握できないもん。受ける衝撃も倍増で素敵。今日は『ハヤブサ』収録曲の「8823」と「メモリーズ・カスタム」の二曲に特に痺れた。好きな曲を爆音で聴くと意味も無く部屋や家中をウロウロとしたくなってしまうのだが、もう今日はウロウロしまくり。家には誰もいないし、思う存分ウロウロしたさ。でも「8823」聴いてるときはウロウロだけじゃ足りなくて、なんか走りたくなってしまった。「メモリーズ・カスタム」は、サビ及びブリッジの部分のヒリヒリ感に痺れた。それにしても、ほんっと似てるよね、オレンジレンジの「以心電心」とこの曲(笑)。初めてCMで「以心電心」を聴いた瞬間、「え、こんなに似てて大丈夫!?」といらん心配してしまったよ。
ウロウロに疲れたら録りだめしておいた昼ドラ『吾輩は主婦である』を一気に鑑賞。主婦にある日突然漱石先生が憑依する、というコメディーである。やっぱね、『拝啓 夏目漱石先生』というタイトルでブログやってる以上、このドラマを避けては通れません。まあブログやってなくても脚本が宮藤官九郎だしおまけにミッチーが主演だしで絶対観てると思うけど。『タイガー&ドラゴン』は個人的にはイマイチだったけど今回の昼ドラは最高ですな。自分が一番好きな、2003年頃のクドカン作品群の匂いを感じた。昨年の『タイガー&ドラゴン』、あれはジャニーズの主役級が二人も出てるから華やか過ぎたのだ、今思えば。ヒロインが伊東美咲でこれまた華やか。2003年のクドカンドラマ『僕の魔法使い』と『マンハッタンラブストーリー』、この二つが彼の映画・ドラマ作品の中ダントツで好きな私だが、前者はジャニーズ率0%、後者はトキオの松岡君が出てたが、ジャニタレらしからぬ渋~い演技が光っていた。『吾輩は主婦である』は今の所ジャニーズ率0%。だからこんなに楽しいのかな?ヒロインの主婦・みどりを演じる斉藤由貴の演技がとても可愛いらしく、漱石先生に憑依されてしまうのが勿体無い(笑)。「吾輩は八人兄弟の末っ子でな、生まれてすぐに養子に出されたのだ」なんて言わないで、みたいな(苦笑)。そしてミッチー。みどりの夫で、中2の娘と小3の息子を持つお父さん役、ハマりすぎ。つーか素敵。なにこのパパっぷり。何やってもハマるのな、ミッチーって。
そんなノリで一日を過ごし、夕食を食べて「あー明日からまた学校」なんて思いつつウダウダしつつCDの整理をしていたら、ラルクの名盤『ray』のケースを割ってしまった…!ギャーーー!レイが!レイが!日曜の夜の悲劇。確かに『ray』は聴きすぎてケース開け閉めしすぎてボロボロになりつつあったけど、割れるなんて。しかもこれ初回版。プラスチックケースにラメが散りばめられた宇宙を感じさせるキラキラ仕様なのだ(画像参照。本当はもっとキレイ)。割れたまま放置するなんて堪えられないけど新品じゃ絶対手に入らない。仕方なく即ブックオフへ。なにが悲しくて日曜の8時過ぎにブックオフまで行かなきゃならんのだ(涙)。初回のキラキラケースあるかなぁ…通常版の『ray』のジャケってなんか怖いんだよな…と思ってたら一枚だけあった。ここに並ぶラルクのCDは『ray』と『REAL』の二枚のみだった。少し前ならラルクのアルバムはブックオフの常連ぎみだったが、最近はまたじわじわ新規のファンが増えつつあるのかな。よくわからん。『ray』、250円で購入し、とっとと帰る。7年前これと同じCDを3000円で買ったなーとか思いながら。初めてCDショップでキラキラケースを見てそれはもう仰け反ったことを思い出したりしながら。 


鳴らない、リフ―「ロックの日」に乗り遅れてしまった

2006-06-10 22:41:30 | 音楽
昨日は6月9日、「ロックの日」にもかかわらず音楽の話題が記事に全く出てきていない。何故か鉄腕アトムについてのトリビアなどを披露してしまった。しかも今日友人にそのトリビアを教えたら「それ結構有名じゃない?」と…。嘘だ!きっと君が隠れ手塚オタなだけだ…!…そんな話はどうでもいい。せっかくだし、一日遅れだが音楽、そしてロックへの想いでも書こう。

日常生活を好きな音楽無しで送るなど考えられなくなってからどれだけの月日が経ったか。ドラマや映画やアニメなどを見ていてもまず気になるのは「音楽」で、内容はどうでも音楽さえ気に入ったら即サントラをチェックするという状態になったのはいつからか。そういえば4年前、映画『ピンポン』を観た直後、映画館からタワレコに直行したなぁ…。自分の好きな音楽聴くことに禁止令が出たら私は発狂まで何時間もつだろうか。一人でいるときは音が鳴ってないとイラっとくるし、鳴っていても好みでない類のものだったら鳴っていない時よりもイライラ度が増す私。でも好きな曲聴けばすぐ治まる。イライラを埋めるという意味で音楽は少し前に流行った「癒し」のツールでもある。「癒し」…数年前の癒し系ブームの時、わかったようなフリした―例えば『rock'in on(若しくはJAPAN)』等を購読してるような人が、「『癒し系ブーム』に乗ってヒーリングCD買う奴って単純だよな」等と「癒し系ブーム」を批判していたが、なにをバカな事を。「癒し」の定義は個人次第だ。葉加瀬太郎(よっちゃん似)とかヨーヨー・マ(変な名前)のCDを買って聴き、実際にそれが癒しとなっていればブームに乗ろうが乗るまいが、単純だろうが複雑だろうが関係ないのだ。当たり前の事だ。なのにロキノンを熱心に購読する人は妙な選民意識(自分の好きな音楽以外、主にJポップはみんなゴミ、という思想)があるから「俺にとってはスリップノットが『癒し』だから」等と得意気に言うのだ。そこまではいいが、さらに「癒しブームなんてクソくらえ」とか読者ページに送ったりするのだ。何かを批判するという行為自体は間違っていないが、「なんだかなぁ…」なご意見多し、ロキノン。
……話が大きく逸れた。私もロキノン買ってた時代があったが、母親の影響もあって子供時代にあらゆる音楽を聴いたせいもあり、その類の選民意識はまるで無い(と思う)。「癒し」の定義もわりと広い。久石譲のピアノの調べに癒される時もあれば、ゆらゆら帝国に癒される時もある。ただ自分が熱心にファンをやってるアーティストだと癒されない。ワクワクしてきちゃうから。ある意味それは癒しとの対極だ。そのような音楽が鳴っている瞬間だけは脳があっちの世界に飛ばされて、大抵ワクワクしまくりなのだ。ワクワク オア ダイ。
なぜか「癒し」についてダラダラと書いてしまった。予定外だ。「ロックの日」記念でロックのこと書くつもりだったのに。でもまぁ、無理矢理関連させれば、当たり前だけど「ロック」の定義は個人次第だ。「ギターが歪めば歪むほどロックだ」と言う人もいれば「声の震えがロックの合図」な人もいるだろう。私は基本的にベースだ。ベースがうねればうねるほどロックを感じる。ていうかうねってないベースの音楽にはあんまりお金払わない…こともない。あと、他にはBメロ。前にも書いたかもしれないけど、私はBメロに痺れることが多いのだ(例・「ハネモノ」/スピッツ)。Bメロこそロックだ。ああもう書いててわけがわからない。気持ち悪い。 

曲と蜜月

2006-06-06 21:35:12 | 音楽
地元の駅から自宅までは自転車で6分弱の距離がある。今日も薄暗い裏道をさささっと走り抜けようとペダルをこぎ始めた。地元の人間じゃないと100%道に迷うような、曲がりくねった狭くて(民家スレスレ)複雑な道を、割と猛スピードで走り抜ける楽しさ。なんというか、まるで『スターウォーズ』の様な感じ…わかってもらえるだろうか。「ヒューーーン!」みたいな。ふと前方に目をやると、同じく自転車で家路に着こうとしている、がっちりしたZ高校の野球部員(スポーツバッグにロゴが入ってる)がいる。その子をぼんやり眺めつつ自転車をこぐのだが、私が曲がろうとする箇所で彼もことごとく曲がる。網目のように複雑な私の帰宅ルートそのままの道を、前方の彼も行くのだ。なんだかまるで、私が彼を尾行してるみたいじゃねーか。運動部員だからして彼は猛スピードで自転車こぐのだが、そよ風が吹いていて気持ちよかったし、何よりその時聞いていた音楽がhideの「Beauty&Stupid」だったため、いつもより走るスピードが二割増しだったので、普通に野球部男子並みのスピードで私まで走っていた。…あの曲聴きながらだと、本当に自転車のスピードが速くなる。曲の長さは4分4秒だが、駐輪場から家まで、ちょうどこの1曲を初めから終わりまで聴くのと同じ時間で辿りつけてしまう。「Beauty&Stupid」、今の所自転車のスピードを最速レベルで煽ってくる、もちろん疾走感抜群の曲だ。自転車通学or通勤してる方、遅刻しそうな時はこれを聴きながら自転車に乗ってみてはどうだろうか。私は朝、大抵これを聞いております。着替えや身支度なども、これ聞きながらだとめちゃくちゃ手早く済ませられる気がするのだ。
このように、音楽は日常レベルで人の行動を変えることがある。「一人でいるときは音楽が鳴っていないと気がすまない」という私のような人間など、感情の起伏は半分は音楽によって操られていると言っていい。本や漫画を読むときも音楽を流す。人によっては信じられないかもしれないが、私は音楽が鳴ってないと集中できない。「しーん」とした雰囲気が逆に「うるさい」のだ。漫画を読む時はその時一番聴きたいものを選んで流しているが、小説を読む時は大体スピッツかBeckと決めている。文学的な音がするとかでは全然無いのだが。理屈ではなく、なぜかこの2組のアーティストの音を、読書中の脳は求めている。本を読んでいない時にスピッツやBeckの曲を聴くと、それらをBGMにして読んだ話の内容がフラッシュバックすることがある。漱石先生の『三四郎』とスピッツのアルバム『スーベニア』、村上春樹の『パン屋再襲撃』とBeckの『Guero』、これらは勝手に私の脳内では蜜月関係だ。
漫画では、『DEATH NOTE』と宇多田ヒカルの全米デビュー時に出したアルバム『Exodus』がもう、蜜月だ、やばいぐらいに。私が初めて『DEATH NOTE』を読んだのが、ちょうど3巻が発売された直後頃。友人から「とにかくおもしろいから読んで!」と言われ、彼を信じて三冊一気に買い、その足でタワレコまで行き、出たばかりの宇多田のアルバムを買った。家に帰り、CDを再生したと同時に『DEATH NOTE』を読み始めた。デスノート、初めの方はとにかく話の展開に引き込まれるので、かなりドキドキしながら読んだ。異常なくらい。一巻を読み終えた後、そのドキドキ感を煽っていたのは宇多田のアルバムだったことに気づき、それ以降、デスノート読む時には必ず『Exodus』をかけることにしている。もう、なんでこんなにデスノートに合う曲ばっかりかなぁ!?と真剣に考えてしまいたくなる程合うんだよな。緊張感を煽る「DEVIL INSIDE」「THE WORKOUT」「CROSS OVER」、シリアスさを演出する「HOTEL LOBBY」「ANIMATO」などなど。「DEVIL INSIDE」なんてタイトルからしてデスノートっぽい。この組み合わせは、沢山の人におすすめできます。宇多田本人もデスノート好きらしいが、この奇跡の組み合わせに果たして気づいてるのか?自分の曲聴きながら漫画読む、とかしなさそうだもんな、なんとなく。ちなみに五曲めの「EASY BREEZY」とラストの曲は雰囲気が全く合わないので、それらは飛ばすようにプログラムしている。本当、おすすめ。


追記
2006年6月6日。「6」が三つ並んでる!西洋では不吉と言われている数字の一つですが、私は0~9の中では一番好きな数字です、6。

紅麗剛市→CRA\→TAKESHI”¥”UEDA→UEDA TAKESHI

2006-05-26 21:34:04 | 音楽
ロッキングオンジャパン20周年記念号を読んだことに触発されて、高校の頃、今見ている景色をズバっと変えてくれるような、そんな奇跡の様な音楽を探してあらゆるCDをレンタルしまくる「開拓時代」の頃に作ったMDや、買ったCDなどを引き出しの奥から引っ張り出してみた。ラルク活動休止中、その穴を埋めるかのように洋邦問わずあらゆる時期やジャンルの音楽を聴いたあの頃。三日に一回ぐらいはレンタル店に行っていたな。そしてお気に入りが見つかるとタワレコに直行し購入。お金が無かったので、「レンタル」という保険をかけずにCDを買う余裕は無かったのだ。振り返ってみるとなんともまどろっこしい。少しの興味だけでCDは買えないのよ。そんな開拓事業も高3の夏、ラルクの活動再開が正式に決定した瞬間から放っぽり出してしまった。それ以降、貪欲に開拓をすることは無くなってしまうのだった。CDを買う余裕は高校時代に比べればあるけど肝心の貪欲さがラルク復活のせいで抜け落ちてしまった。
CDとMDの海の中から数枚引っ張り出してきて久々に聴いてみる。で、今、耳を惹きつけまくっているhideと初期のマッドカプセルマーケッツを先程からずーっとリピート再生中。ちょうど今hideの「LEMONed I Scream」が流れている。
彼が亡くなった時、私は肺炎で地味に入院中。ワイドショーで急逝のニュースがバンバン流れるのをぼんやり見ていたのを覚えている。「うわぁ…大変なことになったなぁ」とは思ったが、耳元のイヤホンから流れてくるのはラルクだった。hideの音楽をちゃんと聴いたのはそれから4年ぐらい後だ。生前の未発表音源としてリリースされた「In Motion」を聴いた後、「もっとこの人の音楽聴きてぇ!」と思っていろいろ聴くようになった。以前の記事で、「多感な中学生時代にラルクがあって良かった」というような事を書いたが、hideに関しては中学時代に出会っていなくて良かったと思う。この人の音楽、吸引力が強すぎる。私が音楽を聴くのはただただ「音を通じて現実の世界ではありえないような景色を見たい」という欲求を満たすためだが、hideの曲を聴いていると、そんな景色のみえる場所から帰還できなくなりそうになる。で、ラルクもそういう類の音楽だと思っている。中学時代の私のような不安定な時期にはそういう特別な音楽は、ラルクだけで十分だ。なんというか…あの頃hideも共に聴いてたら、多分完全に心を音楽だけに支配されてしまってたかも。それって自分にとってはきっと気持ち良い事だと思うけど、実際かなり不健康なことでしょ?ラルクとhideのコンボは中学時代のひ弱な私にはきっと危険な取り合わせだったはず。今なら普通にワクワクしながら楽しく聴ける。ゴリッゴリでハードなものと思いっきりポップなものを絶妙すぎるバランスで折衷した、ゴッシャリしてるのに何故か耳触りの良い音楽。不思議すぎるぞhide。落ち込んでる時に背中を押して勇気づけてくれるどころか「とにかく進めオラオラァ!」と鬼軍曹のように、でも笑顔で背中を足でガンッガン蹴っ飛ばしてくるような、力強い歌詞も不敵でいいなぁ。こういうヘヴィーでポップな音楽をやる新人バンドが今現れたら即効でファンになるのになぁ。最近の音楽って本当に耳触りの良い「だけ」のものばっかりだ。刺激が無さ過ぎる…。
マッドはとりあえずジャパンで見た92年の『SPEAK!!!』を出した頃の写真のTAKESHIさん(ベース)が素敵すぎてねぇ…とりあえず、ハードコアパンクだった初期から聴きなおし。ぬ~~…ハードコアなのにポップで凄い~。今では「SCARY」や「GAGA LIFE」や「PULES」のような後期の作品ばっかり聴いているけど、たまには初期も聴かなきゃ損だな。言うまでも無いが初期はリアルタイムでは無い。当たり前だ、リアルタイムでなくても小学校低学年で初期マッド聴いてるやついたら退く。初期の頃のマッド周辺を色々と調べてみると、あらゆるところでラルクやhideと繋がっていて面白い。ちなみに氣志團の綾小路翔は、「今でも俺的にはTAKESHIさんは紅麗剛市ですけど(笑)」と言って後期の豪快かつ繊細な爆裂ミクスチャー時代よりも初期のパンク時代の方が好きだと言う気持ちを表現してた。紅麗剛市って…かなり初期にTAKESHさんが名乗ってた名前だ。今日の記事のタイトルはTAKESHIさんの名前の変遷だ。 
 
追記
「気絶する様な行為の中~♪」

ネタが無いなら晒せばいいのだ/パンドラの箱

2006-05-14 21:29:44 | 音楽
●ipodを使い始めて一年半程経った。2004年の秋、母親が「日刊スポーツ」のアンケートに答え、抽選で手に入れたipod mini。電化製品に疎い母親はipodが届いた日、箱を見せながら「これ、新しいゲーム機?」と聴いてきた。そんな母親だからして、届いたipodは当然私のものとなった。自分の好きな音楽を大量に外に連れ出せて、簡単な操作で好きな曲を好きなときに聴ける革命的なipodは一瞬で私の生活に不可欠なものになった。不可欠すぎて毎日毎日音楽聴いては充電を繰り返していたら半年前から電池の調子が悪くなり、一応「連続再生8時間」にも関わらず最近では2時間弱でくたばってしまうように。数時間放置すればまた復活するときもあれば、しない場合もあり、というかなり不安定な状態になってしまった。曲をどんどん追加するうちに容量も少なくなってきているし、そろそろ「ipod nano」辺りに買い換えるべきか検討中。でも殆ど肌身離さず持ってたから愛着が…。離れがたき仲になってしまったよ。しかも、私の持っているipodmini よりもさらに小さく薄型のipod nanoが発売された後、miniは早くも生産中止になってしまったらしいのだ。今となっては結構貴重品だったりするのだ。ますます手放せない。
今日はそんな愛する私のipod mini の中身をちらっと晒してみようと思う。
全収録曲数は681曲。収録されているアーティストで一番曲数が多いのはやはりラルクで、103曲。余程気に入らない曲以外は入れているからな。全部再生すると8時間9分かかるらしい。その次に多いのがスピッツで78曲。まだ半分ぐらいしか聴いてないのでまだ増えるかも。でも、最新作『スーベニア』から遡るようにしてアルバムを聴いているのだが、『インディゴ地平線』でなぜか止まってしまった。スピッツは後期のが好みなのかも。次に多いのがGRAPEVINEで68曲。高校時代から何かとお世話になっているバンド。去年の秋もライブ行ったぞ。ちょうど研究室を決める時期でわたわたしてた頃だなぁ。今の携帯のメールアドレスはこのバンド関連の単語を使っている。一旦ハマったら二度と出られない、口当たり良いふりして猛毒な素敵なバンド。大昔「ポスト・ミスチル」と言われてただけあって、シングル曲はかなりメロディアスだ。ベスト盤聴くと大抵の人は耳にひっかかると思う。次からはちょっと減って33曲のRadiohead。そこまで好きではないので聴いてない曲が多い。ならなんで入れるのさ。以下はどんぐりの背比べ状態なので省略。「好き度」と収録曲数が比例しているのは上位3組だけだということがわかった。
ipodをパソコンにつなぐとこれまで再生した回数がわかる。一番回数が多いのはSmashing Pumpkinsの「Bullet With Butterfly Wings」。128回聴いたらしい。いつの間にそんなに…。次に多いのはラルクの「叙情詩」116回。これは本当に何度も聴いたからな。気づけばこの曲が世に出て一年が経つ。本当に凄い出会いだったのだよ、この曲は。長年聴き続けて猶もこんな名曲に出会えるなんて滅多に無いことなのだ。それは活動歴の長いミュージシャンの最近の作品に目をやれば一目瞭然なのだ。ところでかなり謎だが、「cha-la-head-chala」を114回も聴いたことになっているが、マジなのか?アホじゃないか、私。「ロマンティックあげるよ」は71回聴いてる…。

Pandoraというサイトが面白い。自分の好きな曲やアーティストの名前を入力すると、それとよく似た雰囲気の曲をコンピュータが延々と紹介してくれて、それをノンストップで試聴できる、というサイトである(結構有名か?)。これを上手く使えば素敵な出会いがあるかもしれないぞ。私は早速気になるバンドを見つけた。ちなみに海外のサイトなので対象は海外のミュージシャンのみ。「utada」で検索したらちゃんと出てきて驚いた。

「思えばあの日から空へ続く階段を一つずつ歩いてきたんだね」

2006-05-11 23:43:43 | 音楽
今朝、いつものように満員電車に乗り込みipodでMondo Grosso聴きながらぼっさーとしていたら、なぜか急にイライラが募って来た。「な、なんでこんなにギューギューで息苦しいんだ!?何故だ!?答えろよ!!」。…電車通学し始めてかなり経つし、朝電車が満員になるのは当たり前だと理解しているつもりなのに、なぜか今日は自分でも理不尽(変換しようとしたら「李夫人」てのも出てきた)だと思うようなイライラにすっかり心を満たされてしまった。これはまずい、イライラ鎮めなくてはと思い、急遽、ipodでラルクのバラードのプレイリスト(ipodに入ってる全曲の中から好きなように曲をプログラムできる機能)を作ることにした。とりあえず思いっきり幻想の世界に飛ばされよう、と考えたのだ。で、それをやるのに一番手っ取り早いのがラルクの異様に壮大で幻想的なバラードを聴きまくることだ。ipodをポケットから取り出して、急いでプレイリストを作る。曲順は適当でいいから、とりあえず気分を落ち着かせてくれそうな曲をさささっと選ぶ。で、聴く。私は単純なので、一曲目に選んだ「あなた」という曲の、2分12秒辺りから始まる超絶ギターソロを聴いただけですぐイライラはおさまった。満員電車という日常のようで「この面積にこれだけの人が…」という意味では非日常な状況でこの穏やかな名バラード聴くと、なんというか、「ん?ここ何処だ?」という心持になる。この「あなた」という曲、歌詞は少々クサいが優しいメロディーと、色っぽく擦り寄ってきて涙を誘いまくる後半部分のギターのフレーズが素晴らしい名曲。肺炎で入院した中一の時病室で聴きまくったラルクのアルバム『HEART』のラストを飾る曲だが、本当、この曲があったお陰で私は病気から立ち直ることができ、「病は気から」を身を以って体感しt………嘘はよそう。あ、でも今日の記事のタイトル、これは「あなた」の歌詞の抜粋だが、この部分ばっかり狂ったように巻き戻して何度も聴いていたのは本当だよ。
ちなみに勢いで作った「ラルクのバラードプレイリスト」の中身は「あなた」「瞳の住人」「the silver shining」「ガラス玉」「As if in a dream」「pieces」「叙情詩」「Dearest love」「Link」。とにかくイライラを取り除けるよう、穏やかなのを中心に入れた。最後の曲は明らかにバラードではなく、ちょっとだけ黒っぽいリズムが印象的な爽やかでポップな曲だが、エンドロールや後夜祭的というか、ラストを明るく盛り上げてくれるような感じがして、ipodでプレイリストを作るときは殆どの場合これで締めている。近いうちにこれらの曲についての解説(?)の記事でも書いてみようと思う。バラードは、ミュージシャンが曲に込めた魔法が一番わかりやすく、ダイレクトに受け手に伝わる重要な作品だ。ファンの思い入れも強い場合が多い。よって、書きたいことがいろいろあるのだよ。


追記
今、物凄く「ハイスクール!奇面組」を見たい気分だが、自分が受信できるスカパーのチャンネルでは放送していない。自分が小学生の頃、毎年夏休みは必ずと言っていいほど「奇面組」が再放送されていたが、最近は一切見ない。まぁ、かなり古いからしょうがないけど。あー、すっげえ見たいよ「物星大」君。小学生の頃、私が「奇面組は大君がダントツで好きだなー」と言ったところ周りに全否定されたのは悪しき思い出。どうやら自分の周辺では、男子にも女子にも大君は受け付けられないようだ。「普通一堂零だろ!」と突っ込まれた。ふぅ…ガキだなぁ。この状況、異常でしょ。ちなみに物星大を演じた声優、塩沢兼人氏は6年前、46歳の若さで急逝している。

追記2
「ドラゴンケースに入れてね!」


hyde、日本全国津々浦々/ROCKIN’ ON JAPAN 20th anniversary

2006-05-10 23:33:46 | 音楽
●先日新譜を出したhydeさんが今ツアーで全国を駆け回っている。スケジュールを見ると、どこもかしこも地方の小さなライブハウスばっかり。普段ラルクのライブで行かないところを隈なく回るって感じの熱すぎるスケジュールになっている。どこのライブハウスも、収容人数が数百人単位の小さなところばっかり。私の住んでる愛知県には、5/21(日)豊橋LAHAINAと8/13(日) 名古屋レインボーホール の二回やってくる。レインボーホールはラルクで何度も来たおなじみのアリーナだが、豊橋の方は多分初ライブではなかろうか。会場の収容人数は500人程度らしいが友人によると「あそこに500人も入るの~?」。行ける人いいなぁ。そんな狭いところでhyde見れるなんてね。まぁ、豊橋は私の住む場所から遠いようで近いようで遠いから行くの無理だけど。ただ、どこの会場も明らかにキャパシティー越える人数の客を入場させまくってるようで、阿鼻叫喚状態らしいが(長野とか凄かったらしいぞ)。豊橋はどうなんでしょーね。当日はLAHAINAとその周辺だけが異次元というか、桃源郷状態になるだろう。小さなライブハウスにhydeファンが集まるんだろ?絶対面白いぞ(笑)。そっち方面に住む人は、暇があれば閉演後あたりの時間に様子見に行くと楽しいかもね。
それにしても何度みても今回のツアー日程は北は北海道から南は沖縄まで行きまくりで凄いな。hydeの故郷、和歌山にも行くようだが、そこのライブハウスの定員はなんと200人…!それ、高校の軽音部のステージに集まる人数より少ないと思う…。

●音楽雑誌『ロッキングオンジャパン』が創刊20周年を迎えるらしい。今月20日に出る号は20周年記念号で、特集は「過去20年の間に掲載されたインタビュー記事や写真の中から、衝撃的なものを再掲載」。すげー!ここ数年ラルクが表紙の号しか買わなくなってしまっていたが(多分編集長が変わった所為だと思う。編集長次第で雑誌の質ってこんなに変わるんだ…と驚いたよ)、この号は手に入れねば。ちなみにこの号から編集長交代。自分が一番楽しく読んでた頃の山崎という編集長に変わる。リンク先に掲載されているレミオロメンの表紙の号は本屋で見たとき「…………」って感じだったなー。傑作傑作煽りすぎじゃね?と。
『ロッキングオンジャパン』の長年の名物企画で、ミュージシャンに半生を振り返ってもらい、根掘り葉掘り訊くという「二万字インタビュー」というものがあるが、あの企画は衝撃的なの多かったから結構再録されるのではないだろうか。自分の好きなミュージシャンや、なんとなく半生に興味のある人がこの「二万字インタビュー」を受けると知れば、そのインタビューが載る号の発売日を指折り数えたりしていたな。4年前、hydeがこの二万字インタビューに登場したとき(彼の場合は4万字だった。長いぞ)、公式的には出身地や生年月日は非公開だった彼が、自分の口からあっさりプロフィールを明かしたのにはびびったな。あと、オザケンこと小沢健二の本物のインテリ家系ぶりには驚いた。育ちが良くて頭も良いんだろうな、とは思ってたし、叔父さんが世界的指揮者の小沢征二なのも知ってたけどさ。…祖父が右翼の大物らしいぞ。それと、浜崎あゆみがグラビアアイドル時代の思い出を語ったかなり貴重なのもあった。多分このインタビュー載ると思う。興味あったら立ち読みしてみてね。


追記 
今日、gooブログが荒れている(笑)テンプレートが乱れて記事などがピカソの画法のような無茶な位置に表示されたりとか。

‘I'm a winner so fuckin', what?’―DragonAshについて

2006-04-30 20:31:14 | 音楽
DragonAshのアルバム『Viva la Revolution』を聴きながら恐ろしいことに気づいた。えーと、ドラゴンアッシュのほぼ全ての楽曲の作詞作曲をつとめるボーカル降谷健治は1979年生まれ。このアルバムが出たのは99年…ハタチでこれ作ったんかい…!なんだこの才能、怖えーよ。今の自分と同い年だよ。ヒップホップやロックやパンクやメロコアを独自の手法で融合させ消化して日本に一大ヒップホップブームを巻き起こすきっかけとなったあのアルバム。あのアルバム以前はメロディー志向のこの国でラップパートのある曲が売れるなんて考えられなかったわけで。オレンジレンジやHY他、今売れまくってるバンドにダイレクトに影響を与え、さらには嵐やこの前見たばっかりのKAT-TUNなどのアイドル勢にも何かしらの影響を及ぼしたであろう、1999年の重大作の一つ『Viva la Revolution』。そっかー…降谷がこのアルバムの曲を書いたのはハタチの時かぁ…それにひきかえ今の自分は何やってんだろう。まあ比べること自体間違ってるけども、やっぱり凄すぎる。
自分が持っているドラゴンアッシュのアルバムは『Mustang!』『Buzz songs』『Viva la Revolution』『lily of da valey』『HARVEST』の5枚。どれも結構好きなアルバムだ、音は。でも、『Mustang!』『Buzz songs』『Viva la Revolution』の曲にのっかっている降谷による闘志溢れるメッセージが詰まった歌詞にはあまり思い入れは無い。若いだけに隙だらけだし浅いし…。ただ、何度も連発してしまうけどあの若さで堂々と「革命万歳!」と高らかに言えてしまう大物ぶりはやはり一目置いてしまう。荒削りだけど「陽はまたのぼりくりかえす」(『Buzz songs』)「Drags can't kill teens」「Freedom of expression」(『Viva la Revolution』)は名曲だと思う。ちなみにたまに間違えて「腸はまたのぼりくりかえす」と書く人がいる。エイリアンものの映画じゃないんだから(笑)。
大成功した一方で、あたかも「これぞヒップホップの決定版!」みたいな宣伝のされかたに違和感をもった本家ヒップホップ方面のアーティストから叩かれたり(「ラップが入ってればヒップホップなんて安易に言うな」みたいな批判)、「親の七光りだろ(父は古谷一行ちゃん)」と叩かれたり、日本ヒップホップ界の大物ユニット・キングギドラに「公開処刑」という曲(スゲー曲名だよな)の中で名指しで叩かれたりと、若いうちから歓声と罵声を同じぐらい浴びた稀有な人・降谷健治。それらを何とかすべて受け止め、今でも音楽活動を続ける姿は素直に尊敬してしまう。
そんなドラゴンアッシュの作品で一番好きなのが、2001年リリースの4th『lily of da valey』。遠慮一切なしのゴッシャリしたディストーションギターのループが耳に気持ちいい。もはやパンクとヒップホップの融合とかのん気に言ってられない。当時流行っていたリンプビズキットみたいな曲まであり。ベストトラックは「百合の咲く場所で」か。緊迫感のあるストイックなラップで始まり、サビで一気に曲調が盛り上がり、ブルーハーツ並みのテンションでパンクを響かせるというむちゃくちゃな構成が超好み。サビとそれ以外のテンションの落差はラルクの「Heaven's Drive」を彷彿とさせる。いや、落差はそれ以上かな。
そして歌詞の押韻が素敵。このアルバムで降谷の押韻のレベルが上がった感じ。このアルバムの中ではかなり穏やかな曲調で、アコギのフレーズと、そのフレーズを逆再生させたものをループさせる優しくシンプルな「My Friend's Anthem」の歌詞の一部を引用。

仲間達よ月日経ったって 片手に握ってた糧
もう片方の手には涙した 悔しさがあふれてはみ出した
あの頃を忘れてないんだぜ あの心は捨ててないんだぜ
一つだけ覚えておいてくれ 辛いなら大声で呼んでくれ

私はこの歌詞は韻文としては結構凄いと思うんだけど、本家ヒップホップの人や、詩に詳しい人から見たらどうなんだろう?普通?「あの頃を~」のくだりは全部母音一緒である。この部分が好きで何度も巻き戻して聴いていた。これを書いたのは彼が21歳の時か…。

…やれやれ…
(スヌーピーの4コマ漫画の4コマ目によくあるパターン)。